連覇へ順風満帆の発進エイシンフラッシュ
2013/10/27(日)
昨年の天皇賞(秋)は2年5ヶ月ぶりの勝利が感動を呼び、さらに騎乗したミルコ・デムーロ騎手の敬礼がエイシンフラッシュのG1・2勝目に花を添えた。内がポッカリと開いて、そこからのヴィクトリーロードは鳥肌モノだったが、今期は連覇に向けた前哨戦の毎日王冠を快勝。6歳秋にして益々順調に調整されている。今回は藤原英師の弟である藤原和男調教助手に、陣営一丸となっている大目標への意気込みを尋ねてきた。
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6歳秋にして精神面の成長顕著
-:連覇が懸かるエイシンフラッシュ(牡6、栗東・藤原英厩舎)についてお伺いします。毎日王冠は鮮やかな、この馬らしい勝ち方でした。毎日王冠前の追い切りは、若干余裕も残しているのかな、という風に思いましたがどうでしょうか。
藤原和男調教助手:そうでもないけどね。結構きっちり仕上げていましたよ。
-:毎日王冠を勝った後の、エイシンフラッシュのコンディションを教えて下さい。
藤:まだ2週前のことなので、そんなには変わっていませんね。
-:レースで福永ジョッキーが騎乗するのは約3年ぶりでしたが、追い切りの時から「すごく乗りやすくなった」という驚きを持っていました。それがそのままレースにも出た感じでしたが、和男さんから見たら毎日王冠はどのようなレースでしたか?
藤:よう考えて乗っていたと思います。待つところと行くところと、ちゃんと彼も分かっとったから、きっちりハマったみたいな。
-:去年の天皇賞(秋)は2年5ヶ月ぶりの勝利だったわけですが、あの毎日王冠の勝ちっぷりは、かつて2年5ヶ月も勝てなかった馬とは思えないくらい鮮やかでした。今となっては乗りやすさも出てきましたし、4歳頃のフラッシュとは違うというイメージを持っても大丈夫ですか?
藤:やっぱり歳を重ねて精神面が成長したことで、集中力が出てきて、折り合いも前よりつくようになってきているから、変わってきてますよ。年齢を重ねて、かつてはがむしゃらに走っていたところが、集中して、待つところは待てるようになって、ちゃんとレースで力が出せるようになったと思います。
-:エイシンフラッシュは、周りが暴れすぎたりとか、放馬の馬が来たりだとか、そういう部分で取り乱すところもあるような、繊細な馬だったと思います。その辺も随分改善されてきたでしょうか?
藤:それもだいぶ精神面の成長で補えていると思います。
-:藤原厩舎の中では、ボス的な馬ですよね。
藤:そうやね。オーラがある(笑)。
-:そのボスが今期に変わってきた部分というのはあるのでしょうか。
藤:香港が終わって、牧場に帰って、山元トレセンで獣医さんとか装蹄師さんに、じっくりケアしてもらいました。変わったというか、入念なケアをしてもらった分、順調にメニューを消化できました。
-:その積み重ねが、毎日王冠のあの鮮やかな勝ちっぷりに繋がったということですね。
藤:そうですね。見ている方からしたら、調教とか物足りなかったかもしれないけど。
-:一日の調教の瞬間だけじゃなく、時間をかけてしっかりと段取りを踏めていたということですね。今回も中間はそんなに速い追い切りが必要なく、いい意味で、前走と同じくらいの状態で出られると思いますが、連覇が懸かっている一戦ですよね。その辺はプレッシャーというか、いい意味での緊張感があると思いますが、いかがでしょう?
藤:ここまで、皆で色々やってきているから、勝てるところは勝たんとね。
-:ここはもう藤原厩舎一丸となって、勝ちに来ている一戦だと。
藤:その通りですね。
人に「ちゃんと乗れ!」と求めてくる馬
-:今朝の1週前の追い切りは、デムーロ騎手が乗って単走で追われました。動きはどうでしたか?
藤:そんなに速い時計は出してないけど、動きは良かったね。まず上がってきた時に「引っかかる」と言っていたけど、それは去年の毎日王冠終わった時もそうやったから。まだ気が乗ってるというか、それで来週辺りにスッと抜けるのかな。こんな間隔が狭いのはあんまりないから、まだ馬の気が抜けきれてないね。来週やって、抜く感じです。
-:来週もそんなに速い時計を出す予定はないですか?
藤:そこそこ強くはやると思う。今日よりはちょっと強めで、終い重点のように。
10/18(金) CWコースで84.8-67.9-52.8-39.0-13.3秒(馬なり)をマーク
-:当然、連覇に向けて視界良好と思っておいていいですね。去年の毎日王冠、結果的には着順は9着でしたけれど、その時のコンディションもすごく良かったですし。
藤:やっぱりあれはドバイ帰りで、見えへん部分があったんやろうね。
-:ドバイから帰って、宝塚記念使っての疲れですかね。でもそこから短い間隔で立て直して、天皇賞で2年5ヶ月ぶりに勝ったわけです。この馬はちまたでは、スローの瞬発力勝負の時に強いと言われていますが、僕としては意見が違っていて、一瞬の脚が凄いだけだったら、直線の長い府中でダービーを勝ったり、天皇賞を勝ったりできないと思うんですよ。それだけじゃない面があると思うんです。実際に乗っている和男さんから見て、エイシンフラッシュの脚はどういう印象ですか?
藤:脚というよりかは、すごく頭がいいね。乗っていても、思いっきり乗らないと馬が怒るみたいな。「ちゃんと乗れ!」って求めてくるような面があるんです。
-:それは乗っている人にしかわからない部分ですか?
藤:やっぱりソローッと乗っていたら、伝わってるみたいやな。
-:乗り難しい馬ですかね?
藤:うん難しい。毎日王冠の時の祐一にも「思い切って乗れよ」って言ったくらい。
-:そんなに後ろでジッと我慢して乗るっていうタイプでもなく、ある程度前に行って我慢するというレースでも、十分通用する感じですね。天皇賞は、去年のように、なるべくエイシンフラッシュの闘争心に火がつくように、4コーナーから直線までを組み立てられたらいいですね。
藤:今はその操縦性の良さのような部分が一番の武器かな。
-:昔はもっとかかっていましたものね。ルメール騎手が乗っていた有馬記念でさえも、本気で押さえ込んでいるシーンがあったり。持っている力は昔とそんなに変わらなくても、前半のリラックス度が今のほうがいいので、それが全部ゴール前に還元できているというイメージでいいですか?
藤:そうだと思いますね。
-:エイシンフラッシュの連覇を楽しみにしているファンに、メッセージをお願いします。藤原先生も勝負師で「狙ったレースは取りに行きたい」という性格の方なので、いろいろ考えられていると思うし、その前段階として、山元トレセンでの調整から、毎日王冠、天皇賞といいステップを踏めていますからね。
藤:今のところは順調ですから、来週は勝ちに行くつもりです。
-:枠もそんなに外に当たらない方がいいですよね?
藤:まあスタートの良さも武器やしね。どこでもそんなに不安はないです。
-:僕らは楽しみにしておいたらいいですね。
藤:うん。お願いします。
-:ありがとうございました。
●毎日王冠前・エイシンフラッシュについてのインタビューはコチラ⇒
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