
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
審議、その決着にちょっと待った!
2026/7/2(木)
皆様、こんにちは!日本代表のワールドカップが終了しました。試合前は「今回はブラジルに勝てる」と信じて応援していましたが、またしても課題であるアディショナルタイムで失点を喫してしまいました。悔しい結果となりましたが、また4年後に向けて新たな一歩を踏み出してもらいたいですね。
今大会はVARが導入されているにもかかわらず誤審と思われる判定も多く、見直しが必要だと感じる大会になっています。コーナーキックがゴールキックになったり、明らかなファールが流されたりと「VARの意味は何なのだろう?」という疑問が残りました。
JRAでも審議制度に疑問が残るレースが増えてきました。カテゴリー1が導入されて以降、審議や降着の基準が曖昧になったように感じています。私は、カテゴリーを引き上げたことが、かえって悪化した点ではないかと考えています。

そんな話題となった函館記念を振り返りましょう。勝利したのは小林美駒騎手とファウストラーゼンのコンビでした(※藤原英昭師の審議不服申立てにより7月1日時点)。これまでは短距離で逃げ切るイメージが強い騎手でしたが、今ではしっかりと追える騎手へと成長しました。「逃げた時しか勝てない」と皮肉交じりに言われることもありますが、私は彼女なりの明確な考えがあり、そのスタイルは素晴らしいと思っています。
若手騎手が限られたチャンスを勝ち切るためには、それが最も得策な戦法です。その積み重ねによって今回のような騎乗チャンスが巡ってきた時、どれだけ引き出しを増やし、馬の力を引き出せるかが重要になってくるからです。今回の函館記念でも審議となった直線までは完璧ともいえるレース運びで、その成長ぶりを存分に見せていました。しかし、直線では勝利への思いが強くなったのか斜行し、ケリフレッドアスクの進路を妨害しながらゴール。
審議の結果、降着はありませんでした。しかし、私は明確に降着とすべきだったと考えています。VARのような映像技術を活用するのであれば被害を受けた2着馬が妨害を受けなければどれだけ脚を使えたのかというデータを含めて検証し「それでも結果は変わらなかった」と納得できる説明があれば、受け入れやすいのではないでしょうか。現状では判定の根拠が見えにくく、少しモヤモヤが残る勝利となってしまいました。

今週は小倉競馬場で名物ハンデ戦・北九州記念が行われます。注目は前走で圧倒的なタイムを叩き出したフリッカージャブ。今回も中心的な存在になりそうですが、波乱の多いレースだけに油断はできません。そこに前走で重賞初制覇を飾ったデアヴェローチェ、さらにアンクルクロスも侮れない存在です。軽ハンデを活かせるアメリカンビキニやジェニファーといった大穴候補にも期待しています。今週こそは誰もがスッキリと納得できるレースになることを願っています!
プロフィール

松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。



