骨折明けも進境をみせたい3冠最終戦 ココロノアイ
2015/10/12(月)
レース中に骨折していたオークス
-:秋華賞(G1)に出走するココロノアイ(牝3、美浦・尾関厩舎)についてお聞かせください。前走のオークスを振り返って、当日の仕上がり、体調などはいかがでしたでしょうか?
尾関知人調教師:良い状態でしたね。桜花賞の後も順調に来ていましたし、実力を出せる状態かな、と思って見ていました。
-:レースを振り返られていかがでしたか?
尾:ゲートで待たされたのもあったのですが、特に影響なく、折り合いも付いていました。道中は良さそうだと見ていたのですが、直線で「ここから来れば、いい競馬になる」というところで伸びを欠いたところがありました。結果、レース中に骨折していたので、原因はそこなのだろうなと。
-:レース後の馬の状態はいかがでしたか?
尾:骨折していた部分を手術しました。ただ、そんなに重度ではありませんでした。骨折だけではなく、全体的に疲れが出ていたところもあったので、それをキッカケに、しっかりと休ませる必要があるのかな、と考えました。
-:秋はどのようなローテーションで行こうとお考えでしたか?
尾:骨折の程度自体でいえば、トライアルに行けるのではないか、という獣医の診断ではあったのですが、そんなに慌ててもしょうがないですし、長目に見た方が馬にとっても楽だと判断しました。間に合えば秋華賞へ、というくらいのイメージで考えていました。
-:秋華賞を目標にということで、厩舎に戻されて9月の半ばくらいから時計を出されたと思うのですが、中間の調整で気を付けていた点がありましたら教えて下さい。
尾:美浦に戻ってくる前は、JRAの常磐支所のいわき温泉に行ってリハビリをしていました。あそこは軽く乗れるところしかありませんので、ほぼほぼ厩舎に来てからのスタートでした。気を付けて見ながら、何か嫌なことがあれば、無理をしないで行ければいいかな、と思いながらやってきました。レースありきというよりも、馬の状態に合わせて調整を進めてきました。
-:今回の中間はプールを取り入れていらっしゃいます。
尾:取り入れるという程でもないですが、常磐支所のリハビリで行っていて、また、馬も色々な事をやった方がリラックスでき、精神面のプラス作用があるので、ある程度やりました。
この中間は折り合い面に進境
-:1週前追い切りはウッド単走でしたが、指示、動きはいかがだったでしょう
か?
尾:先週の2週前追い切りでは、半マイルからの追い切りはできていたのですが、もう少し5Fの入りを早くしたかったものの、逆に折り合ってしまいました。行かせづらかったところもあったようで、無理はしなかったという感じです。その分の負荷をかけられなかったのもあるので、今回は長めから行いました。ある程度折り合いがついて、終いを持って来られるようなら強めに追って、と考えていました。半マイルから伸ばしたところで掛かってペースが上がった場合は馬なりで、ということでした。あまり負荷が強すぎても困りますからね。結果、折り合いがついたので、強めでやりました。
-:当初の予定通りという事ですね。動きの評価自体はどうでしょうか?
尾:折り合いがついたので、終いを伸ばしたのですが、この馬らしい力強い走りで、全体時計もまずまずだったと思います。
-:1週前追い切りを終えた馬の状態というのはいかがですか?
尾:そんなに心配なところもなく、先週よりも体が増えているので、良かったかと思っています。
-:馬の様子を見ながら、という事になると思いますが、当週の追い切りはどのようにお考えなのでしょうか。
尾:水曜日に追い切って、競馬にいくという事で考えています。
-:今回は京都への遠征です。阪神を使った時に長距離輸送は経験されていますが、その辺りはどうでしょうか。
尾:その経験もありますし、京都の方が近いですから、そんなに心配はしていないですよ。
-:尾関先生にとってココロノアイの良さはどの辺りにあると思いますか?
尾:もちろんポテンシャルの高さがあり、そこに、父親から受け継いだと思われる気持ちの強さがプラスされていますからね。良い方向に向かった時は爆発力があるのがこの馬の良さです。
-:力が出せる、出せないというのは気持ちに左右されるところがあるのでしょうか。
尾:今までそうでしたが、オークスは折り合っていましたからね。この中間も折り合っているので、徐々に乗りやすくなってくれれば、より一番大事なところで踏ん張りが効いて頑張ってくれると思います。
-:良い方向に変わってくれれば、という展望も踏まえて、秋緒戦の秋華賞をどのようにお考えか最後に聞かせて頂いてもよろしいでしょうか?
尾:ケガの後ですから、まずは無事に走ってきてほしいですね。勝つつもりで行きますが、ここだけが競馬ではありませんし、次に繋がる内容の競馬が出来ればいいかと思っています。
-:ありがとうございます。
プロフィール
【尾関 知人】 Tomohito Ozeki
「NO HORSE, NO LIFE !」のキャッチフレーズと共に2009年厩舎開業。開業から着実にステップアップを果たすと、12年には年間35勝をマーク。一躍、美浦のトップステーブルの仲間入りを果たした。 厩舎を代表するサクラゴスペルがスプリンターズSで11番人気2着に入り、波乱の立役者となった。 厩舎キャッチフレーズである「NO HORSE, NO LIFE !」をタイトルにしたブログ(http://ozeking.com/)も公開している。
1971年千葉県出身。
08年に調教師免許を取得。
09年に厩舎開業。
初出走:
2009年3月1 2回中山2日目3R ノボパガーレ
初勝利:
2009年4月11日3回中山5日目5R ノボパガーレ