オイシン・マーフィー騎手
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大反響をいただいたオイシン・マーフィー騎手インタビュー。後編は、マーフィー騎手が認める日本・海外のジョッキーたち。競馬の話題からも少し離れて若き名手の素顔。そして、日本競馬界と叶えたい壮大な夢を語ってもらった。離日後はイギリス、ドバイで騎乗を続ける若き世界の名手。再来日のプランも明かしてくれた。

マーフィー騎手が認める海外、日本の名手たち

-:ライアン・ムーアさんやジョアン・モレイラさんも、「馬の特性をよく掴む」という評判を聞きますね。ジョッキーとしてこの人には敵わないなという人はいますか?

オイシン・マーフィー騎手:(少し考えて)フランキー・デットーリですね。何故そう思うかと言うと、過去3年で1度、成績が落ちこんで、また大きな舞台に戻ってくる。これはなかなか考えられないですよね。また、世界のG1をほとんど獲っているわけですから。ここ3年でもブリーダーズCを沢山勝っているんじゃないですかね。だから、彼に勝てないというよりは、1回下まで落ちてまた這い上がってくるということが、本当にすごいジョッキーだと思いますね。

オイシン・マーフィー騎手

▲2018年はロアリングライオンとのコンビで
イギリス、アイルランドのG1で大活躍を遂げたマーフィー騎手

-:また、来日前に別の媒体さんで福永祐一騎手や戸崎圭太騎手の名を挙げているのを目にしましたが、一緒に乗って、日本人ジョッキーでは上手いと思うジョッキーはいましたか?

マ:僕は中山でしか乗っていないので、美浦のジョッキーしか分からないですけど、日本人で言うと、田辺(裕信)騎手はすごく上手で賢いと思いますね。それと三浦(皇成)騎手。関西では川田(将雅)騎手の乗っている姿がすごく好きなので、注目していました。もちろんユタカ騎手(武豊)もすごいと思うし、(クリストフ)ルメール騎手、(ミルコ)デムーロ騎手の2人もですよね。

通訳・安藤裕氏:「田辺君は頭が良い」といつも言っているので、リップサービスではないですよね。

-:ちょっと騎乗とは離れますけど、マーフィーさんの素顔を知りたいというファンもいると思います。競馬以外で趣味はあるのですか?

マ:サッカーやラグビーも好きなのですが、あとは馬術を観るのが大好きですね。

-:結局、馬に行きつく訳ですね。

マ:ハイ。結局、馬ですね。

-:日本での生活や食事はいかがですか。

マ:渋滞はすごいし、まだ電車の中で人に押し潰されるということは経験していないけど、それはやらなくて良かったかな(笑)。ロンドンやパリに比べて日本は物価が安くて、日本全部がどこもかしこも綺麗ですね。食べ物は何を食べてもおいしいです。

-:特にどんな食べ物が口に合ったでしょう。

マ:どれもおいしいけれど、焼肉とスープカレーですかね。ラム肉のジンギスカンも美味しかったですね。戸田(博文)先生に連れていってもらった鉄板焼きもおいしかったです。

-:各地のノーザンファームなど、競馬の主要施設も足を運ばれたようですが、プライベートでは相撲にも行かれたようですね。他にも、鎌倉やディズニーランドですか。印象に残った場所はありますか。

オイシン・マーフィー騎手
オイシン・マーフィー騎手

上:インタビュー前日も相撲観戦を体験
下:来日した兄弟と横浜中華街にて(写真本人提供)

オイシン・マーフィー騎手

マ:今日は博物館に行ってきて、歌川広重の浮世絵をみましたよ。

-:SNSにもアップされていたのを目にしました。日本の歴史も学ぼうとされているのはすごいですよね。プライベートで行って、一番楽しかったところを選ぶとしたらいかがですか?

マ:ええ、僕は基本どこの国に行っても、観光はしないんですよね。でも、日本でこうして色々なものを観ることは楽しいですし、どこに行っても楽しかったですね。どれも良い思い出ばかりで、ベストは選びにくいなあ。

-:今まで海外は何か国ほど経験されたのでしょうか?

マ:アイルランド、イングランド、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ドバイ、香港、サウジアラビア、カタール、バーレーン、オーストラリア、カナダ、アメリカくらいじゃないですかね。

オイシン・マーフィー騎手

-:それだけ渡り歩かれると、移動や環境の変化への対応も大変だと思うのですが、ストレスには感じないですか。

マ:移動は全然ストレスにはならないですけど、唯一、同じ日に乗りたいレースが2カ所で行われていて、両方に乗る事は出来ないというのが自分の中で1番のストレスです。

-:ちょっとスケールが違う話ですね(笑)。でも、若いのにすごく落ち着いていると思うのですが、レースの時の精神状態はいかがですか。

マ:2着じゃなければ、僕はいつでも良い状態です(笑)。

-:いつも落ち着いているように見えますが、2着の時はカッとなったり?

安:なりますね。なっていますけど、それは悔しいからこそ、です。そこで誰かを怒るということではなくて、自分自身に対しての怒りでしょうね。それだけ悔しい気持ちを持って、レースに乗っていますよね。ファンの方たちも知って欲しいのは、彼が2着に来た時に、どれだけ悔しいという感覚でいるかということですね。ファンの皆さんが単勝馬券を持っていて、2着だった時に悔しいのと同じように、彼も悔しがっています。

次なる来日は今秋を視野&夢は日本馬で凱旋門賞を勝つこと
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