菊沢師インタビュー前編はコチラ⇒

厩舎としてダービー初挑戦「騎手時代からの夢」

-:レース後の馬の状態はいかがでしょうか?

菊:反動をすごく心配した割には、馬がシッカリして回復も早くて、それだけ馬全体的に力が付いてきたのかなと思いました。

-:今日(5/18)1週前追い切りをされましたが、先生の思い描いていた内容と実際の感触はいかがでしたか?

菊:本当は1週前追い切りというか……追い切りという言葉があてはまるのかどうか分からないのですが、やっぱりちょっと気が高まってきているのでね。(馬は)休みじゃないんだな、という気配があって、少しガスを抜いてあげようという感じで、なだらかな感じの稽古をしました。

-:特に追い詰めるとかではなくて。

菊:もう追い詰める必要は全くないです。男馬だけどやっぱり繊細な部分があって、女の子というか、幼児を育てるような気持ちでやっていますけどね。

菊沢隆徳

▲菊沢隆徳調教師自らが跨って1週前の調整を行った

-:反応が過敏なのですか?

菊:過敏な反応だし、やっぱり自分がどうして良いのか、何をして良いのかというのがパニクっちゃうところがあるのでね。

-:落ち着かせる調整ということですね。

菊:そうですね。その辺が男馬だが、ちょっと繊細に接してあげないとなという感じはしていますね。

-:今の話を聞いていると「精神面に課題がある」ということですが、ダイワキャグニーのこの辺りがさらに良くなっていってくれればなという、現時点での先生の理想はありますか?

菊:これは、本当にどの馬でもそうですが、長いスパンで考えていかないといけないなと思うし、走るのは分かっているので、あとは変に寄り道をしないで行ければなと思っていますけどね。まだまだ上に行ける馬だと思っています。

-:ダイワキャグニーにとってはまだまだこの先長い競走生活がありますが、その中で迎えるこの日本ダービーですが?

菊:何と言うか、実際にクラシックに向かう馬を手掛けさせてもらって、いかに万全でというか、仕上げることの難しさ、過酷さを感じていますね。

-:厩舎サイドとしてもダービーは初経験ですね。

菊:どの馬でもそうですが、やっぱり目標となるレースがあれば、いかにそこに馬のコンディションを高めていけるかということで、それは日々稽古などでも考えながらやっているのですが、メディアもすごいので、その辺に踊らされないようにマイペースでやりたいと思いますね。

-:最後に日本ダービーに向けての意気込みをお願いします。

菊:ダービーは僕の騎手時代からの夢でもありますし、実際に騎手で経験したのも1度だけです。調教師としてまだ7年目で、こうしてエントリー出来るような馬に巡り合えたのは本当に光栄ですんでね。本当に応援している方も一杯いるので、それに応えられるような状態で馬を出せたら良いなと思います。

-:先生はダイワスペリアーで3着でしたね。

菊:そうですね。

-:あの時は?

菊:正直、僕もまだ若かったですし、ダービーの登録を見た時から、ちょっと気持ちが昂っていましたね。今は、逆に調教師の方が昂りとか、そういうのは……。

-:また心持ちは違うと?

菊:実際、馬と毎日接している訳なので、馬の状態が分かるので、良いように持っていくためのことしか考えていないですからね。

-:レースでどう乗ろうとか全く立場が違う訳ですからね。

菊:それはジョッキーとは話をしていますし、これから打ち合わせもするでしょう。

-:先生としては良い状態で(送り出す)、ということですね。

菊:そこに努力したいと思っています。

-:分かりました。ありがとうございます。

菊沢師インタビュー前編はコチラ⇒