アーモンドアイ マイル戦線も制圧へ!参戦の経緯と手応えを激白
2019/5/26(日)
最強牝馬が、マイル路線も制圧する。ドバイターフ(G1)を快勝したアーモンドアイが、自身8連勝とG1での6連勝をかけて安田記念に参戦する。桜花賞以来1年ぶりのマイル戦、海外帰りの初戦など不安視する声を今回も一蹴するのか。ドバイ遠征にも同行したノーザンファーム天栄・木実谷雄太場長に、参戦の経緯や手応えなどを聞いた。(取材、構成=競馬ラボ・狩野)
-:安田記念(G1)に出走するアーモンドアイ(牝4、美浦・国枝厩舎)についてお伺いします。まずはドバイターフ制覇、おめでとうございます。レース後、ローテーションについてさまざまな報道がありましたが、安田記念に向かうことになった経緯を教えてください。
木実谷雄太場長:ありがとうございます。ドバイから戻ってきて、いろいろな選択肢がある中で出走間隔やコース形態などを考えて協議した結果、安田記念に向かうことが決まりました。ヴィクトリアマイルでは日程的に厳しいですし、宝塚記念は内回りの2200mになりますからね。
-:ドバイ遠征の前からローテーションが決まっていたわけではないということですね?
木:はい。このインタビューコーナーでもいつも申し上げているとおり、次走に関してはレース後の状態を確認して、より良い状態で馬の力を発揮できるレースを目標にしていきます。目標に定めたレースから逆算して、ベストのパフォーマンスを出せるようにメニューを組み立てていくだけです。
-:ドバイ遠征に同行されて、現地での様子はいかがでしたか?
木:輸送前は出国検疫中に飼い葉食いが落ち、体重が減ってしまったので心配しましたが、現地入りしてからは体調が日々上向いていきました。今年のドバイは曇りの日が多く、過ごしやすい天気が続きました。私たちも朝は薄手の上着が必要なくらいでしたし、馬にとってもちょうど良かったのではないでしょうか。
-:遠征前にお話を聞いた時は、ナイター開催で花火やライブが行われるなど日本では経験しない環境になるので「当日に平常心でレースに臨めるかが一番大事」とおっしゃっていました。レース当日の気配はどう見えましたか?
木:幸い、いつものレース前と変わらない感じでしたので、普通に走ってくれれば結果はついてくるかなと感じました。無事に勝つことができてホッとしています。
-:初めての海外遠征で疲れもあったと思います。帰国後に変わった様子はありましたか?
木:日本に帰ってきた直後は体重が450キロくらいまで減りましたが、順調に回復しました。レースごとの消耗が激しかった昨年(3歳時)と比べれば、だいぶ回復力がついてきて調整しやすくなっていますよ。競馬学校にて着地検疫を終えた後はノーザンファーム天栄へ移動、4月中旬の乗り始めからは順調に調整され、5月10日に美浦トレセンへ帰厩しました。
-:今回は久々の1600mで、マイル路線のトップクラスと初めて対戦することが大きなポイントになると思います。距離に関してはいかがですか?
木:桜花賞を強い競馬で勝っていますし、マイル戦で3勝していますので、距離に関しての不安はありません。短めの距離を走ってきた強い馬たちが集まるので道中のペースは違うと思いますが、直線でスムーズに外へ出せればと持ち味である末脚を発揮してくれると思います。やはり広いコースの左回りでコーナー2つという舞台設定は合っています。相手関係というよりも、この馬の力を出せるかですね。
-:東京コースは良馬場だと高速決着、レース当日に雨が降ると一気に時計がかかる傾向が続いています。天気も気がかりでしょうか?
木:ジャパンカップを世界レコードで勝っていますし、高速決着については心配していません。瞬発力を活かすには良馬場のほうがベターだとは思いますが、道悪もシンザン記念でこなしていますからね。
-:アーモンドアイ自身は8連勝、そしてG1での6連勝がかかります。
木:どのレースでも応援してくださる皆様のために結果を出したい、という気持ちは変わりません。最終追い切りを無事に終えてレース当日を迎えてくれれば、いい走りをお見せできると思いますので、応援よろしくお願いします。
-:今回もありがとうございました。
プロフィール
【木實谷 雄太】Yuta Kimiya
1980年8月5日生まれ。東京都出身。国学院久我山高から東京農工大へ進学し、馬術部に所属。卒業後の2003年からノーザンファーム空港で勤務し、同12月から山元トレーニングセンターへ。2011年10月からノーザンファーム天栄に移り、2015年から場長を務める。趣味は野球観戦で、東北楽天ゴールデンイーグルスの大ファン。