勝負根性◎のローズプリンスダム!力のいる大井・JDDで激走再び
2017/7/9(日)
地方の力のいるダートを味方につける。ローズプリンスダムは、前走の鳳雛Sで最低10番人気の低評価を覆して3勝目。その後ユニコーンSを快勝し、本番でも人気が予想されるサンライズノヴァを差し切った。レース後は大井のジャパンダートダービーに絞って調整。3歳のダート日本一を決める戦いへ向け、畠山吉宏調教師に意気込みを聞いた。
-:ジャパンダートダービー(Jpn1)(大井ダート2000m)に向けて、まずはローズプリンスダム(牡3、美浦・畠山吉厩舎)の前走・鳳雛Sの内容を振り返っていただけますか?
畠山吉宏調教師:あの馬にしてはちょっとスタートで出負けみたいな感じで、外枠からやや後ろ目の位置取りになってしまったんですけどね。向正面でベテランのジョッキー(小牧太騎手)のペース判断で一気に押し上げて、直線に向いてきたところで人気になっていたサンライズ(ノヴァ)を抜けそうで抜けないかなというところでなんとか前に出て、あとは外から追い込んできた馬もなんとかしのいでくれました。本当に勝負強い、追われてしぶといところは見せてくれたし、負かした相手がユニコーンSで強い勝ち方をしているので、そういう組み合わせの中でしぶといレースで勝ったということは次に向けてもちょっと楽しみになってきました。
▲前走は小牧太騎手の好判断もあって3勝目
-:レース後の馬の状態は
畠:もちろん美浦にも元気に帰ってきました。3勝目を挙げられたことで、このJDDの選出はほぼ確実だろうという感じになりましたので、いったん近場の吉澤ステーブルに短期放牧に出しました。ユニコーンSはパスしてここ一本でという形で、予定通り逆算して入れてきました。
-:昨日は坂路で併せ馬でした
畠:前に古馬500万条件の馬を置いて、大きく追いかける形だったんですけど、やっぱり並ぶ間もなく抜いていったように攻め馬の状態もいいですね。下(馬場)が前日の雨と、一団が走った後だから、ちょっとパワーのいる馬場だったんですけど、それでも終いまでしっかり伸びていました。だいたいこれで調整は整ったかなという感じですね。
-:レースまでの調整はどのような予定をお考えですか。
畠:最終追いきりという感じで日曜日にウッドチップコースに入れて、長め半マイルくらいの感じで、終いの感触をすっと伸ばすという形でいこうと思います。男馬なんですけど、そんなにムダ肉の付きやすいタイプじゃないので、だいたい体は出来上がったかなという感じです。あとは明日、明後日の感じで日曜にどの程度やるかですね。
▲新馬勝ちは芝のマイル戦。9番人気だった
-:今回は大井の2000mという舞台になりますが、見通しはいかがですか
畠:距離延長で初の距離になりますけど、1800mまでの感じを見ていたら問題ないと思います。あとキレというより追われてしぶとく長くいい脚を使えるタイプで、勝負根性があるところも見せてくれています。あとは、大井の力のいるダートがプラスに働くかどうかというところですね。キレ勝負じゃないから、この馬に向いてくれればなと思っています。
-:最後にあらためて意気込みを
畠:ここを目標に順調に仕上がったので、いい状態で本番を迎えられると思います。よろしくお願いいたします。
プロフィール
【畠山 吉宏】Yoshihiro Hatakeyama
1962年9月2日生まれ。静岡県出身。
二本柳一馬、根本康広厩舎の調教助手を経て1999年に調教師免許を取得。翌年に開業。2004年にマイネルデュプレで共同通信杯を勝って重賞初制覇。2013年にマイネルホウオウでNHKマイルCを勝ってG1トレーナーとなった。その後もトロワボヌールで交流重賞を3勝。今年はウインブライトでスプリングSを制している。2017年7月9日時点でJRA通算266勝、JRA重賞は4勝。