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続いての特集は、牙城の高い海外の地で香港スプリントを連覇。国内でも4つのG1タイトルを手にしたロードカナロア。聞けば、その風貌は父キングカメハメハの生き写しともいえるほどソックリとのこと。同じ社台スタリオンSにもルーラーシップ、ドゥラメンテなどキンカメの後継種牡馬が他にもいる中で、種牡馬としての特性、生産者の狙いも気になるところだ。世界にその名を轟かせたDNAはどう繁栄していくのか?独占インタビューで迫った。

第3章


-:ひとまず、ありがとうございました。引き続きロードカナロアについてよろしくお願いします。

三:よろしくお願いします。初めて見た時にキングカメハメハそっくりだなと思いましたね。種付け場に入ってくる時の仕草、周囲の見回し方など、カメハメハとシンクロしました。特に顔ですね。馬そのものは特に気を遣う部分もないですよね。

-:写真を撮っていても、「アレっ、これカナロアとカメハメハのどっちだろう?」と思うこともありますね。

三:私でも時々、どっちだ?と思うことがあるほどです。細かくいえば、カナロアの方が一回り小さくて、カメハメハよりは肩のつくりなどは関節の可動域も狭いかもしれません。ただ、最近は正面から歩いてくるのを見たりしても似てきたので、一瞬「どっち?」と思うことがあります。

ロードカナロア

▲まさにキンカメ2世?父(右)とうり二つのロードカナロア(左)

-:牧場で過ごす際に何か変わった癖などはありますか?

三:例えば、馬房で静かにウトウトしている時の位置取りがカメハメハと一緒です。馬房の奥の角にジッと立っているのですが、その位置というか、佇まいがすごくそっくりです。ずっと穏やかにしていますよね。

-:馬見せの時にすぐに出てきて、見ているだけですものね。

三:そうです。人前に出ても何もせずジッとしています。とは言え、種付けの時はガッとすぐにスイッチが入るので、オン、オフがすごく激しいのかと。だから、あれだけ優秀な成績を残せたのかとも思います。

-:放牧地でオンになる時はありますか?

三:たまに走っていますよ。

-:現役時代のイメージとここが違うという点はありますか?

三:この馬については特にないですね。イメージは、そのまま来ていますよね。スプリンターなので、もっと気性などが激しいこともあるのかと思っていたんですよね。しかし、そういう意味では違うイメージですかね。思ったよりも……。キングカメハメハの子なので、性格は良いのだろうという予測はしていたのですが、すごく穏やかな繁殖牝馬みたいな雰囲気というか。それはある意味でビックリしたところですね。

-:サクラバクシンオーなんかはけっこうカリカリしていますよね。

三:ええ、デュランダルなどもカリカリしていましたが、カナロアはそういうところがありませんからね。

-:このスタリオンの中でもけっこう大人しい方ですか?

三:そうですね。一番大人しいと言えるほどで、ファンが来ても近付けて触れ合えるような馬ですね。

ロードカナロア

-:種付けに対する意欲というか、前向きさはありますか?

三:ありますね。お父さんがすごい種牡馬なので、そういう良い意味で引き継いでいますよね。種牡馬として受胎率がすごく良いのです。カメハメハの血統は皆すごく受胎率が良いですね。そういうところは出ていますね。それに種付けも上手いですし。

-:馬産地での産駒の評判などはいかがですか?

三:すごく良いですよ。だから、ここまでずっと250頭以上種付けをし続けてきていますから、やっぱり子供のデキが良いということでしょうね。評価はかなり高く見てもらえていると思います。セリの値段を見てもそうですし、上々でございます。

-:馬のつくりなど性格なども、産駒に受け継がれていますか?

三:やっぱり似ている子は似ていますよね。基本的なバランスは一緒だと思いますね。体の幅がシッカリあったり、気性などはカナロアっぽいと思うことが多いですね。カメハメハとカナロアはけっこう顔つきなどが似ていますが、見ていてカメハメハの子とは思わないですものね。やっぱり“カナロアの子だな”と思うので。けっこう親子は似ていますが、子供はちゃんと区別できますね。だから、良さはカナロア独自の、カメハメハとは違う良さが出ているのだと思います。そう捉えています。

2017年新春SPインタビュー第2弾(後編)
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