偉大な母超えを目指すエピファネイア
2012/12/23(日)
鈴木裕幸調教助手
試行錯誤しながら操縦性アップ
－：なるほど。2戦目終わってからここまで来ての変わってきたところというのは？
鈴：少しずつですけど、操作性が上がってきているかなとは思います。リラックスして走れるようになってきているのかなと。
－：そういう操作性を上げるために、鈴木さんの方で工夫されている面、例えば、ハミがレースと調教では違うとか。
鈴：道具を替えるという色んな選択肢はあると思いますし、もちろん2戦目なんかはハミ吊りをしてみて、試してみましたけど、今回、レースが終わってからまた、元に戻しましたし。
－：ハミ吊りをするというのは、どっちかと言えばハミを掛けにいっている部分なんですか？
鈴：そうです。結果として、当初着け出した目論みというか、コチラ的にはまた別の考えで、先生が「着けてみてくれ」ということで、着けたんですけれども。普段はあまりハミを当てないような感じで行きたいなと。常にモタれてくるようなところがあったので、ずっとハミに頼るようなところがあって、少し浮かしておきたいなということで着けてたんですけど、競馬に行くと1回掛かるとなかなか抜け辛くなっちゃったので、これは元に戻してみようかなと。
ただ、調教過程の中ではハミ吊りを替えたことによって、ジョッキーも普段の調教では「良い感じにはなってきた」と言ってくれてたので。それが競馬では逆に出た分、まあ、逆というか、本来の目的というか、ハミを吊るっていう部分が出ちゃったかなと。今回はノーマルで行こうかと。
－：では、ラジオNIKKEに関してはハミ吊りはなしで？
鈴：なしで行く予定ですね、今のところ。
－：ハミはエッグですか？
鈴：いや、水勒の太バミにビットガードだけ着けて。今のところ、これで来てますので。
－：ウオッカなんかも途中から真鍮(しんちゅう)色の。
鈴：銅バミですね。
－：あれは何か唾液が出て。
鈴：と言いますよね。味がして、ハミを味わうと。
－：ハミを味わって、結局、折り合いを付けるという。そういう色んな工夫をされてきた角居厩舎ですから、操作性を上げるのはお手の物なのかなと。
鈴：どうですかね。そこには技術的な面も大きく関わってくるところですしね。
－：逆に言ったら、それだけしても、まだ直線、余力が残っているエピファネイアというのは相当なモノがあるというのは確実ですよね。
鈴：まだ十分、上積みはあるなとは思ってますけれども、はい。
－：特にシーザリオ級の馬を担当されていた方なら分かると思いますけど、強い馬というのは掛かっているように見えても、許容範囲のレベルが広いというか。それでも全然、能力を著しく損失するほどバテないじゃないですか。
鈴：そういう面はあると思いますね。
－：時期的に雨が降って、馬場が悪くなった時でもこの馬は？
鈴：現状は苦労する感じはないですけどね。まあ、いかんせん2歳馬ではありますので、とにかく無事に競馬行ってくれればなと。そして、無事に帰ってきてくれて、結果として1番良いポジションで最後、ゴール切ってくれるのが、嬉しいなと思いますけど。
－：体はもうちょっと大きくなると思っておいて良いんですかね。来年に向けての話ですけど。
鈴：ここで3走目使って、良い休みを取ってあげれれば、どうかでしょうけどね。
2歳の現段階でルーラーシップと併せ馬
－：最後に今週の追い切り、1週前の動きを教えて下さい。
鈴：CWで83の66の終いが12.1ぐらいだったと思います。
－：どの馬と一緒に走ったんですか？
鈴：3番手から行って、2番手がフリートストリートで、先頭が松田さん(全史調教助手)が乗っていたエックスマークですね。エックスマークで、フリートストリートで、ウチの子で。同入だったと思います。
－：みんなで追い比べした中でのゴール前？
鈴：フリートとウチのが同入で、エックスが少しだけ遅れたかもしれないですけども……。
－：エックスマークはソラを使うというか？
鈴：そうなんですよ。アレは気性的な面で、ちょっと遅れちゃったかなと。
－：エックスマークとしては頑張らすために、敢えて先行させたというテーマがあったんですか？
鈴：そうです。あれで後ろからある程度、調教で走れる馬に抜かされて、引っ張られた時に「もう一度、馬が集中した」と言っていたので。普段やっぱり、弱過ぎる子とやっちゃうと遊んじゃうので、そういうのもあって、3頭併せの目的としては良かったかなと思ってます。
－：2歳馬の調教としては結構、強い相手というか？
鈴：前走の前なんかは普通にルーラーシップとやってましたからね。
－：前走のルーラーと一緒にやっていたのはこの馬だったんですか？
鈴：そうですよ。はい、最終追い切りを。もう強い子とは一緒にやってますので。
－：ありがとうございました。来年もまた、機会があれば。
鈴：機会？あるでしょう(笑)。ホンマに言ってる分だけ、結果が出て欲しいなと思っているんですよ。まあ、みんなそうですよね。負ける気で競馬に行く人はいないですからね。
－：ただ、シーザリオというのはファンの中でも特別な馬だと思いますし。
鈴：幻の名馬ですよ。何とか超えてもらいたいですけどね。せっかくなので。まあ、無事に3戦目の競馬に向かえるように、良い結果が出るように頑張っていきます。
－：はい。応援しています。
(取材・写真)高橋章夫
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