大盛況の「セレクトセール2016 」1億1000万円で1歳馬を落札!

田中成奉オーナーSPインタビュー(3ページ)はコチラ⇒

-:続いて、「セレクトセール」といえば、今年のセールの印象はいかがでしたか?

田:いやあ~、高かったですね。1歳も当歳もそうですが、競り負けして。1歳なんか2~3頭が落札できず仕舞いでしたね。何かべらぼうに高かったですね。

-:あえて、「どうでしたか?」という質問をさせていただきましたが、誰もがそう口を揃えていましたね。思っていた通りの答えでした。

田:何であんなに高かったのか不思議ですね。例年、セレクトセールでは日高の馬は手頃な値段で買えたりするのでしょうが、今年は日高の馬でさえも競り上がって、高くて買えなかったり、競り負けしたのがいましたよ。

-:想定よりも4~5頭少なかったということですか?

田:いや、頭数としては、ダメだったらこれに行こう、とは考えていたので。でも、当歳は少なかったですね。結局2頭しか買えなかったですから。値段的には想定よりも高かったのですが、それが良かったのか悪かったのかというのは……走ってみないとわからないですね。2日間で約140億の売却総額で、賞金でそれだけ稼げるかと言ったら簡単ではないですよ。そういう意味では買った馬が当たってくれれば良いという気持ちです。

田中オーナー

-:毎年のように高くなってしまうと、買われる方からすると困ってしまいますよね。

田:海外の購買者も来ていましたね。やっぱり世界的に日本の馬が活躍して、注目されている事実もありますよね。新規の馬主にしても、「世界で通用するような馬を日本で買える-」そんな夢があるのではないでしょうか。

-:その中でもミッキーパールの2015は1億を超える落札でしたね。

田:そうですね。1歳馬はことごとく買えなくて、最後の上場馬でした。でも、あれは我々の目玉で、あれだけは他が買えなくても何とか買おうと思ったので。他が買えなかった分、ある程度、予算も上げていましたから。それでも、8000万くらいで買えるのではないかと思っていたのです。

正直言うと、1億を超えたら諦めようと思っていましたが、やはり何人かは競りにきていましたね。それが最後に1対1になって、1億を超えたら(1ビット)500万ずつ上がるじゃないですか?そこで1億を超えて、そこから相手がビットしてきたのです。私も最後の1ビットで、1億1000万だけやって、来たら諦めようと思っていたら、そこで落ちたんですよね。あれが来たら今度は1億2000万じゃないですか。それは止めていましたね。1億1000万くらいだったら、なんとか……と思って。

-:そこの駆け引きじゃないですが、そこでもう一押ししたところが良い方に向いてくれれば。

田:……良いですね。それが分からないので、逆に、そう買ったのが失敗する場合もありますので、それは走ってみないと。でも、失敗を考えたらセリでは買えないですからね。取りあえず、これだと思って狙っていた馬なので、ある程度はしょうがないと思います。

田中オーナー

「セレクトセール2016」1歳馬セッションで最後の上場馬となったミッキーパールの2015
今年のセレクトセールを象徴するように億を超えるセリを制し田中オーナーが射止めた

-:ちなみに、ある程度予算を割かれるということで、この馬は狙われていたと思うのですが、オーナーから見て、この馬の良さというか、こういうところが良いというのはどんなところでしたか?

田:まず馬の形ですよね。下見でもそうですし、何頭か(マネージャーである)増田が全部見てピックアップして、また見に行って、前日もまた見て……と。それで何頭かに絞れますよね。もちろんその中にもディープインパクトの仔もいましたが、ディープ産駒はどうしても高くなってしまいますよね。それこそ2億円超えとか。

それと比較して、ディープで2億に行くのだったら、こっちが良いのではないか、というので、最終的に目玉候補に残したというか。もちろんこれが1億5000万とか2億だったら買えないでしょうが、1億だったら可能性的には重賞やクラシックに乗ってくれれば、それだけ出しても惜しくないと思って。もちろん馬の形も歩きも何度も下見をして、これは行けると思って買っていますから、少なくともソコソコやってくれると思うんですね。

-:理想としては、芝の中、長距離タイプでしょうか?

田:そうです。ハーツクライですし、中距離でクラシックに行けるような馬だと思いましたね。

田中成奉オーナーSPインタビュー(5ページ)
「金額の高低を織り交ぜ戦略的な馬主ライフに」はコチラ⇒