レッドファルクスが、マイル戦初勝利をG1制覇で飾る。前走の京王杯SC(G2)は道悪で58キロを背負いながら完勝。昨年のスプリンターズSを制した短距離界トップの力を見せつけた。陣営は2歳冬以来となる距離への挑戦を決意。タフな競馬だった前走の疲れも取れ、チャレンジャー精神で大舞台に臨む。

「ジョッキーの感触も含めて融通が利きそう」距離に不安なし

-:(安田記念の)レッドファルクス(牡6、美浦・尾関厩舎)について、前走の京王杯SC当日の馬の状態を先生はどのようにご覧になりましたか?

尾関知人調教師:馬体の感じも、体重の感じも良い状態に仕上がったかなという感じで、前の時にも言っていたと思いますけど、高松宮記念と同じぐらい良い状態だったと思います。どっちも甲乙つけ難い状態だったですけど、1回競馬を使った分の内面的な良さは、前回(京王杯SC)の方が良かったかなと。

-:レースは道悪でしたけども、内容を振り返っていかがですか?

尾:ずっと雨が降っていて、かなり馬場が悪かったので、あそこまで悪いとどうかなというのはあったんですけどね。高松宮記念で馬場の悪い所を走っていた経験もプラスにはなっていたと思うんですけど、シッカリ走って力強い走りでしたし、あの馬場で33秒台で上がっているんですから、強い勝ち方だったと思います。

レッドファルクス

-:厩舎にとってJRA通算200勝目でしたが、それについてはいかがですか?

尾:(勝利を)積み重ねてきて、本当に嬉しい勝利でしたけどね。一つ一つ与えられた馬で結果を出していかないといけないので、区切りとかそういうのよりも、一つ一つの勝利として、嬉しかったのは嬉しかったですけどね。

-:ちょっとタフな馬場の京王杯SCでしたけど、レース後の馬の状態はいかがですか?

尾:馬場も馬場だったので、それなりに疲れは出るだろうなと思っていて、週末にはそういう所があったのですけど、ケアをして週が明けて休みもあったことで、馬もフレッシュになって持ち直してくれている感じですかね。

-:中間の過ごし方を教えて下さい。

尾:いつも通りに、中2週で使う馬の(調整の)感じですかね。木曜日(5/18)から乗り出しています。

-:今日(5/25)1週前追い切りをされましたが、その狙いと動きの評価をお願いできますか?

尾:来週に向けて、馬の疲れもある程度取れたのもあったので、普通に追い切りもやれるかなという感じではありました。あとは、来週の競馬という意味ではちょっと距離も延びるので、少し長めからあまりユッタリしたペースではなくて、6ハロンからある程度のペースで行ってという感じだったんですけど、息をつくる感じでは良かったと思いますし、最後は楽でしたけどね。まあ、無理もしていないですし、走りなんかもすごい軽快でしたし、良い感じだったと思います。

レッドファルクス
底知れぬ能力「こんなに強いのかというレースをしてくれる」

-:この後は馬の状態を見ながらということになると思いますが、現状で理想的な来週の調整予定というのは、どのように考えていますか?

尾:水曜日に追い切りをやるのは大体決まっているのですけど、そんなにバリッとやる必要もないかなと思うんですけどね。競馬も使っていますし、フレッシュな感じで競馬に臨めるようなイメージで行ければなと思います。

-:今回、安田記念に向かわれるということで、レッドファルクスにとってはキャリア2度目のマイル戦となりますけども、見通しはいかがでしょうか?

尾:前回の競馬が結構ジョッキーの感触も含めて、ある程度距離も融通が利きそうな雰囲気もありましたし、競馬を使って心肺機能なんかも上がってきているんで、あとは本当に本質的な所で対応できるかどうかだと思うんですけどね。

レッドファルクス

-:馬の個体そのものの適性であったりだとか?

尾:そうですね。あとはメンバーもマイル路線の別の強い馬が出てくるので、この馬自身がマイルをこなせても、もっと強い馬がいる可能性は十分にありますよね。

-:最後に、改めて安田記念に向けての意気込みをお願いします。

尾:高松宮記念に臨むイメージよりは明らかにチャレンジャーで行く立場なんで、本当にこの馬がシッカリ力を発揮できる状態で送り出して、あとはこの馬の潜在能力に期待したいというか、いつも良い意味で裏切ってくれるというか、こんなに強いのかというレースをしてくれるので、またそういう競馬が見られたら良いなと思いますけどね。

-:ありがとうございます。

前回・高松宮記念前のインタビューはコチラ⇒