2年連続でリーディングジョッキー、MVJを獲得、つまりは「日本一」のジョッキーという称号を得た戸崎圭太騎手。同じく「2年連続で日本一」、日本シリーズを制した福岡ソフトバンクホークスの選手会長・松田宣浩選手。同世代・日本一、なおかつ熱き心を持った各界の盟主によるビッグ対談が実現!互いの業界に対する疑問、秘話、成功のキッカケなど、ここだけでしか明かされないエピソードを語っていただいた。
松田選手が選手会長の任期は2014、2015年シーズン

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第1章 2年連続・日本一 2015年シーズンを振り返る

-:今日はお集まりいただきありがとうございます。戸崎騎手は昨年、リーディングを、松田選手は日本シリーズを制覇と、お二人共「日本一」になったということで、素晴らしい1年だったのではないかと思います。おめでとうございます。まずは松田選手から、改めて昨年の1年を振り返っていただきたいと思います。

松田宣浩選手:よろしくお願いします。僕は野球というチームスポーツの中で、ソフトバンクホークスの一員として日本一になったということは嬉しく思っています。個人のことで言えば、まず、ケガをせずに全試合フルイニング出場出来たことが大きいですし、チームを優勝に導いたという自負もあるので、本当に良い1年だったと思いますね。

-:プロ野球選手にとっても、やはりケガをせずに出場し続けることは大事なのですか?

松田:そうですね。野球の世界には良い選手が一杯いるのですが、ケガをして戦列を離れ、その果てには現役を退いてしまう選手もたくさんいます。技術や素質も大事でしょうが、まずは体が丈夫なことが第一。とにかくグラウンドに立ち続けて、試合に出続けて、そしてチームの勝利に貢献することが一番大きいかなと思います。

-:とは言え、普段プロ野球選手を見慣れない競馬マスコミからすれば、松田選手はすごく体が大きくて立派に見えます。それでも、ケガが多かったと。

松田:ええ、僕は去年でプロ10年目だったのですが、骨折を5回しています。

対談


戸崎圭太騎手:プロフィールを見ると、たくさんケガをされているみたいですね。

松田:たとえば肉離れのようなケガが1回もなくて、全て骨折なんですよ。デッドボールを受けたり、ベースにスライディングをして折れたり、そういう偶発的な骨折が多いですね。

圭太:骨折が良いという訳じゃないですが、肉離れのような怪我だと長くかかってしまいますよね。しかも、癖になったりしそうですし。それにしても、(骨折の回数が)多かったのでビックリしましたね。

松田:確かに「お前、5回も骨折した中でよく這い上がってきたな」と、よく言われますね。

松田「ケガをせずに全試合フルイニング出場出来たことが大きいですし、チームを優勝に導いたという自負もあるので、本当に良い1年だったと思いますね」


-:スポーツをやらない一般の方で、なかなかそれだけの回数、骨折する方はいないですもんね。戸崎騎手はケガの経験もありますか?中央に来てからは大きな事故はありませんが。

圭太:僕は骨折を3回やっているんですよね。鎖骨2回と顔面と上腕骨。特に地方競馬時代にあった最初のケガは大きかったです。

松田:競馬もケガは付きものですよね。

圭太:そうですね。まあ、自分が気を付けていても、周りがやった時に煽りを受けてケガをしてしまう場合もあるので。

松田:そういう時は防ぎようがないのですか?

圭太:ええ。瞬時のアクシデントなので。もう拝むだけですね、ヘヘヘ(笑)。それしかないですよ。

-:最近、そういった目に遭われる機会は見受けられませんが、そのあたりは技術の向上など、危機察知能力などの経験もあってのものなのでしょうか?

圭太:いや、どうなんですかねぇ。そういうことも幾らか少しずつは体で覚えてきたりするところもあるのでしょうが、自分が乗っている、乗っていないに関わらず、馬が怪我をして、転倒してしまったら、どうにも防ぎようがない時があるので、本当に願うしかないですよね。

松田「ケガをせずに全試合フルイニング出場出来たことが大きいですし、チームを優勝に導いたという自負もあるので、本当に良い1年だったと思いますね」


-:改めて、戸崎騎手は1年を振り返ってみて、いかがでしたか?

圭太:リーディングという形で終われたこと、それ自体は良かったと思いますが、運も良かったなというのもありましたね。いつも言っているのですが、もっともっと内容を濃くしていきたいです。

-:松田選手に戸崎騎手の紹介をすると、昨年と一昨年の日本で一番勝ったジョッキーです。最多勝なので、ジョッキーの中では最も名誉のある賞を獲ったということです。野球選手の首位打者とか、ホームラン王に相当するのかなと。

松田:すごいですね。野球で言うと、それどころじゃなくMVPなんじゃないですか。

圭太:騎手は個人でやっているのですが、それでもやはり1人じゃ出来ないことなので。馬がいたり、スタッフさんがいたり、オーナーがいたり、最も助けられて、支えられて達成出来ることです。野球だったらチームがありますからね。個人のタイトルはありますけど。

松田宣浩×戸崎圭太「日本一」の熱き男たち(第2章)
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