右回りで破壊力増す末脚に衰えなし 男馬相手に互角以上の走りを ミッキークイーン
2017/12/19(火)
-:去年の有馬記念(5着)はどう感じられていますか?
兼:直線で回ってくる時に、一瞬オッと思わせるところがありましたからね。もしかしたら勝てるんじゃないかと思わせるぐらいの雰囲気がありましたからね。それでも5着でよく頑張ったと思いますね。
-:けっこうロスなく行っていますし、良いところで良い進路を取っているレースぶりだったと思います。距離や条件は心配しなくて良いですね。
兼:そうですね。もともとオークスで勝っている馬ですからね。むしろ距離があった方が良いくらいですね。まあ、全然問題ないでしょう。エリザベス女王杯で見せた脚を見ると、まだ力を出せていることを考えれば、能力は落ちていないと思いますし、今回だってチャンスがあるんじゃないかと思っています。楽しみですよ。
-:有馬記念週の追い切りはどんな予定でしょうか?
兼:来週は、おそらく今週と同じく坂路でやるでしょうね。今週もそうでしたが。
-:池江厩舎さんですと、コースのイメージがあります。
兼:そのことも考慮して坂路でやっていますけど、前走もシッカリ仕上げられたので。でも、オルフェーヴルも坂路だけでした(ニヤリ)。体をのびのび、全身を使わせる意味ではコースの方が良いかもしれないですけど、使い方によっては全然坂路でも問題ないと思いますけどね。
-:兼武さんはどっちで乗るほうが好きですか?
兼:う~ん、難しいですねぇ……。
-:先生はこの馬に対する思い入れが強いのでしょうか?以前、勝利に涙したという記事を見ました。
兼:それはあるかもしれませんね。この馬自身、去年1年間未勝利で終わって、それで今年、久々に(阪神牝馬Sで)勝てて、本当に相当なプレッシャーもあったでしょうから、そのぶん喜びが大きかったんじゃないですか。
-:ミッキークイーンは5歳の冬を迎えますが、まだまだ健在ですね。
兼:そうですね。前走の内容から使って良くなる馬ですし、今週の調教の動きも、状態を上げてきているように思いましたし、もちろん男馬相手になりますけど、チャンスがあるのではないかと思っていますし、みなさまに応援していただければと思います。
-:有馬記念みたいにジワッと脚を使っていけるコースは、この馬にとっても良いのではないですか?
兼:どちらかと言うと、ちょっと加速に手間取るところがあるので、どこで出して行くかというところがポイントになるんじゃないかと思いますけどね。
-:有馬記念のようなコースとか、エリザベス女王杯は今年ああいった結果でしたけど、比較的合うのかなという感じもします。
兼:そうですね。エリザベス女王杯のほうが全然競馬はしやすいんでしょうけど、本当に楽しみですよ。
※12月20日(水)はシュヴァルグラン陣営のインタビューを更新予定です!
プロフィール
【兼武 弘】 Hiroshi Kanetake
滋賀県出身。1983年3月6日生まれ。初めて観戦した競馬はダンスインザダークが勝った菊花賞。中学生の時に競馬好きの知り合いが多かったため、影響を受けてこの世界に入る。高校の卒業を待たずして、北海道の千歳国際牧場で修行。その後は滋賀の湘南牧場、トレセン近郊のグリーンウッドに勤め競馬学校に入学。卒業後、池江厩舎に所属。持ち乗りを経て攻め専の調教助手に。モットーは「馬1頭ずつ個々の個性を大切にする」こと。目標は「厩舎全体のことを把握できるように頑張る」こと。業界一といっても過言ではないビッグステーブルのムードメーカー的な存在。