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－：さて、園田と言えば名手の宝庫ですが、例えば小牧太騎手であり、岩田康誠騎手、あとは赤木高太郎騎手……。皆さんの存在は木村さんにとって、どのような感じでしたか？

木：もう、スゴかったですよ！やっぱり岩田さん、太さんは抜けていたし、どうやったらあんなに馬を動かせられるのだろう……と。特に岩田さんは好きで、岩田さんのビデオはよく見ていましたね。ちょっとマネているところもあったかな。憧れていたから。本当に園田は太さん、岩田さん、そして今いる(田中)学君と上手い人が多い。

－：園田の皆さんは、中央競馬でも内を回っている時に、全然外に膨らまないのがスゴいところだと思います。

木：やっぱり中央の競馬場はけっこう広いじゃないですか。園田はコーナーがとてもキツいので、そこで御せているので、中央の競馬場のようにコーナーが緩やかだったら、膨らんだりはしないですね。

▲2015年、園田で行われたゴールデンジョッキーカップにて
(前列左から3番目)岩田康誠騎手と出場した木村健騎手(前列右端)

－：岩田騎手は先日、京都大賞典で、トーセンバジルでラチ沿いをピッタリ回ってきましたが、今のお話を聞くと納得の好騎乗ですね。先ほど少し話に出てきましたが、木村騎手を語る上で、田中学騎手の存在は大きいのではないでしょうか？

木：学君はデビューも一緒ぐらいだったし、「いつまで乗れるかなぁ」と、2人でしゃべっていたこともあるんです。学君は僕と乗り方が全然違うんですよね。学君は長丁場でも折り合いをつけるのがとても上手い。これはもう観ていて気持ちが良いくらい。掛からないでピシッと折り合いをつけて乗ってくる。僕にはないモノを持っています。一緒に飲んだ時は「園田を一緒に盛り上げていかなアカンな」と、2人でよく言うんです。でも僕は先に引退することになってしまいました。その分、学君には頑張って欲しいなと思うんです。

－：たまに田中騎手が中央に来た時に、折り合いが難しい馬に乗っても、ビシッと折り合いをつけて乗ってきますね。

木：本当にそうでしょう？僕らが観ていてもやっぱりスゴいですよ。若手はなかなか抜けないと思います。やっぱり上手いですね。

「(上手いと思う騎手は) 僕は岩田さん。(尊敬している騎手も)僕は昔から岩田さんですね。やっぱり抜けていましたよね。折り合いもそうだし、全部兼ね揃えているというか、スゴいなと思います」

－：ちょっと話は脱線するのですが、僕は騎手の中で的場文男さんが大好きなんですが、木村さんから見た的場文男騎手の存在は、どのような感じでしょうか？

木：誰が見てもスゴ過ぎるんじゃないですかね。61歳で7000勝、僕が逆の立場だったら、もう絶対に無理やと思いますもん(笑)。岩田さんも的場さんを「師匠、師匠」って言っていますが、それぐらいスゴい人だと思います。70～80歳まで乗って欲しいですよね。

－：何か乗れそうな感じがします。

木：そんな感じがしますよね。この前来た時も「やらねぇよ！」と言っていましたけど、的場さんなら行けますよ。

－：ちなみに、木村騎手が上手いと思う騎手で、真っ先に思い浮かべるのは誰でしょう？

木：僕は岩田さん。

－：尊敬している騎手も……？

木：そうですね。僕は昔から岩田さんですね。やっぱり抜けていましたよね。折り合いもそうだし、全部兼ね揃えているというか、スゴいなと思います。

▲木村健騎手の盟友でありライバルの田中学騎手

－：そんな木村騎手が、これは自分にしか出来ないと思うことはありますか？

木：息が長いこと続くので、半マイルから追うと、普通はバテるけれども、僕はバテないところですね。乗り替わりとかでズブい馬が来たら、逆に好きでしたもん。ちょっと動かしてやろうみたいな感じでね。

－：逆に、この騎手のこういう技術は真似出来ないな、という部分はありますか？

木：やっぱり学君です。あと上手いのが(永島)太郎さん、そして(下原)理。学君も、太郎さんも折り合いをつけるのが上手い。道中の姿勢もピシッとしていて綺麗ですもんね。

－：木村騎手の口から田中騎手の名前は本当によく出てきますが、田中騎手はライバルであり、友人でもあるということなのですね。

木：そうですね。ライバルですが、幼馴染でもあるので。昔はよく遊んでいましたから。それこそ小学生の時からね。

－：幼馴染であり、親友であり、ライバル、良い関係ですね。

木：本当に良い関係です。レースでは一つも譲る所もないし、でもレースが終わったら褒めあったりね。たまに飲みにも行っていたんですけど、最近はないのでまた飲みたいです！

「騎手・木村健を彩った名馬たち」
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