ジャパンカップは蹄鉄緩んで3着 200％の仕上げで有終の美飾る キタサンブラック
2017/12/23(土)
キタサンブラック清水久詞調教師インタビュー(1P)はコチラ⇒
－：競馬場で先生とかを見ていても、いつも悠然としているというか、どっしりされているなという感じを受けるのですが、ある程度キタサンブラックの活躍があって、少しそういった気が持てるようになったというのはあるのですか？
清：やっぱりこれだけの馬が出てくれるといろいろな経験もしますし、つらい思いもしますし、また他の馬を引っ張ってくれているというのもありますし、いちいち1回の負けぐらいでくよくよしていられないなというのは、今までブラックだけじゃなくてありますよね。
－：これだけの馬を管理されていながら、先生のマスコミ対応は素晴らしいなと感じるのですが？
清：そんなことはないですよ。僕はそう思います。あんまり気分良くされていない方もいるかもしれないのでね。
－：たくさんの取材があると思うのですが、ほぼこなされているのかなと？
清：まあ、ほぼ断ったことはないですね。日程の調整でその日はダメというのはありますけど、完全に拒否はしたことがないですし、仕事の一環だと思っていますし、みなさんのおかげという部分が大きいんですよね。競馬専門紙からスポーツ紙なども、やっぱり一般のファンに発信してくれているので。やっぱりお客さんに我々の情報を発信していただいているから、馬券が売れているという部分もあります。
馬主さんを含め、生産者もスタッフも馬券が売れないと僕らは成り立たないのでね。馬券が売れて、初めて競馬があって成り立っていて、それぞれ立場があって、馬主さんからすれば「俺らがいるから競馬ができるんだ」という意見も聞きますけど、我々の同級生でも「俺らがいるから馬が仕上げられるんだ」という意見もあるんですけど、やっぱり一番は競馬ファンですよ。ファンがあってでしょ。それは改めて北島さん(北島三郎オーナー)に教えられましたけど、そっちに向けて発信でしていただけるんですから、僕らはそれを拒否できないかなと思っていますし、僕はいろんな数ある仕事の一つだと思っているんですよね。
－：周りのマスコミ関係者に聞いても「やっぱり清水先生は素晴らしい」という話になります。
清：いろいろだと思いますけどね。仕事の一つだと思っているので、どんどん情報を提供しないと。ファンもできるだけ買いやすく、分かりやすく、僕らも言ってはいけないこともあるのでね。
－：先生自身、有馬記念に向けての思いというか、こだわりというのはありますか？
清：あります。こだわりというか、勝ちたいという思いは去年、一昨年以上に。ああいう結果が続いてきているので、ここはさらに……。
－：今年こそは？
清：最後ですしね。ファン投票1位、1位で3(着)、2(着)と来ているので、ここは負けられないと言えば、他の陣営に失礼というか、生意気な言い方になるので言えないですけど、勝ちたいですよね。みんなが勝ちたいですけど、誰にも負けないぐらい勝ちたいという気持ちは強いですね。今まで一昨年に初めてブラックが出てくれるまでは、有馬記念なんて人ごとでしたからね。今年のグランプリは最後どれが勝つんやろと言って、いつもテレビで見ているだけだったんですけど、自分がこれだけ勝ち負けできる馬でいざ参戦して、ファン投票で1位いただくなんて、ちょっと前までは夢にも出てこなかったような話なんでありがたいですし、最後は馬にもオーナーにも恩返ししないとね。あのフレーズは誰が考えたんでしょうね。競馬会の人も「分からん」と言ってます。
－：もうあの通りになっていますけどね？
清：ファンが多いですからね。どこに行ったって、競馬をやったことがない人だって、キタサンブラックと武豊は知ってますからね。
「いち競走馬が『今年の漢字』の理由に挙げられるのはすごいですね。今では東京駅とか大阪駅で声を掛けられますし、ビックリしますね。なんや言うても全部ブラックのおかげです」
－：今年の漢字(北)の一因にもなっているということです。
清：今までで初めてじゃないですか。いち競走馬がその理由の一つに挙げられるのは。すごいですね。
－：先生も以前より街中で声を掛けられることが増えたんじゃないですか？
清：いや、ビックリしますよ。東京駅とか大阪駅で声を掛けられますからね。競馬場とか競馬場の最寄りの駅とか、出たところとかだったらファンばっかりなので分かりますけど、東京駅とか新宿とか大阪駅でも声を掛けられましたからね。競馬場から離れている訳じゃないですか。ビックリしますね。大阪駅でも声を掛けられましたもんね。ありがたいですし、「いらんことでけへんな」と思いますね。
－：悪さはできないですね？
清：本当に、なんや言うても全部ブラックのおかげですね。いろいろな経験をさせてもらいました。
－：有馬記念は普段は買わない初心者の方も買うレースなのかなというイメージがあるんですが？
清：有馬記念は昔からそうですよね。ドリームレースで一番景気が良い時なんて、有馬記念だけで800億円売った時代がありましたから、やっぱり普段買わない人が参加するから800億円も売れたんでしょうから、一番日本で売れるレースですしね。
－：去年と一昨年の負けてしまったレースですけど、先生が振り返ってのポイントというか、初心者のファンに向けて、こういうレースだったよというのを教えていただけないでしょうか？
清：去年も一昨年も出し切っての結果ですから、勝った馬が上だったので、だからこそ今年はキッチリと200％に仕上げて、これで負けたらしょうがないというデキで行きたいですね。
－：100％ではないのですか？
清：100じゃないですね。限界を越えてでも仕上げていこうと思いますね。
－：去年もかなり苦しい展開というか、王者の宿命ですけど、かなり厳しい展開でしたよね？
清：競馬ですから。それが競馬です。それを乗り越えて勝ってこそ、やっぱりファン投票で選んでもらっていますし、これだけの結果を残してきたので。
－：それであの着差なので、かなり強いレースはしているのかなと思います。
清：本当にそうだと思いますよ。
－：おそらくジョッキーも負けたという感じではなかったのではないかなと？思いますが
清：まあ、本当にあと一完歩でしたから。