阪神JF見据えて前走は京都遠征 出遅れての快勝で2歳女王見えた マドモアゼル
2017/12/6(水)
マドモアゼルが、4年連続の関東馬による2歳女王を狙っている。福島芝1200mの新馬戦は2着に終わったが、距離を1ハロン延ばした新潟の未勝利戦を快勝。前走は阪神ジュベナイルFへの出走を見据えて直前輸送を経験させるために京都のりんどう賞を選び、好位からの競馬で結果を残した。順調に階段を登っているマドモアゼルについて、斎藤誠調教師に手応えを聞いた。
-:阪神ジュベナイルフィリーズに出走予定のマドモアゼル(牝2、美浦・斎藤誠厩舎)についてお聞きします。最初にこの馬を見たときの印象はいかがでしたか?
斎藤誠調教師:上(半兄)が小倉2歳Sで2着だったサイモンゼーレなので、スピードがありそうな感じだなと思っていました。
-:初戦は福島の芝1200mでしたね。
斎:千二を使ってみて一番人気で負けちゃったんですけど、まだ競馬を知らなくて、ただ付いていっただけという感じになってしまいました。あの一戦を見ても距離は延びても大丈夫かな、むしろ延びたほうがいいかなと思ったんですけどね。
-:次は新潟の1400mで勝ち上がりました。このレースを振り返っていただけますか?
斎:安心して見ていられるレースでした。楽勝だったので、初戦のモヤモヤが晴れましたね。
-:距離延長にも対応して、3戦目は京都のりんどう賞に向かわれましたが?
斎:いい競馬ができれば阪神のここ(ジュベナイルフィリーズ)に来るというのが頭にあったので、直前輸送とかの経験を積ませるために選びました。2戦目を勝ち上がったときと違って少し出遅れてしまったのですが、抑えもきいてちゃんと抜け出すというて、正攻法の一番いい競馬をしてくれたので、「これなら1ハロンの延長も大丈夫」とジョッキーも言っているし、ここへ堂々と行こうと思いました。
-:この中間の調整はいかがですか?
斎:早めに(トレセンに)戻して中間に2回、先週も松田大作騎手に乗ってもらって確かめてもらっています。ちょっとチップの状態が悪いので、すごく速い時計は出ないですけど、十分に負荷はかかっていますし、長めからも乗っているので息の入りはいいです。捌きもいいので、今週はサラッとでしたけど動きも良かったですし、しっかり併せ馬ができています。
-:今週の追い切りについて先生の指示、評価をあらためて聞かせてください。
斎:けっこう馬場も重かったので、ちょっと速い時計をやると、2歳の牝馬だと間がなさすぎるので疲れが残っちゃうと思って、あまり無理をしないで最後に併せ馬という形になりました。疲れを残さないように、55秒-40秒でとどめてくれと指示しました。
-:オーバーワークは避けたかったということでしょうか?
斎:輸送もありますので、そのへんも考えて今週は軽めにしました。
-:上がってきた馬の状態をご覧になっていかがでしょう?
斎:しっかりとできていると思います。調教後に測ってもちょうど450キロあったので、前走と同じような体重(440キロ前後)で出られるかなと思います。
-:今回は阪神のマイル戦になりますが、舞台設定について見通しはいかがですか?
斎:流れ次第だと思いますが、丈夫な馬ですし、力勝負になったらこの馬は強いんじゃないかと思っています。まだ幼児体型ですけど、その中でもうまく成長はしていますので、調教はきついと思いますけどよく耐えていますし、楽しみのほうが大きいですね。
-:まだ2歳でこれから変わっていくと思いますけれども、現状のこの馬の性格などはどうご覧になっていますか?
斎:最初はおとなしかったんですけど、だんだん競馬を重ねるにつれて仕上がりも早くなってきて、気性も非常にいいと思います。乗り手にも従順に動くので抑えも利くし、どんな競馬もできると思うので、乗り役にとってはすごく乗りやすいと思いますね。
-:厩舎での生活はいかがですか?
斎:もう、かわいらしい女の子ですね。おとなしく顔も撫でさせますし、気は強くないですね。
-:先ほど幼児体型というお話がありましたけれども、これから変わっていくといいなという部分は?
斎:トモにもう少し力がついてくれば、もっといいかなとは思うんですけどね。他の馬を見てもみんなそういう感じなので、その中で成長してきてくれています。これでどこまでできるかなという楽しみはあります。
-:未来を見据えてというレースになると思いますが、最後に意気込みを聞かせてください。
斎:まだ良くなる余地は十分に残していますが、現段階でデビューから大舞台まで来られました。順調に成長しているので、強い馬は多くなりますけれども、この馬の競馬をしてしっかりと結果を残してもらいたいと思っています。
プロフィール
【斎藤 誠】 Makoto Saito
1971年4月7日生まれ。千葉県出身。93年にJRA競馬学校厩務員課程を卒業し、前田禎厩舎所属の調教厩務員となる。その後は、調教助手として相沢郁厩舎、清水英克厩舎にも所属。2006年に厩舎を開業すると、翌07年の1月にはサンツェッペリンで重賞初制覇。同年の暮れにはゴスホークケンで朝日杯FSを制し、開業2年目でG1トレーナーになった。2014年にはヌーヴォレコルトでオークスを制し、初のクラシック制覇も果たした。JRAの重賞はG1の2勝を含む8勝。