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南部杯の敗戦を糧に

-:ありがとうございます。続いて、木下さんにも前回の南部杯のレースを振り返っていただきたいです。

木下裕也厩務員:南部杯は間が空いていた分、反応が悪かったかもしれないですね。

-:ただ、木下厩務員も戦前からルヴァンスレーヴは手強いと言っていましたね。

木:ルヴァンスレーヴのレースはずっと観ていたんですよ。すごい脚で追い込んでくるでしょ。ジョッキーも4コーナーを回る時に、ちょっと楽にさせ過ぎていたかもしれませんね。余裕を持っていた感じと、逆にやっぱり反応が悪かったのかもしれませんね。

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南部杯のパドックの様子

-:引き揚げてきたルメールさんは、どんなコメントをされていましたか。

木:終わったらすぐに鞍を外していたので、僕はしゃべっていないですね。でも、4コーナーで並んでくるくらいじゃないとね。だから、本当にちょっと交わせる乗り方じゃ…。

-:ただ、そうやって思うだけのパフォーマンスを、今までしてきたというのがこの馬ですからね。

木:そうですね。あの馬に対して、負けて課題が出来たでの、良かったのかもしれませんよ。今度は考えて乗りはるだろうし、前にも思ったことがあるのですが、勝ち続ける馬というのはディープインパクトでもそうですけど、負けた時のショックというのは増しますしね。先生もそうだし、負けないように調教過程を失敗しないようにやっていると思うのですが、いつもプレッシャーが掛かるので。わざと負けるわけじゃありませんが、一回どこかで負けおいた方が課題も見つかりますし。勝ち続けると皆に注目されますからね。

-:自身の課題がちょっと見えなくなってしまうということもあるということですね。

木:ありますよね。実際に強かっても、俺の馬が一番強いんや、と思い過ぎてもアカンやろうと思いますしね。そう思うと、やっぱり毎日、調教を積み重ねていくことが大事ですよね。

-:レース後の気配はどうですか。

木:一回放牧に出して、今度は良いですよ。ただ、今のところはまだ10キロくらい目方は大きいんとちゃうかなと思いますけどね。今、544くらいなので、去年は538で勝っているんですよ。その時も+14で、なかなか絞れなくて。でも、勝っているから、体重に関しては毎回自分で体をつくっていると思いますよ。ひ腹もちょっと見えていますから、太くはないと思いますけどね。ただ、目方は太いなと思いますけどね。

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当日はいつも自分の体をつくるといいますか。この前の南部杯も、台風の影響で2日いたんですよ。それでも(-1)くらいで済んでいましたね。僕らは+10くらいになるんじゃないかと思ったんですけど。台風は夜中の3時くらいには過ぎて、5時から調教して、雨が降り出したのは6時くらいからですかね。でも、昼間はカンカンで暑い、暑い。前の日もそうでしたけど、すごく暑いんですよ。台風もカスったくらいで、雨もパラパラくらいだったんですよ。風もなかったですしね。

あとはスタートを出ると信じて、どの位置に付けるかですね。ケイティブレイブの後ろに付くのか。ケイティブレイブが抜け出すのと同時に、みんな動くんじゃないですか。(福永)祐一のこの前(JBC)の抜け出すタイミングも絶妙でしたから、上手でしたね。

-:馬体重は530キロ台くらいの方が良さそうですか。

木:そうですね。今は544ですからね。あんまり気にしても仕方ないですが、体重がいつもと同じように減ってこないなということで。

-:今回は 1週前をウッドでやったんですよね。

木:そうなんですよね。僕も先週は新馬の併せ馬の相手くらいかなと思いましたけど、今日もコースで追いましたからね。9時40分ごろに馬場に入って、80秒ちょっとでしたもんね。終いは11秒台ですからね。

-:速い時計では走っていますね。

木:やっぱりルヴァンスレーヴがいますもんね。スタートは思いっきり出遅れることはないと思いますけど、いつも出遅れていますから、ちゃんと出たのはかしわ記念だけですからね。帝王賞でも出遅れていましたし、この前もそうですし、大きな出遅れはないと思います。あとは枠でしょうね。内に入って、スタートが悪かっても困るし、それはルヴァンスレーヴもそうだろうし。

-:あとはちゃんと脚が溜まる展開だったら、良いですね。

木:祐一がどの位置で競馬をして、後ろを待って行くのか、早めに仕掛けられて、サッと抜け出されたら、もう追い付かなくなるからね。ヨーイドンになったら、一回競り負けているからね。だから、早めにスパートを掛けるかもしれないですね。そうしたら、人気の馬はみんな慌てますからね。ケイティブレイブが前にいるというだけで、みんな後ろをマークしているはずですからね。展開だと思うんですけどね。その辺で勝ったり、負けたりがあるんじゃないですかね。

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-:馬場はフェブラリーS以来の中央の砂になりますね。

木:関係ないですね。濡れた速い馬場でも走りますからね。そこは重い馬場でも、乾燥した馬場でも走りますし、それがすごいなと思いますけどね。稍重でも、重でもどんな馬場でも走りますし。

-:中京と言えば、スタート直後に坂があるので、苦手な馬もいたりするのかなという感じがしますが。

木:そういうのは関係ないと思いますけどね。左回りの方が良いみたいですし。

-:去年の中間はプールに入れて、新メニューだった訳で。

木:今まではスタートが悪いから、けっこう押していって、終いバタバタになっていたから、絶対に出遅れますから、出たなりで気楽な感じで回って来てください、ということを伝えてくれと言ったんですよね。それをちゃんと聞いて下さって、レースの朝か昼に「絶対にそういうことにはならない」と言っていると。「押して行ったら引っ掛かったり、そういうことにはならない」と。乗ったこともない馬なのにすごい自信やな、と思いました。ちょっと仕掛けて行っても、馬が垂れなかったですもんね。前回も言いましたが、一方のフェブラリーSはレース後、夜すぐに帰りはったらしいんですけど「3回失敗したので、それをものすごくスタッフに謝りたい」と言っていると、次の週に聞かされましたけどね。

-:偶数枠の方が良いということはありますか。

木:前は偶数が当たらんなぁと言っていましたけど、この前も奇数でしたからね。本当に何回かしか偶数は当たらないですね。今は全然ゲートの中でするという感じがないですからね。最初からゲートの中ではずっと我慢していないですよ。もう怪獣みたいになっていましたから、僕らも叩かれたりしましたからね。

-:今回は秋2戦ということなので、ここが大目標ですね。

木:そうですね。最初から、去年からそう言っていますからね。ただ「JBCクラシックを京都でするからな…」という話はあったんですよ。最初はJBCクラシックからチャンピオンズCだったのですが、間を空けた方が良いということで。

-:今回のレースに向けての意気込みをお願いできますか。

木:この前勝っていたら、もっと強気になれますけど(笑)、まずレースに出てもらって、帰ってきてくれることが第一。その上で、ケイティブレイブを負かして欲しいなと。去年はどんな思いでいたのかな。ゲートを出るか、出ないか、不安でしかなかったですけどね(笑)。そう考えればまた違った気持ちで挑めますから。

-:相手が同世代のケイティブレイブというところが木下さんらしいですね(笑)。今回もありがとうございました。

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