悲願のタイトル奪取目前のロードカナロア
2012/9/30(日)
安田翔伍調教助手(栗東・安田隆行厩舎)
≪参考リンク≫「安田翔伍調教助手インタビュー」
(ロードカナロア・前走セントウルS出走前)
厩舎として、スゴく心強い馬
-:セントウルSは正直勝ちたかったレースだと思うのですが?
安田翔伍調教助手:そうですね。カナロアが前に行くと思っていたので、カレンチャンがフワッとした面を出して行ったというのは僕らも誤算でした。岩田さんとすれば、ワンテンポ控えるのが遅れちゃったし、4コーナーで人気の2頭がああいう良い恰好で回っていたので、あそこで動かざるを得ないという形でした。動いたらマジンが思ったより早くタレてという状況だったので、ちょっと馬にはかわいそうなリズムになっちゃったなと思いますね。それでも抜け出してソラを使ったりしたんですけど、改めて力は感じました。
-:思っていたより踏んでスタートしたじゃないですか。出して行ったじゃないですか。それで4コーナーの手応えがいつもと違うのかなと思って見ていたのですけど、意外に速く加速している感覚があったのですが、そんなにモタモタしなかったですね?
翔:そうですね。
-:一番しんどかったはずなんですけどね。
翔:僕らの中ではその辺が成長を感じたとこです。以前ならコーナーリングでもリズムに乗り切れないところがあった中で、あの直線に入る手前からの合図にスッと反応できたというのはやっぱり思っている以上に成長しているところかなと思いますね。筋肉の質というか、今までの調整の中で一番良いなと思ったのが、シルクロードS、高松宮記念ぐらいの時でした。
時期的なものなのか判らないですけど、求めているものが高いだけに、ちょっと良化のペースが遅いなというモノ足りなさがあった中での競馬だったんです。まあ、状態面に関しては良かったので、その中でどれだけの競馬内容を見せられるのかなと思ったんですけどね。終わってみれば、改めて力があるなというところは見せてくれましたし、セントウルSに関してはちょっとかわいそうな競馬でしたね。
-:人気馬ゆえにマークされる展開のアヤがありましたね。
翔:終わってビデオを見てみれば、勝ったエピセアロームのための競馬になっていたなと。
-:引っ張り役になってしまったということですね。
翔:そうですね。でも久々にスタートで出してくれた分、乗っていてもそれだけ前向きさが出ていますし、こっちが求めている走りになってきています。
-:今日(9/21)ロードカナロアも追い切ったのですが、朝一番ですか?
翔:はい、坂路で朝一番です。
-:乗った感触はいかがでしたか。時計は54.6-12.1でしたが。
翔:予定は55秒ぐらいでした。
-:終いが切れているという感じの調教でしたね。
翔:やっぱりカレンチャンほどオンとオフが上手にいける子ではないのです。カレンチャンにとって、中2週というのは理想的なローテーションで、競馬まで自分の中で集中力を高めて、レースまで行ってくれるというのがあるので、調整は馬の雰囲気に合わせてというところがあります。
カナロアは中2週ということで、久々に競馬に使っての筋肉の反動なんかを考慮しながら、中間様子を見たりしたら、どうしても気持ちがオフになってというところがあります。それを追い切りでカバーするというのが目的だったので、カナロアに関しては全体的には抑えても、残り1ハロンはメリハリをつけようということを頭に入れてやりました。
-:今回はどういうレースが理想なのでしょうか?
翔:あれをやってくれている分、カナロア自身もレースの幅が広がるでしょうし、岩田さんも2回目ですし、その辺はもう……。
-:ファンはどのようなレースをするか気になると思うのですが。
翔:こちらからは特には何もありません。
-:それは岩田さんにお任せということですね。
翔:あれだけのジョッキーですし、1回乗ったことで色々感じてもらった部分もあると思うので、そこは任せます。
-:ライバル馬として見ていたイメージと実際に自分で乗った時の感覚の誤差がちょっとはあったでしょうからね。
翔:そういう意味でもあれだけのジョッキーが1回乗ったら心強さもありますし、任せるつもりでいます。
-:この馬の中山適性が気になるところなのですが、以前に走ったことが時はマイル(ジュニアC・2着)でしたからね。
翔:1600mでスピードが行き過ぎちゃって、仇となったというのがあったんですけど、条件も違いますし、あの頃とは精神面も大人になっていますからね。やっぱりゲートが速いですから、後手後手に回ることもないでしょうし、中山を上手にこなせるだけの要素はあると思います。
-:本命馬の競馬を出来る能力の持ち主なのですね。
翔:そうですね。中山を苦にしないだけのレース内容が出来るというのはこの馬にとって、メリットだと思います。カレンチャンのライバルとして見れば、もちろん手強いと思いますし、厩舎の管理馬としてはスゴく心強い馬ではありますね。
(写真・取材)高橋章夫
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