ラブカンプー 夏は大好き!斤量も有利な3歳牝馬 1200m以下なら止まらない
2018/7/22(日)
-:続いてラブカンプー(牝3、栗東・森田厩舎)もお伺いしたいのですが、今年のオーシャンSなどを勝っているキングハートの妹になりますが、厩舎に入ってきた時の印象はどんな馬でしたか?
森:小さくて細い印象でした。牧場からは悪くない評価を耳にしていたのですが、今でも体は相変わらず小さいイメージですね。それでも、結果は出してくれますね。
-:けっこう安定した成績で走っていながら、フィリーズレビュー(11着)とアーリントンC(13着)では二桁着順に敗れてしまいました。
森:あの2戦はペース的に行き過ぎましたね。
▲葵ステークスでは2着に好走したラブカンプー
-:しかし、距離に関しては、紅梅Sでも2着に来ているので、1400mまでは行けそうですね。
森:1400mまではいけると思いますね。敢えて1400、1600mを使うことはないと思いますが、その時はどこまで行けるかわからなかったですから。オーナーから「1400、1600mを試してほしい」ということでした。1400mで2着来たから、次は1600mまでいけるかと思っていました。
-:桜花賞を想定して、ということですね。
森:そうです。でも、前向き過ぎて、やっぱりオーバーペースで行ってしまう時があるから、その辺を上手いこと抑えられないと、1400、1600mでは厳しくなってしまいますね。
-:操作性や馬の気持ちの余裕はどうですか?
森:前走(葵S2着)はもっと行くかなと思ったら、逆に、この馬としては行きっぷりが良くなかったです。だから、楽に先頭に立つのかなと思ったら、それほど行かなかったから……。
-:逆に、葵Sというのが、ゆっくり進められる転機になりそうですか?
森:どうですかねえ……。そこは未知数です。
-:行き過ぎるのも困るし、どこかでは先頭に立って欲しいと。
森:1200mですからね。1400、1600mで行き過ぎたら困るけど、1200mだったら今までそんなに止まっていませんからね。だから、行っても控えても粘れると思いますけどね。
-:それだけスピードに特化した血統背景ということですが、トレセンでの様子を見たら、そんなにキャンキャンして、元気が良すぎる馬ではないように見えたのですが、レースだけちょっと引っ掛かるわけですか?
森:調教とレースではそうなんですよね。
「2頭でどちらの方が速いのか……。あんまりイレ込んでも、CBC賞みたいに良いところを期待していたら、2頭とも惨敗ということもあります。競馬なので、あんまり過度に期待はしないようにします(笑)」
-:体重のこともありますから、これだけ暑いと輸送が心配ですね。
森:暑さには強いですからね。去年の夏も暑かったですが、使ってもヘコたれなかったですから。3回(小倉2戦と阪神1戦)使いましたから、暑さは平気だと思いますね。
-:今回の新潟という舞台に関してはいかがですか?
森:こればかりは、1000mはやってみないと分からないですね。外枠が当たれば、真ん中より外が当たらないとね。1000mは適性も重視されるでしょうから走ってみないと分からないですね。
-:中団から前に付けられたら、というところですか?
森:いや、前には行って欲しいですけどね。あとは枠順だけですね。できるだけ外の方が。
-:最後に、この馬のファンにメッセージをお願いできますか?
森:毎回、一生懸命走ってくるし、1000mでどういうレースになるか未知数な部分があるのも事実ですが、その一生懸命走っている姿を応援してもらえたら、ありがたいですね。
▲千直競馬は初挑戦のラブカンプー
-:分かりました。競走馬のスピードの極限が求められる舞台ですね。
森:2頭でどちらの方が速いのか……。あんまりイレ込んでも、CBC賞みたいに良いところを期待していたら、2頭とも惨敗ということもあります。競馬なので、あんまり過度に期待はしないようにします(笑)。
-:今回は森田厩舎のファンも楽しみにしていると思います。派手な血統馬もいいですけど、最近、やや数が減ってきているキングヘイロー産駒やショウナンカンプ産駒でこれだけ走るというのは素晴らしいですね。
森:他にもアグネスデジタル(ダイメイフジ)、ベルガドはスズカフェニックス、タイセイエクレールはベーカバドですからね。
-:そうした血統で良血馬を負かすのも競馬の魅力ですね。今日はありがとうございました!
プロフィール
【森田 直行】Naoyuki Morita
1961年12月1日生まれ、滋賀県出身。父が元騎手で調教助手だったことで競馬になじみはあったが、一時は会社員として働いていたほど。父の願いで競馬界に足を踏み入れる。
1985年に長浜彦三厩舎で働きはじめ、厩務員時代は松田博資厩舎、福島信晴厩舎などで活躍。また、JRA史上初、厩務員から直接調教師に合格したことで話題に。猛勉強の末、11度目の挑戦で調教師試験に合格し、2014年から厩舎を開業させた。厩舎開業の5年目はキャリアハイを更新するペースの15勝をマーク(7月22日時点)、初の重賞タイトルも目前だ。