秋不振の要因は太め、左回り、外枠 得意の条件で変身あるぞ シャケトラ
2017/12/22(金)
-:天皇賞(秋)の時は太目と枠順、展開というのもあったと思いますけど、左回りというのはいかがですか?
上:もしかしたら、左回りがダメなのかなという気がしないでもないですね。昔(中京で)500万を使った時はちょっとソエも痛かったんですけど、その時乗っていた浜中ジョッキーは「勝たないといけなかったレースでしたけど、左にモタれて追えなかった」と。直線に向くまで持ったままだったけど、追ったら内へ内へ切り込んでいって、今回のジャパンCと一緒のような感じですね。
-:確かサンライズクロンヌが勝ったレースですね?
上:そうですね。
-:もう1回見直したんですけど、デビュー戦を観たら、負けるレースではないなという感じでしたからね?
上:ソエは痛かったんですけど、それでも勝たないといけないと思ったので。展開的にもうちょっと強気に乗ったら勝っていたかもしれないですけど、やっぱりモタれるのもちょっと酷かったので。ジャパンCのビデオを観たら、やっぱり左に、左に行っているんですよね。(福永)祐一が言うには「4コーナー回るまでは勝ったかと思った」と言うぐらいの手応えだったみたいですね。良い手応えで回ってきたので、ここからどれだけ伸びるのかと思ったら、全然でしたもんね。だから、昔、左膝を骨折しているんですけど、その影響があったのかなと思うんですけど……。
-:骨折したのはいつですか?
上:デビュー前ですね。それでデビューが遅れたんですけどね。本当は2歳の夏の阪神でデビューする予定だったんですけど、函館に入厩していたぐらいですからね。札幌で使おうかと言っていたんですけど「走るから本場で使う」と言って。
-:栗東で左回りの日に乗ったりとかされることはありますか?
上:ありますよ。そこまでスピードが出た状態ではないので……。
-:そこまでのレベルじゃないと分かる範囲ではないと?
上:そうですね。
-:やっぱり天皇賞(春)の疲れというのかなりありましたか?
上:(歩様が)ゴトゴトでしたもん。よくあれで、(宝塚記念で)あれだけ走ったなと。だからこそ、秋はもっとやれるんじゃないかなという期待はあったんですけどね。具合は良いと言っていたけど、正直、左肩が出なかったですもん。悪いとは言えないしね。でも、牧場に聞いても「ノーザンファームの天皇賞(春)を使った馬はガタガタや」と言っていましたもんね。
宝塚記念では終始2番手から4着に粘った
「天皇賞・春の後は(歩様が)ゴトゴトでしたもん。よく(宝塚記念で)あれだけ走ったなと。だからこそ、秋はもっとやれるんじゃないかなという期待はあったんですけどね」
-:普段の精神面はいかがですか?
上:普段は結構かまって欲しい感じですね。噛みに来たり、結構ヤンチャですよね。
-:立ち写真の所の撮影を見させていただいたんですけど、結構立たせるのが大変そうでしたね?
上:シャッターの音がカシャカシャすると大暴れをするのでね。
-:レースに行った時にメンコをするとか、そういうことはないのですか?
上:そこまでじゃないですね。聞いたことがないような音で一斉にカシャカシャやったら、今でもやりますよ。ビューンと反応しますよ。
-:スマホのカシャでもダメですか?
上:1~2回なら良いんですけど、10台ぐらい一気にやるじゃないですか。それで結構……。まあ、暴れると言ってもしれていますけどね。
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-:ここ最近はやっぱり位置を取りにいったりして、少し今までと違う競馬になっているのは、精神面に問題があるとかそういう訳ではないですよね?
上:別にそういう所はないですね。これと言って、良い意味でずっと変わらないですけどね。行けと言ったら行くし、それだけ乗り役の言うことに従順なんでしょうね。最近はそういう競馬ばっかりさせられているから。
-:走り方はデビュー時から変化はありますか?
上:乗っている者も特に何も言わないので、ここが変わったというのはないですね。どっちかと言うと、大きいけどめちゃくちゃストライドが大きい訳でもないので、結構パワー型のピッチに近いような感じだとは思うんですけどね。
-:小脚も使いつつ?
上:そういう感じですね。見ていて4コーナーを回ってくる時のコーナーリングは上手いですよね。スピードに乗りながら回ってこれるので、そこを活かせればという感じですね。
-:そういう意味では、中山とか阪神の宝塚記念とかも本来だったら?
上:合うと思うんですけどね。
-:ちょっと枠さえ良ければ?
上:そうですね。
-:万が一、序盤後方になっても、諦めずに観れますか?
上:外枠で前に行くのはちょっと脚も溜まらないので。左回りのジャパンCの時でも、後ろから行って内に入れて馬の後ろで我慢していたら、どういう競馬になったかなというのはありますよね。本当に左回りなのか、ただ単に馬を前に置けないで、(脚が)溜まらなかったのか。引っ掛かっていないと言っても、前に馬を置いて溜まるのと、引っ掛かっていないけど、徐々に徐々に加速していくんでは囲まれ方が違うので、そういう所もあるのかなと思いますけどね。結構馬込みの中でずっと競馬をしていた馬なので、馬込みがダメという馬でもないのでね。
-:揉まれる競馬はドンと来いというタイプですね?
上:そうですね。内枠が当たって(すんなりゲートを)出て、そこでジッとしてとなったら理想ですね。
-:あとは少し絞れてくればということですね?
上:そうですね。
-:530になっちゃったら、ちょっとアレですか?
上:530にはならないと思いますけどね。増えることはないと思いますね。そのように調整していきます。
※12月23日(土)はキタサンブラック陣営のインタビューを更新予定です!
プロフィール
【上村 典久】 Norihisa Uemura
父が厩務員、弟は元ジョッキーで2018年度新規調教師免許試験に合格した洋行。坪憲章厩舎、開業から11年務めた藤原英昭厩舎を経て、角居勝彦厩舎での勤務は6年を数える。主な担当馬は自身にとって重賞初制覇となったエイシンツルギザン。G1馬のエイジアンウインズ。角居厩舎ではエアソミュール、ヴァンキッシュラン、シャケトラなどを手がけてきた。