2年連続年度代表馬に輝いたキタサンブラックの関係者

JRA賞とは競馬と馬に関する特に優れた業績に対してその栄誉をたたえ、感謝の意をあらわすために設けられた。その表彰行事として、騎手・調教師をはじめ多くの関係者が出席して盛大に行われた。

2017年の年度代表馬に選ばれたのはキタサンブラック(牡6)で、2年連続の年度代表馬に選出。2017年シーズンは新設された大阪杯を皮切りに、天皇賞・春をレコード勝ち。天皇賞・秋は空前の極悪馬場の中、天皇賞春秋連覇を達成。暮れの有馬記念では3度目の挑戦にして初勝利を挙げた。競馬界の盟主であり、名手の武豊騎手が主戦、国民的演歌歌手である北島三郎さんがオーナーということもあり、競馬の枠を超えて、通年にわたり活躍が大きな話題になった。

その他、騎手部門ではクリストフ・ルメール騎手が3部門受賞を果たし、ミルコ・デムーロ騎手と共に、数多くの受賞馬の主戦騎手として壇上に上がったように、外国人騎手の活躍を印象づける一年となった。各部門の受賞者は以下のとおり。

自身2度目となる最多勝利調教師に輝いた池江泰寿調教師

●調教師部門

最高勝率調教師／最多賞金獲得調教師・中内田充正調教師
「2017年はみんなが頑張ってくれたおかげです。今年も出す馬全て勝たせる気持ちで頑張ります」

優秀技術調教師・堀宣行調教師
「人馬共に安全に毎日過ごすことを意識しています。2018年はいい馬を育てて競馬を盛り上げていきたいです」

外国人騎手初となるリーディングを獲得したC.ルメール騎手

●騎手部門

最多勝利／最多賞金獲得騎手／MVJ
クリストフ・ルメール騎手
「まずはスピーチを読ませてください。サポートしてくれた馬主さん、エージェントの方、厩務員さんなど皆さんに感謝しています。外国人ジョッキーとして初めてのMVJが取れて嬉しいです。フランスにいた時はG1を勝つ喜びを失っていました。その気持ちを、日本の関係者やファンの皆さんが甦らせてくれました。2018年は私たち家族を大切にしてくれる日本という国へ感謝の気持ちを持って乗りたいです。今回の賞はまず自分を毎日支えてくれている『妻さん』に渡したいです」

JRA最高勝率騎手・ミルコ・デムーロ騎手
「素晴らしい年になりました。今年も去年と同じくらい活躍したいです」

最優秀障害騎手・石神深一騎手
「去年は素晴らしい1年でした。大きいタイトルも取らせていただきました。来年もこの舞台に来れるよう頑張りたいです」

●競走馬部門

最優秀2歳牡馬・ダノンプレミアム(牡3、栗東・中内田厩舎)
株式会社ダノックス・野田順弘オーナー
「強い勝ち方で、夢と感動を与えてくれた。ありがとうございました。次もまたプレミアムとしての品質、能力を見せてくれればと思います」

最優秀2歳牝馬・ラッキーライラック(牝3、栗東・松永幹厩舎)
サンデーレーシング・吉田俊介代表
「オルフェーヴルの初年度産駒で、打率が低いと言われていますが(笑)、この馬は凄い馬です。凄く扱いやすく、乗りやすいと聞いています。距離が延びても大丈夫だと思います。今週末に(トレセンへ)帰厩する予定です。とても順調ですし、成長しているので春が楽しみです」

最優秀3歳牡馬・レイデオロ(牡4、美浦・藤沢和厩舎)
(有)キャロットファーム・高橋二次矢代表
「ダービーは素晴らしいの一言でした。何か起きたな、という気持ちで道中見ていました。とても素晴らしいレースでした。またここに立てるよう頑張ります」

最優秀3歳牝馬・ソウルスターリング(牝4、美浦・藤沢和厩舎)
(有)社台レースホース・吉田哲哉代表
「オークスは少し心配な気持ちもありましたが、勝ててうれしいです。今年は、まずは牝馬同士のレースを使ってから、海外遠征を考えます。期待してください」

大魔神・佐々木主浩オーナーはヴィブロスと共にドバイターフ連覇を目指す

最優秀4歳以上牝馬・ヴィブロス(牝5、栗東・友道厩舎)
佐々木主浩オーナー
「初のJRA賞、まさか獲れるとは……。10日前に腰の手術をしまして、今日は気合で立っています(笑)。ドバイ当日は雨で馬場が悪くなりどうかと思いましたが、皆さんのおかげで勝てました」

最優秀短距離馬・レッドファルクス(牡7、美浦・尾関厩舎)
(株)東京ホースレーシング・西川哲代表
「こちらが思っている以上に強いですね。G1を3連覇することはなかなかないので、今年は挑戦したいです」

最優秀ダートホース・ゴールドドリーム(牡5、栗東・平田厩舎)
ノーザンファーム・吉田勝己代表
「そんなに人気がない中でG1を2勝、凄いことだと思います。本当に勝ったのかなと思いました(笑)。フェブラリーSに行って、それから海外について考えます」

最優秀障害馬・オジュウチョウサン(牡7、美浦・和田郎厩舎)
(株)チョウサン・長山尚義オーナー
「前の日に、単勝1.0倍でビックリしました。いい夢を見せてもらいました。3月の阪神は故障で延期です。ぶっつけで4月の中山グランドジャンプに行きます。今年はアイドルになってほしいです」

キタサンブラックの北島三郎オーナーも駆けつけた

年度代表馬＆最優秀4歳以上牡馬・キタサンブラック(牡6、栗東・清水久厩舎)
(有)大野商事・北島三郎オーナー
「もう感動と感謝でいっぱいです。関係者のみなさん、JRAのみなさんには感謝です。最近、ブラックの方が自分より名前が売れてきました(笑)。2年連続この賞に選んでいただいてありがとうございます。ブラックには出会った時から、感動、夢、元気、勇気をもらいました。自分だけかと思ったら、ファンの皆さんにも言ってもらえるんですよね。キタサンブラックには感謝しています。ありがとう、お疲れ様と言いたいです。たくさんの関係者との出会いに感謝しています。馬でこんなに感動したのは初めてです。関係者の皆様に改めて感謝です」

キタサンブラックの清水久詞調教師
「心では謝りながら、ハードに鍛えてきました。キタサンブラックには丈夫な子を出してほしいです」

キタサンブラックの武豊騎手
「ブラックの子でG1を勝ってまた一緒に表彰式に立ちましょう、と北島オーナーには言いました。乗り味も素晴らしく、スピード、スタミナ、すべてが本当に素晴らしい馬です。早く子どもに乗りたいですね。それまでは騎手をやめられません。騎手として、この場に立たせていただいて改めてやりがいを感じています」

キタサンブラックを担当の辻田義幸厩務員
「社台スタリオンでは、3年お疲れ様、ごくろうさま、という気持ちで送り出しました。私にとってキタサンブラックはスーパーヒーローです。強くて優しい、最高の愛馬でした」

キタサンブラックを生産したヤナガワ牧場・梁川正普代表
「うちの規模の牧場で、このようなスーパーホースが出るとは夢にも思いませんでした。たくさんの生産者の方に繁殖牝馬を連れてきてもらいたいです。子どもを楽しみにしています」

キタサンブラックを管理する清水久詞調教師

キタサンブラックを担当していた辻田厩務員

キタサンブラックを生産したヤナガワ牧場・梁川正普代表