種牡馬ゴールドシップの現在とは?ビッグレッドファームに独占取材!
2016/9/10(土)
現在も一般見学は可能!引退後の人気も絶大!
-:他にも数多くの種牡馬がいると思いますが、他の種牡馬と比較して、ゴールドシップの個性はいかがですか?
福:現在のウチの管理馬では人間を襲ってきたり、放牧地で捕まらない、という難しい馬はいないので。それらに比べると、幾らか個性といいますか(笑)、時々、逃げ回ったりしますのでね。
-:放牧地では捕まらないのですか?
福:ええ、その日の気分で。
-:隣の放牧地にロージズインメイ(牡16)とアイルハヴアナザー(牡7)がいたのですが、その2頭にはコンタクトしていくこともないですか?
福:とにかくマイペースです。牧柵沿いに何百人近いお客さんがいたとしても、そこに寄って何かする訳でもなくて、放牧地の中で草を食べている、という感じで、アイルハヴアナザーは人にすぐに寄っていって、ちょっかいを出したりするので、逆に言うと、私たちは何かお客さんに事故が起こらないかと心配になりますよ。ゴールドシップはそういう「愛想」を振りまくところが全くないので、僕らはある意味、助かっていますが……。
▲ゴールドシップと同じ2009年産まれのアイルハヴアナザー
同世代の2頭でビッグレッドファームを牽引していくはずだ
雪が降っている時などは足跡がすぐに分かるのですが、どちらかと言えば、アイルハヴアナザーの側によくいるというか、ロージズインメイの側はほとんど歩いていないですね。7歳で同じ歳ですが、あっちの方を意識しているのかなと。アイルハヴアナザーをマシンとかで運動させようと思って連れていったら、鳴いたりしているので。普段は全然意識していないように見えて、やっぱりアイルのことはちょっと気にしているのかな、と。同世代であっちはもう(子供が)デビューしていますが、ウチの2本柱で良いライバルになってほしいです。
-:マイペースな毎日を過ごしているという、そんなゴールドシップですが、現在の1日のスケジュールはどんな流れで過ごしていますか?
福:スケジュールは夜間放牧をしているので、朝8時に馬房に退くと。それで、午後の2~3時半辺りに放牧をして、その間にエサを2食食べて、手入れして、という流れですね。
-:ファンもSNSなどで写真をアップしていることを目にしますが、一般見学をしてもらっていますよね。
福:そうですね。見学が10~16時までなので、出来るだけ16時前の15~15時半くらいに出して、外にいる姿もファンの人に観てもらえれば良いかなと思って。あまり暑い日は夕方の涼しくなった頃から出しますが、なるべく中だけではなく、外でも。今は暑さと雨が多く、少し疲れているのかなと思いますが、体が悪い訳ではないので。見学が出来ない日もありますが、ウチはほぼ1年中、自由見学という形で開放していますので、ファンの皆様にいつでも観に来てもらいたしですし、一定のルールは設けていますが、あとは自由見学という形なので、たくさんの方に観に来ていただければと思います。
▲(左)2月中旬撮影(右)7月下旬撮影
-:ゴールドシップが入ってきて、ファンの皆様は増えましたか?
福:相当増えましたね。例えば、アグネスデジタルはG1を6勝して、かなり人気のある馬でしたし、コスモバルクも功労馬としての導入ですが、来場されるファンが多かったですが、それらとはケタが違うというか。ゴールデンウィークやこの間のお盆は放牧地の両側がビッシリとお客様で。もう、動物園みたいな光景ですね。そして、僕は飼育係みたいな(笑)。
-:しかも、それが一過性ではなく、長くファンが詰めかけそうですね。最後にこれから長く続く種牡馬生活への抱負を改めてお聞かせください。
福:重さやズブさのイメージが強いかもしれませんが、2歳でレコード勝ちしていますし、共同通信杯でも2番手から抜け出して勝っていますし、本質的な体質はステイゴールドにすごく良く似ています。偉大なお父さんみたいに近付いて、それくらいの成績を残してくれればと。それが期待ですね。
-:馬産地に台風が直撃したり、大変な夏でしたが、お忙しいところありがとうございました。
福:いえ、ありがとうございます。
プロフィール
【福田 一昭】Kazuaki Fukuda
ビッグレッドファームでの勤務は20年以上の大ベテラン。1歳の順致や当歳馬の視察で生産地を巡回した経験や休養馬管理など、これまでのキャリアは枚挙に暇がない。種牡馬の担当になってからは4年目を数え、現在も調教の騎乗も行っている。日々のテーマとして「ビッグレッドファームで一通りの仕事はさせてもらったので、種馬の仕事で他の作業も行った経験がノウハウとして活きれば良いですね」と語る。