キズナ・佐々木晶三調教師インタビュー(1P)はコチラ⇒

キズナ
ダービー制覇の記憶を呼び起こすキズナ産駒

-:しばらく醒めた後の今年は、キズナの子が入ってきましたね。

佐:そう、夢の続きで。

-:リメンバーメモリー(牡2、栗東・佐々晶厩舎)ですね。

佐:会長には感謝です。キズナが勝ってから、俺は調教師人生でも厩舎が軌道に乗ってから、最低ラインを3年送ったからね…。上手くいかない、馬もよく故障する、レースに行けば、チグハグな競馬ばっかり。いくらキズナをやらせていただいたと言っても「お前の気に入った一番馬をやらせてやる」というのは、この商売としてはなかなか言えるもんじゃないもんね。

-:それで、先生が「この子をやらせて下さい」と選ばれたのですか。

佐:そうなんです。「これが良いですね」と言っていたら「晶ちゃん。社台の馬入れたいやろ」と言われて、「いや、実はそうなんですけどね」と言って、ハハハ(笑)。「買うたるわ」と言われて、嬉しかったですし、感謝しています。

キズナ

▲佐々木師が期待を寄せるリメンバーメモリー

-:それで、セレクトセールで(9720万円)落札していただいたのですね。

佐:高くて、すごかったですね。最初は「5000万まで行ったるわ」という話で、「5000万では買えないです」という話をしたら「そんな良い仔か。 それなら7000万まで行くわ」と。僕は8000万まで行くことを知っていたから、それではダメだと思っていて9000万まで行ったから、(落札者は)誰だろうと思っていたら、会長だったので驚きました。

-:結果的には予算の倍くらいになっちゃったのですね。

佐:初めて見させてもらった当歳の時はよく似ていましたね。

-:ようやっと、そのリメンバーメモリーがトレセンに来た訳ですが、動きはいかがですか。

佐:体幹が違うね。キズナそっくり。最初に見た時そのままですね。毛色はちょっと明るいけどね。

-:リメンバーメモリーはキズナより体重はちょっと軽いですか。

佐:軽い。今で450キロだけど、競馬の時は一応460キロ近くいくかもしれない。

-:デビューは決まっているのですか。

佐:宝塚記念の日の一番強いところ(芝1800)。

-:自信を持って送り出すということですね。

キズナ
キズナ
キズナ

▲追い切りを行うリメンバーメモリー(5月2日撮影)

佐:いやいや「自信を持って」というか、そういうレベルの馬だと思うから。

-:と言うことは、もちろん乗り役さんも…。

佐:そうでしょうね(笑)。

-:流れを汲むと。

佐:リメンバーメモリーだから『蘇る記憶』。

-:競馬の醍醐味というのは、こういうドラマがそのまま繋がっていくのですね。

佐:ドラマがそのまま夢心地ですね。

-:先生のところにはキズナは何頭入るのですか。

佐:9頭ほど入るんじゃないですかね。

キズナ

-:リメンバーメモリー以外にもう1頭、この馬も走りますようというのがあったら教えて下さい。

佐:今年の2歳はけっこう良いですよ。キズナの産駒はみんな良いですしね。

-:距離的にはどの辺が良さそうですか。マイルくらいですか。

佐:お母さんに寄るんじゃないですかね。(サクラ)バクシンオーだったら1600くらいが良さそうだし、キズナ自体も1400という馬じゃなかったけど、1600がベストパフォーマンスを見せたと思うので。

-:マイルCSや安田記念に行っていたら。

佐:安田記念だったら、すごいパフォーマンスをしていたと思う。故障さえしなかったら、多分、日本では負けていないと思うよ、本当に。

-:産駒の中では、ダートという可能性も出て来そうですか。

佐:可能性は高いと思う。キズナ自体も力があったから、ダートも良かったと思う。

キズナ

-:その辺はお母さん次第で、オールマイティに出てくる可能性があるということですね。先生の忙しい、楽しみな時間が増えたんじゃないですか。

佐:そうですね。やっぱり楽しみな馬がいないと、すごく長く感じる。楽しみな馬がいると、アッという間に時間が経つし、ああいう楽しくてしょうがない、ワクワクな人生を送ってみたいですよね。

-:それをまたキズナと共に。

佐:キズナ産駒と共に、味わってみたいですね。

-:バリバリ稼いで、働いていますからね。

佐:やっぱり評判は上がりましたよね。トレーニングセールで全部が(上がり1ハロン)12秒を切っていますからね。今の時期で、なかなか2ハロン20何秒で走れる馬はいないですからね。下手をしたら、普通キャンターでトレーニングセールを終わる馬もけっこういますからね。その中で、馬なりで12秒、11秒を出しているというのは、やっぱり強いんでしょうね。それで一遍に価値が上がって、トレーニングセールで上がったというのが嬉しいですよね。

-:また直前にもお話を聞かせていただくと思いますので。

佐:よろしくお願いします。