東京で圧巻3戦3勝のダイワキャグニーが混戦ダービーに割って入る!
2017/5/21(日)
-:レース後の馬の状態はいかがでしょうか?
菊:反動をすごく心配した割には、馬がシッカリして回復も早くて、それだけ馬全体的に力が付いてきたのかなと思いました。
-:今日(5/18)1週前追い切りをされましたが、先生の思い描いていた内容と実際の感触はいかがでしたか?
菊:本当は1週前追い切りというか……追い切りという言葉があてはまるのかどうか分からないのですが、やっぱりちょっと気が高まってきているのでね。(馬は)休みじゃないんだな、という気配があって、少しガスを抜いてあげようという感じで、なだらかな感じの稽古をしました。
-:特に追い詰めるとかではなくて。
菊:もう追い詰める必要は全くないです。男馬だけどやっぱり繊細な部分があって、女の子というか、幼児を育てるような気持ちでやっていますけどね。
▲菊沢隆徳調教師自らが跨って1週前の調整を行った
-:反応が過敏なのですか?
菊:過敏な反応だし、やっぱり自分がどうして良いのか、何をして良いのかというのがパニクっちゃうところがあるのでね。
-:落ち着かせる調整ということですね。
菊:そうですね。その辺が男馬だが、ちょっと繊細に接してあげないとなという感じはしていますね。
-:今の話を聞いていると「精神面に課題がある」ということですが、ダイワキャグニーのこの辺りがさらに良くなっていってくれればなという、現時点での先生の理想はありますか?
菊:これは、本当にどの馬でもそうですが、長いスパンで考えていかないといけないなと思うし、走るのは分かっているので、あとは変に寄り道をしないで行ければなと思っていますけどね。まだまだ上に行ける馬だと思っています。
-:ダイワキャグニーにとってはまだまだこの先長い競走生活がありますが、その中で迎えるこの日本ダービーですが?
菊:何と言うか、実際にクラシックに向かう馬を手掛けさせてもらって、いかに万全でというか、仕上げることの難しさ、過酷さを感じていますね。
-:厩舎サイドとしてもダービーは初経験ですね。
菊:どの馬でもそうですが、やっぱり目標となるレースがあれば、いかにそこに馬のコンディションを高めていけるかということで、それは日々稽古などでも考えながらやっているのですが、メディアもすごいので、その辺に踊らされないようにマイペースでやりたいと思いますね。
-:最後に日本ダービーに向けての意気込みをお願いします。
菊:ダービーは僕の騎手時代からの夢でもありますし、実際に騎手で経験したのも1度だけです。調教師としてまだ7年目で、こうしてエントリー出来るような馬に巡り合えたのは本当に光栄ですんでね。本当に応援している方も一杯いるので、それに応えられるような状態で馬を出せたら良いなと思います。
-:先生はダイワスペリアーで3着でしたね。
菊:そうですね。
-:あの時は?
菊:正直、僕もまだ若かったですし、ダービーの登録を見た時から、ちょっと気持ちが昂っていましたね。今は、逆に調教師の方が昂りとか、そういうのは……。
-:また心持ちは違うと?
菊:実際、馬と毎日接している訳なので、馬の状態が分かるので、良いように持っていくためのことしか考えていないですからね。
-:レースでどう乗ろうとか全く立場が違う訳ですからね。
菊:それはジョッキーとは話をしていますし、これから打ち合わせもするでしょう。
-:先生としては良い状態で(送り出す)、ということですね。
菊:そこに努力したいと思っています。
-:分かりました。ありがとうございます。
プロフィール
【菊沢 隆徳】Takanori Kikuzawa
1988年に柄崎義信厩舎所属としてJRA騎手デビューを果たす。同期は内田浩一氏、岸滋彦氏などで、初年度は13勝をあげた。1993年に天皇賞(秋)でG1初騎乗を果たし、同12月の愛知杯にて重賞初制覇を成し遂げる。現役22年のうちフェアープレー賞を5度受賞するなど、その騎乗スタイルは若手騎手の手本として評された。
2011年に調教師として厩舎開業を果たすと、初年度にオープンガーデンで阪神スプリングジャンプを制し重賞初制覇。この春はアエロリットがNHKマイルCを勝ってG1初制覇。美浦の新進気鋭として充実のシーズンを送っている。