ミツバが、念願のビッグタイトルをつかみ取る。以前は気難しさを出してレースぶりが安定しなかったが、11月のJBCクラシック前に最終追い切りを坂路に変更して3着。前走のチャンピオンズカップでも後方から外を回りながら差を詰めて6着と、持ち前の末脚をフルに発揮できるようになった。距離、コースとも不安は皆無。千引健史調教助手に、意気込みを語ってもらった。

変更直後のJBCクラシック3着

-:東京大賞典(G1)に出走予定のミツバ(牡5、栗東・加用厩舎)についてお伺いします。まず、名前がすごくかわいいですよね。3月28日生まれでミツバ。でも馬名とは裏腹に、出てくるコメントに「気難しい」という言葉がよく見受けられるのですが、そう感じる時はありますか?

千引健史調教助手:そうですね(笑)。普段から子どもっぽい、やんちゃなところはありますね。でも調教や運動をしている時は扱いやすいですよ。気持ち的にレースでやめてしまうというか、そういう面があるので言われるのだと思います。

ミツバ

-:歳を重ねて気性面が変わってきたと思う部分はありますか?

千:そんなにないですね。ただ、ここ2走はやる気を出して走ってくれているんですよね。けっこう今までビシビシ攻めていたのですが、調教面でやり過ぎないほうがいいタイプなのかもしれません。加用先生の考えもあって、坂路で追い切るようになってから、レースで力を出してくれているなと感じる部分はあります。

-:前走のチャンピオンズCも以前とは違って最終追い切りがCWから坂路に変わっていました。意図的なものだったのですね。

千:そうです。今まではCWで長めからやっていて結果も出ていましたが、3走前のシリウスS(8着)の時、馬がちょっと走っていなかったので変更してみました。

-:走ってないというと、疲れもなかったということでしょうか?

千:そうです。レース後もケロっとした感じでした。それで、最終追い切りを坂路に変えました。まあ坂路でそんなに速い時計を出すわけではなくて、終い重点という感じで乗るようにしたら、力を出してくれているように思います。あまりやり過ぎても、もともと気持ちの部分で走る馬なので良くない気もして。

-:シリウスSの仕上がりはいかがでしたか?

千:仕上がりは悪くなかったです。調教の感じも、どこが悪いとかはありませんでした。仕上げにくいタイプでもないんです。休み明けでも走っている馬ですからね。

-:デビューしてから短距離を使われていましたが、距離を伸ばして使ったのはどういう理由だったのでしょうか。

千:短いところだとついていけず、後ろからの競馬にもなっていたので、乗り役の皆さんも距離を伸ばしたほうがいいと言っていて、距離を次第に伸ばしていきました。

-:松山騎手をはじめ、特定の騎手と手が合うイメージがあります。

千:そうですね、難しいところがあるのでしょうかね。砂を被ると気持ち的に厳しいとは言われます。

「輸送も東京や盛岡、川崎競馬場にも行っていますし、特に大井競馬場に替わって問題はなかったです。逆にレース前に一泊できるのはいいと思います」


-:2走前のJBCクラシック(3着)は砂を被らない、外の3番手を追走できましたね。

千:あの時は松山騎手もあのように積極的に乗りたいと言っていました。ああいう乗り方で良かったと思います。

-:状態的には、その前のシリウスSより良かったのでしょうか?

千:シリウスSの時も悪くはなかったですが、一回使って馬も良くなっていた感じはあります。

-:初めての大井競馬場でしたが、ナイター照明などは大丈夫でしたか?

千:レースは夕方なので大丈夫かと思っていましたが、意外と暗くなってこれは大丈夫かなと思っていましたが、影響はなかったですね。東京大賞典でも大丈夫だと思います。輸送も東京や盛岡、川崎競馬場にも行っていますし、特に大井競馬場に替わって問題はなかったです。逆にレース前に一泊できるのはいいと思いますね。

-:一泊したほうがいいタイプですか?

千:一泊したほうがいいような感じはあります。落ち着いてはいないのですが(笑)、一泊して気持ちが違うところを向くと、レースに向けて気持ちが高ぶって、いいほうに向いてくれますね。

「度肝を抜かれた」ブラジルCの大逃げV
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