ラトルスネークで厩舎の重賞初勝利を!
2011/2/23(水)
須貝尚介調教師(S.R.S)
デビュー戦で見せた豪脚で一躍脚光を浴びたラトルスネーク(牡3、栗東・須貝尚厩舎)。その後、乗り難しい面を出してしまい、期待に応えられないレースも続いたが、26日に行われるアーリントンCでも、上位人気の一角になるであろうラトルスネークについて、管理する須貝尚介調教師に伺った。
-:2勝目となった前走の500万下は鮮やかでした。
尚:リスポリ(騎手)が最初に乗ったレースで負けはしたけれど、凄く良い印象を持ってくれたみたいで、会うたびにラトルの話ばかりするくらい、惚れ込んでくれているんですよ(笑)。 前走はリスポリも2回目だったし上手く乗ってくれた。新馬戦ほど着差は開かなかったけれど、2着馬のロードカナロアも走る馬だから、見た目以上の内容だと思っています。
-:ということは、3戦目の敗戦後、リスポリ騎手は相当悔しがっていたのでしょうか。
尚:そりゃあ、かなり悔しがってたよ。(他の馬に進路を)閉められて出るに出れないレースだったから。あの負けは仕方ないと思っている。だって、全く追えずにゴールしたのだからどうしようもないよね。
-:ラトルスネークはかなり掛る、というか乗り難しい馬なんですね。
尚:走る事に前向きすぎる面はあるけれど、真面目で本当に良い馬ですよ。だから、何とかラトルスネークの良い面が出せるように調教しています。ジョッキーが乗りやすいよう、テンション上げない工夫をして調教しています。まだ精神的な面で幼さが残りますが、素材としては同世代でもトップクラスのモノを持った馬だと思います。
-:テンションを上げ過ぎない調教を具体的に教えて下さい。
尚:例えば、馬の大勢いる時間帯に馬場に入ったとします。そこで馬のテンションが上がってしまうなら、馬の少ない時間帯に馬場入りすれば良い、そうなりますよね?ただ、これだと馬が大勢いるとテンションが上がる、根本的な対処にはなっていないんです。
ラトルスネークには、わざと馬の多い所で控えて走らせる練習、ストレスのかからない馬の少ない時間帯を使い分けて調教しています。どんな状況にも動じない強い精神力を身につけてくれたら、そういう思いで調教しています。
-:須貝先生とラトルスネークの出会いはいつですか?
尚:ラトルスネークがセレクトセールに出ていた時、僕も会場にいました。その時、吉田勝己社長の近くに座っていたんです。勝己社長が落札されて偶然、近くにいた僕がお預かりする事になったんですよ(笑)。
-:凄い縁ですね!その時の印象はどんな感じでしたか?
尚:(※)セレクトセールで初めて見た時から、とにかく気品があった。垢抜けた身体で見とれてしまいました。その時から楽しみにしていた一頭なんですよ。しかもノーザンファームが新しく取り入れたトレッドミル(人間で言うルームランナー)を使って育成された第1号がラトルスネークなんです。
トレッドミルが馬にとってどんな効果があるのか、当時まだ未知数でしたが、心肺機能を鍛えたり、上がり運動で使ったり、いろんな面で良かったと今振り返って思います。
-:タニノギムレット産駒というともっと筋肉隆々の身体をイメージしてしまいますがラトルスネークの身体はかなりスッキリ見えますね。
尚:その辺りはこれから馬も成長していきますから将来そういう身体になるのかもしれませんね。現時点での身体つきに関してはあまり気にしていません。それよりもさっき触れたテンションを上げ過ぎない調教メニューでラトルスネークの良さを引き出したいと思っています。
-:「馬に対する愛情を持って、互いに感謝し、己の責任を忘れず」という言葉が厩舎に貼ってありますが、須貝先生の馬に対する気持ちを教えてください。
尚:1頭の馬がレースに出るためにどれだけの人が携わっているのか。そう考えたら馬に関わる人たちへの感謝を忘れたらいけないと思うんです。馬主さんからお預かりした大切な馬に接するスタッフにも同じ気持ちでいて欲しい。そう思ってこの言葉を書きました。
僕は競馬に対して正直でありたいと思っています。予想外に負けてしまう事もあるけど、その敗戦を受け止めて次につなげれたら。責任は調教師である自分が背負うもので働いているスタッフには求めません。スタッフには馬を愛してもらいたい、お互いに感謝の気持ちを持って気持ちよく働いてくれたら。そうゆう思いです。
-:最後になりましたが、ラトルスネークを応援しているファンへメッセージをお願いします。
尚:前走、500万で勝てて、正直、ホッとしています(笑)。今回も能力を出し切ってくれたら、みなさんの期待にも応えられると思います。こういう素晴らしい馬に巡り合えたのですから、しっかりと競馬に向けて準備していきます。スタッフ一同、気持ちを一つにして頑張っていますのでこれからも応援よろしくお願いします!
※ラトルスネーク、セレクトセールで1歳時の様子はコチラ
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父は2月27日を最後に定年による引退を迎える須貝彦三調教師。騎手として4163戦302勝。うち重賞は01年のファンタジーS(キタサンヒボタン)など4勝。 09年は年間10勝だったが、10年は25勝を挙げて飛躍。未だ重賞タイトルはないが、ラトルスネークで重賞初勝利を狙う。「トレセンLIVE!」でお馴染み・榎本優也調教助手が在籍している。 |