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今浪隆利厩務員

もうフェノーメノには負けたくない

-:宝塚記念はファンの注目も高く、オルフェーヴル、ゴールドシップ、ジェンティルドンナ、フェノーメノと「4強」と言われています(オルフェーヴル出走取消発表前、12日に取材)。フェノーメノはダービーの時は2着だったんですけれど、ゴールドシップは5着と負けてしまって、2回負けているという悔しさを晴らさないといけないですね?

今:2回負けてますからね。同じ年代のステイゴールド産駒のライバルとしてね。

-:そのステイゴールド産駒で言うと、オルフェーヴルもステイゴールド産駒なんですけどね。

今:ステイゴールド産駒やけど、とにかくフェノーメノを負かしたいという気持ちはすごいですね。あの馬だけには負けたくないという。2回負けてるから、今回は勝ちたいというね。

-:ゴールドシップは白くて、フェノーメノは真っ黒で、白と黒の両極端なライバルなんですけど、今回はどっちが先に来るか楽しみですね。

今:楽しみですね。

-:それぐらい良い状態で挑めると?精神状態はピリピリしたとこもなく?

今:それは全然ないですよね。落ち着いているし、普段通りのゴールドシップでいるから。

-:4強と言われてるんですけれど、今浪さんはゴールドシップの担当じゃないですか。ファン目線で残りの3頭で気になる馬はどれですか?

今:気になる馬はオルフェーヴルだと思うんです……。ただ、さっきも言いましたけれど、フェノーメノが一番ライバルとして意識して、天皇賞の時の馬の状態を見てるから。“ああ、良いなあ、負けるかどうかな”というのを薄々感じましたからね。



-:それはパドックで曳いている時に?

今:装鞍所で。相手ながら良い仕上げ方をしてるなというのは感じましたからね。だから、今回も装鞍所で見て、チェックを入れて見て……。ゴールドシップを見てなくても、ファンとしてというか、応援という眼で見て、フェノーメノが一番気になる馬じゃないですかね。

-:ステイゴールド産駒をやらせたら日本一の今浪さんにアッと言わせたフェノーメノですからね。

今:ええ体をしてましたからね。

-:どこが良かったですか?

今:やっぱり馬の形とバランスだよね。バランスも良いね、歩く歩様を見てて。

-:ソツがないですね、あの馬は?

今:ああいう競馬をゴールドシップができたら良いなと思いますね(笑)。

-:前にいるフェノーメノをゴールドシップがブチ抜くというシーンを?

今:見てみたいですね。

-:ゴールドシップが勝ってきてる時は接戦ではないですからね。

今:そうですね。1馬身から1馬身半離して勝ってますからね。

-:そのためにはちょっとポコンを少なく出て欲しいですね?

今:出て欲しい。今度は頭数がそんなに出ないというのがありますから、競馬がしやすいんじゃないかなと。そんなにみんながバラバラになって走る血統じゃないし、距離的にもある程度は流れて、上手いこと行けるんじゃないかなと。あんまり離されないで付いていけるんじゃないかなという。

-:一番後ろにいても最大10馬身ぐらいで、多分、最後方でも5~6馬身圏内で行ける。

今:はい。それぐらいやったら、ゴールドシップの瞬発力、ゴーサインを出した後のスーッと上がっていく脚が活かされるんじゃないかと。



コンディションは今浪厩務員のお墨付き

-:現在の馬体重ですが、どれぐらいになりますか?

今:今の時点で512キロという感じで来てますので、今日追い切られて2キロぐらい減っても、510キロぐらいはあると思います。来週もやるのでね。

-:競馬場ではどれぐらいですか?

今:一応、504の前走と変わらず、その辺に持っていきたいと思います。なんぼ増えてもプラス2ぐらいにはしたいです。

-:数字的な馬体重より、今の感じを言うとちょっと丸味があって。芦毛なんで見にくいですからね?

今:だから、触らなきゃ分からないという感じです。

-:それは今浪さんしか分からないところだと思うんですけれど、今回のコンディションは全然、良い感じで?

今:良いという感触がありますね、体重的にも。

-:最後にゴールドシップを応援しているファンにメッセージをお願いします。天皇賞で1番人気に推して、応援していたファンが多いと思いますけれど、ここでファンの方もリベンジを願っていると思いますので。

今:ファンのみんなには天皇賞の時にはああいう結果になったんだけれど、今度の宝塚記念はとにかく前の3頭を抜くという、その気持ちで一杯ですね。応援して下さい。

-:ファンも前に3頭がいて、ヒヤヒヤするだろうけど、ゴールドシップの末脚を信じて、ゴール前まで我慢して見ようということですね。ありがとうございます。

今:こちらこそ、ありがとうございます。

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【今浪 隆利】Takatoshi Imanami

昭和33年9月20日生まれ。小倉競馬場の間近で育ち、16歳の時に名古屋競馬場に見習い助手(赤帽子)として入る。そこで3年間、優駿牧場で1年の勤務を経て、JRAの内藤繁春厩舎の一員に。その後は中尾正厩舎に解散までの24年間勤務。当時の思い出を「大分、先生に鍛えられた。こういう馬はこういう風に、ああいう馬はああいう風にやった方が良いというのを聞かされて、煩い馬は煩いなりのやり方、扱い方を学ばせてもらった」と語る。担当馬の初重賞はシングルロマンの京阪杯。開業と同時に須貝尚介厩舎に入り、ゴールドシップと共に怒涛の日々を過ごす。