予定通りのぶっつけローテ レッドファルクス王者の貫禄見せる
2017/9/27(水)
-:スプリンターズSに出走するレッドファルクス(牡6、美浦・尾関厩舎)についてお伺いします。安田記念の前にご登場していただきましたが、その安田記念のレースを振り返っていただけますでしょうか?
尾関知人調教師:1600mの距離でどこまでやれるのかというのはありました。中2週の連戦の競馬で使うということも久しぶりだったので、プラス材料よりはどこまでやれるのかなという部分はあったんですけど、惜しいぐらいの3着に来てくれて、改めてこの馬のすごさというのがありました。中2週でああいう競馬ができたというのは、この馬が進化しているというか、体がシッカリしてきているんだなと感じましたね。
▲期待と不安が入り混じっていた安田記念ではクビ差、クビ差の3着まで末脚を伸ばした
-:体が進化してきているという評価がありましたけど、レッドファルクスの6歳春シーズンは、高松宮記念(3着)、京王杯スプリングC(1着)、安田記念(3着)と3戦されました。振り返られて、どのような収穫がありましたか?
尾:オープン特別とか準オープンとか、そういうレベルではなくて、G1、G2の中で続けて走ってこれだけシッカリ結果を出したので、元々だったら、ちょっとどこかで疲れが出て、パフォーマンスが落ちることもあるのかなと思ったんですけど、そのあたりは体がシッカリして、良くなってくる余地があったんだなという感じですかね。
-:その健闘した安田記念の後の過ごし方を伺いたいんですけど、レース直後の馬の状態はいかがでしたか?
尾:時計も速かったですし、ちょっとハードな競馬ではあったので、大きく疲れが出ないかなと心配しいていたんですけど、脚元なども含めてそんなに問題はなかったですね。激戦の疲れを癒すということで、夏休みに入ったという感じですかね。
-:レース後は秋シーズンを見据えたと思いますが、直接スプリンターズSに行こうというローテーションを決められたのは、どのタイミングでお考えになられたのですか?
尾:安田記念を使う時点で、そういう選択肢かなと思っていました。
-:その予定通りに、夏場は放牧に出られたということで、帰厩後の馬の状態はどのようにご覧になられましたか?
尾:山元トレセンの方で、疲れをしっかり取ってもらってから立ち上げて下さったので、すごく良い雰囲気で来られたと思います。いつもより長い休養だったので、ちょっと体は立派な感じがありましたけど、ものすごく良い雰囲気で厩舎に戻ってきてくれたなという感じです。
-:2週前追い切りは単走で、1週前追い切りは併せ馬でという形でした。その1週前追い切りの先生の指示内容と動きの評価をお願いできますでしょうか?
尾:格下馬(ステイパーシスト)を追走して、外から併せて、終いはちょっとしっかり伸ばしてという予定でした。元々動くんですけども、併せた相手が思ったよりも動いて、ちょっとそれに併せるのにモタモタした感もあったんですけど、しっかり食らい付いていって、時計的にはちょっとやり過ぎかなというぐらいなんですけどね。馬場もハロー明けすぐの所で入って、時計は他も出ていたので、負荷的にはちょうど良いか、ちょっとしっかりかけられたかなという感じになりました。1週前なので、疲れが残るようなことでもないですし、ちょうど良い方向に向かうかなという感じの追い切りだったと思います。
▲1週前は美浦南Wで一杯に追われ6F80.9-12.6秒をマーク
-:馬の様子を見ながらということになると思いますが、レース週の思い描いている理想の調整としては、どのようにお考えになられていますか?
尾: いつも直前まで天気とか馬場とかを見て考えるのですが、先週、しっかりやっているので、ある程度そんなに距離は必要ないかなと思いますけどね。
-:ディフェンディングチャンピオンとして迎えるスプリンターズSですが、最後にレースへの意気込みをお願いします。
尾: 春の競馬なんかを見ていると、左回りの方が確実に走れるなと思うので、ここがベストの条件ではないですけど、去年も勝ってくれています。スプリント能力もすごいものがありますし、2連覇できる馬であるのは間違いないので、しっかりそういう競馬ができるように、当日まで気を抜かないように調整していきたいなと思っています。
-:ありがとうございます。
▲昨年に続き、持ち前の豪脚を繰り出して連覇となるか!?
プロフィール
【尾関 知人】Tomohito Ozeki
「NO HORSE, NO LIFE !」のキャッチフレーズと共に2009年厩舎開業。開業から着実にステップアップを果たすと、12年には年間35勝をマーク。一躍、美浦のトップステーブルの仲間入りを果たした。 昨年のスプリンターズSをレッドファルクスで勝ちG1初制覇。前年2着だったサクラゴスペルのリベンジを果たした。 厩舎キャッチフレーズである「NO HORSE, NO LIFE !」をタイトルにしたブログ(http://ozeking.com/)も公開している。