
夏のノーザンF天栄インタビュー part1 期待の2歳馬を直撃!秘密兵器発見!?
2025/7/23(水)
競馬ラボスタッフ(以下スタッフ):本日はノーザンファーム天栄
さんにお邪魔させていただいて、期待の2歳馬たちについて伺わせていただこうと思います。
最初に見せていただいたのはドリームコアですが、こちらは母がノームコアという良血馬で、東京芝1600mの新馬戦を快勝しました。本巣厩舎長、新馬戦の内容はいかがでしたでしょうか。

本巣厩舎長(以下、本巣):こちらの思っている通りの能力を出してくれて、初戦としては良い内容で勝ってくれたかなと思います。
スタッフ:現時点でこの馬のストロングポイントはなんでしょうか。
本巣:やっぱり馬体の良さですね。育成の時からずっと言われています。乗り味もやっぱりいいんですよ。
スタッフ:逆にここを改善すればもっと良くなるというポイントはありますか?
本巣:そうですね…馬場入りとかでもちょっとバタバタしたところを見せていたと思うんです。走り出したら兄のシルバーレインと違ってまだ制御が効きやすいんですけれど、走り出す前までがちょっとテンションが上がってしまうところがあります。
そこで消耗してしまうようなところが出てきそうな感じはあるので、そこら辺をうまく対処できればいいなと思っています。

ドリームコア
スタッフ:ありがとうございます。今お兄さんのシルバーレインの名前も出ましたが、現状この一族の中でこの馬がどの馬に似ているか、逆にこの辺が違うという部分はありますか?
本巣:ドリームコアに関してはちょっとキズナが出ているのかなという感じはしますね。シルバーレインはお母さんのノームコアそっくりな体をしてます。
お兄さんはちょっと無我夢中で走っちゃうところがあるんです。ドリームコアはまだ落ち着いていて、兄貴とはちょっと違うタイプだと感じています。

ドリームコアの育成を担当する本巣厩舎長
スタッフ:すると距離は全然延びてもいけそうでしょうか。
本巣:そうですね、距離は延びてもいけると思います。今のところは折り合い面では特に苦労しないですね。
スタッフ:今後のビジョンについても伺いたいです。
本巣:やはり阪神ジュベナイルFは意識していきたいところです。元々評価の高い馬ですし、血統、馬体、レース振りを見ると大きなところも狙える馬だと思っています。賞金を加算できるところをしっかり狙っていきたいです。まずは順調に夏を越えたいですね。
スタッフ:続いて見せていただいたのは、ドリームコア同様東京で新馬勝ちしたモノポリオです。柴田厩舎長、新馬戦を振り返っていかがでしたか?
柴田厩舎長(以下柴田):そうですね、まだデビュー戦だったので色々課題はある中で、期待に沿える内容だったと思います。

スタッフ:課題という言葉が出ましたが、現状どのあたりに克服しなければいけないポイントがあるのでしょうか。
柴田:そうですね、この子のお姉ちゃんはレースを使いつつ、ちょっとテンションが上がってくる場面も見られたんです。この子もテンションのコントロールが課題になりそうです。
幸いデビューして戻ってきてからもそれほど疲れもなく、軽く乗り出していますがテンションの方もさほど上がってはいません。
スタッフ:今お姉さんのお話も出ましたが、お姉さんたちはその後の重賞戦線でも活躍しています。弟であるモノポリオの今後の展望を伺いたいです。
柴田:この母の子としては初の男馬だけに期待しています。新馬戦の時よりも背も少し伸びたんです。ちょっと遅生まれでもあるので、成長を促しながらもう一回り大きくなれれば、よりいいパフォーマンスを見せてくれると思います。

モノポリオ
スタッフ:現時点で距離適性についてはどう見ていらっしゃいますか?
柴田:使いながら考えていくところだとは思いますが、見た目の感じは小柄な印象を受けるんですけれど、凄く跳びも大きく、ストライドがデカいんです。
テンションが上がらなければ、距離も少し延ばせると思います。今後の成長過程はとても大事になってきて、気性面はとにかく大事になるはずです。2000mは持ってほしいです。
スタッフ:気性とのバランスを見ながら、ということですね。
柴田:そうですね。今はしっかり疲れを取って、昨年に比べて天栄も暑いので、まずはこの暑さを乗り切ってパフォーマンスを上げていってほしいです。これからどれぐらい成長してくれるか、楽しみですよ。
スタッフ:続いて見せていただくのは、ここまでの2頭同様東京で新馬勝ちしたパープルガーネットです。こちらは東京芝1400mで勝ち上がりましたが、荒川厩舎長、レース内容はいかがでしたか?

荒川厩舎長(以下荒川):最後の直線で少し狭くなり、進路を切り換える場面があったのですが、そこからまた一伸びしてくれたあたり、やはり能力のある馬だと感じました。
デビュー前にこちらにいた時も動きが凄く良く、他の2歳と併せても負けない動きを見せてくれていたんです。この動きを競馬場でも見せられるかどうかというところだったのですが、しっかり勝ってくれました。
スタッフ:現在の状況はいかがでしょう。
荒川:レース後ガタッとくるような疲れもなく、順調にきています。今日も1F15秒、14秒ぐらいまで乗れていますし、この感じだと夏にもう1度使えそうです。

パープルガーネット
スタッフ:距離適性についてはいかがでしょうか?
荒川:1400mか1600mあたりだと思います。1600mも持ちそうな感じのレース振りでしたし、そこまで引っ掛かるような気性でもないので、1600mまで持ってほしいですね。1600mまで持てば色々と選択肢も広がって、楽しみも増えると思います。
スタッフ:現時点で課題はありますか?
荒川:課題ですか…。逆にいいところでもあるのですが、カイ食いがいいんです。これは強みでもあると同時に、逆にちょっと重くなるところはありそうなので、今後注意していかなければいけないと思います。
スタッフ:食べ過ぎ注意ということですね。
荒川:はい。それくらい牝馬にしては中身がしっかりしているんです。いいところなんですけれど、古馬になってくると段々と重くなる馬が多いんですよ。気性的にはそこまで課題はないです。真面目な子です。

スタッフ:今回見せてくださっている馬は、どの馬も優等生タイプに見えます。
荒川:そうですね、年々調教の育成技術が上がっているおかげだと思います。手のかかる馬が少なくなっていますね。
スタッフ:ここまですでに勝ち上がっている馬たちを見せていただきましたが、上田厩舎長、まだデビューしていない組で特に楽しみな馬がいるとか…?
上田厩舎長(以下上田):ペルウィクトールという新潟でデビューする馬は、北海道での育成中にも乗せてもらったんです。体の可動域がもの凄い馬ですよ。思わず「うわっ」と言うくらいでした(笑)
多分、能力は凄いと思います。お兄さんのウィクトルウェルスは現在3連勝中ですが、能力を比較しても遜色はないどころか、スピード能力だけなら弟のほうがいいかもしれません。お兄さんより距離は短くなると思いますし、タイプは違いますが。

スタッフ:お話を伺う限り、かなりの高評価ですね。
上田:課題もあります。前進気勢が凄く、必要以上にあったので、北海道から天栄に来た時も、ゲート試験を受かって天栄に戻ってきた時も、少しコントロールの難しいところは残っていたんです。
そのあたりを課題と捉えて、落ち着いて走れるように取り組んできました。少しマイルドになってトレセンに戻せたかなと思います。
スタッフ:デビュー戦は7月27日、新潟のマイル戦と伺っています。
上田:マイルだけの馬にはしたくないので、マイルから2000mぐらいでデビューかなとは思っていました。あとはレースを使って、馬自身がどのように変化していくかですね。
スタッフ:ありがとうございます、デビュー戦、期待しています!