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初の北海道滞在で自信「調教していた馬で結果出せた」

-:甘いマスクなので、大人しいキャラクターなのかと思ったのですが、こうして話を聞くと、しっかり自分の意見があるのだなと思いました。騎乗についても伺いたいのですが、アバウトな質問ではありますが、レースではどういったことを意識されていますか?

鮫:レースで一番気を付けているのは、馬のリズムに気を付けています。折り合いであったり、スタートの出し方であったり……ただ、説明するのは難しい質問ですね。

-:若手にすると、あまり忙しく競馬をしていないとは思っていました。

鮫:意識することは、レースや馬によって違うのですが、やっぱり一番は馬のリズムを大事にしたいです。馬によって個性がありますし、もちろんレースプランは変えています。レースで一番気を付けているのは、馬の動きを邪魔しないことであったり、まっすぐ走らせることであったり、フェアに乗ること、落馬をしないことですね。デビューしてから落馬もありましたが、ケガなく来られているというのはスゴく良いことだなと思います。騎乗停止も1度あったのですが、デビュー1年目の5月で、そこからは騎乗停止もなく、ケガもなく乗り続けて来られているので、続けたいですね。

鮫島克駿

▲昨年、12月28日、最後の開催日にJRA通算100勝を達成した

-:(取材時点)現時点ではもうすぐ減量が取れますね。

鮫:そうですね。年内に勝てば、来年から減量が取れます。初年度が39勝、昨年が30勝。昨年の勝利数を1個でも超えれば、100勝到達するというのは分かっていたので、少なくても昨年の数字はクリアしたいと思っていました。

-:ということは、騎乗停止にならないように意識される分、騎乗も慎重に乗るところはありますか?

鮫:もちろん他の馬の邪魔をしないように慎重に乗っていますが、その中でも勝つことを意識して乗っています。

-:コーナーではだいたい内に入っていますよね。

鮫:インへの意識は強いですね。馬によると思うのですが、やっぱり最短距離を走るのが一番速いと思うので。馬場状態もありますけど。

-:現代の整備された環境の馬場だったら、基本的にはロスなく行った方が良いと思います。

鮫:そうですね。スキがあれば狙っていきたいですね。

-:これはダートではありますが、僕が気になったのは、夏の北海道のペイシャゴンジセですね。

鮫:(2017年7月16日の渡島特別では)ブービー人気でしたね。

-:その前の競馬を観ていたら、ある程度、ああいう形を取っていくのかなという気はしていたのですが、あの日の馬場で、あの枠からああやって内に入れて、勝たせるというのはけっこうスゴいなと思ってビックリしました。

鮫島克駿

▲2017年7月16日、渡島特別(函館ダート1700m)でペイシャゴンジセに騎乗
12番枠からインに潜り込み、12番人気のパートナーを1着に導いた

鮫:上手くいきましたね。基本的に小回りの競馬場でたくさん乗せてもらっているのですが、あまり外を回るとコーナーもキツいですし、馬にも負担が大きいと思うので、なるべくロスなく運ぶように意識しています。

-:特に北海道はそうですか?

鮫:今年、初めて行かせてもらい、最初の方は全然結果が出せなかったのですが、後半になってくるにつれて、自分が調教していた馬で結果が出せたので、それは大きな収穫でした。調教の時にレースに通じるものを感じていけて、それがレースでも結果が出せるようになったので。ペイシャゴンジセのレースは、いつも通り馬のリズムを考えて、外枠だったんですけど、最内に潜り込めて、直線だけ外に出せるようなレースが出来たので。あれは本当に上手くいったなと思います。

-:前の馬が下がってくるだろうことを想定しないといけないわけで。

鮫:イーブンな状態で狙えるところがあるなら、なるべく内への意識をしている感じですね。それと、(所属先の)浅見先生からはスタートのことを言われることが多いです。スタートはスゴく気を付けていますね。

-:僕は安藤勝己さんにも話を伺うことがあるのですが、面識はありますか?

鮫:いえ、ありません。

-:なぜだか覚えていないですけど、2年くらい前に「鮫島の息子は上手いな」と言っていましたね。

鮫:ありがとうございます。安藤さんのような方にそう言ってもらえるとうれしいです。

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-:話は戻ると、内といえば、個人的な話で恐縮ですが、函館記念(G3)ケイティープライド(牡8、栗東・角田厩舎)は本命を打たせてもらい、やったかと思ったんです。ロスのない枠を引いた時は良い成績だったので。

鮫:あの馬は角田先生から、昨年 (2016年)の小倉大賞典(4着)からチャンスをもらいました。その時も52キロの軽いハンデで、内々でスルッと抜けていけました。そこからチャンスをいただくようになってから、決めきれていないのですが、惜しいところまで行くというのはやっぱり力があるということなので。昨年のチャレンジC(3着)は何とかなったんじゃないか、という思いがスゴく心残りで……。

-:勝ったのがマイネルハニーで、2着だったベルーフのシュミノーが内を突いていったのでビックリしたレースでしたが、ケイティープライドも低評価を覆しましたね。

鮫:もうちょっと何とかなったんじゃないか、という思いはあります。重賞で何度も乗せてもらっているので、結果を出さなければと思っています。

-:函館記念(5着)のレース後の報道陣へのコメントは、なかなか言葉が出ていなかった印象でした。どういう思いなのか、読みきれない感じというか。

鮫:函館記念は本当に上手くいったのですが、悔しかったです。自分がしたい競馬が出来て負けた時は、根本的な何かが違うんだな、と思って考えました。

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▲ルーキーイヤーにはJRA賞(最多勝利新人騎手)も受賞
初々しさが残る(2016年1月撮影)

-:競馬の話題に戻ると、最近の成績の一覧を見ると、逃げ切りは少ないですね。

鮫:少ないかもしれないですね。

-:特に、意識してそうされている訳じゃないでしょうからね。そういう意味でもジックリ乗られているのかなという感じがしたのですが。

鮫:逃げた方が馬のリズムを守れるなと思ったら、ハナに行くこともありますし、特に意識はしていないです。

-:ポジションはそんなにこだわらないですか?

鮫:勝つとまではいかなくても、やはり良いポジションで、良いリズムで運べた馬が勝つチャンスが大きくなると思うので、理想ではありますね。

兄・良太騎手とは「競馬の話はたくさんします」
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