初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
「祝・ベルラップ」
2014/7/2(水)
祝・ベルラップ
皆さん!ゴールドシップ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)強かったですねぇ!すみません、タイトルとまったく違う入り方でした。でも本当に強かった。ファン投票第一位の名にふさわしい横綱相撲だったと思います。さすがは須貝厩舎をずっとけん引してきたトップホース、お見事でした。
個人的にも厩舎と一緒にずっと応援しているシップの復活には感無量です。ただ僕としてはもしジャスタウェイが走っていたら、どこらへんを走っていたのだろうか?とか、ちょっと妄想していたりしたのですが……。
皆さんご存知の方もいるかと思いますがゴールドシップとジャスタウェイ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)、馬房が隣同士です。いつも二人で何を話しているのか気になるところですが、昔から仲は良いらしいです。シップは本当に好き嫌いが激しく嫌いな馬が視界に入ると噛んだり蹴ったりしに行くそうです。
一方、ジャスはとても素直でよい子。ただし表現力豊かな素直な子でした。なんせ疲れると出走直前に熱を出すこと二回(一昨年のニュージーランドT、朝日チャレンジカップ)、ジンマシンで体調不良を自ら訴える。走りたくない時はしっかりと態度で示す。わかりやすいと言えばわかりやすい。これを素直と言えるかは謎ですけど……。
そんな病弱だったジャスも今や立派に成長してくれました。性格も昔とは違って風格が出てきた、とも言われています。もしかしたらジャスはシップにうまく取り入って、強さの秘密を聞きだしていたのかもしれません。須貝先生の三歳時のコメントで言うと「シップは番長、ジャスはお坊ちゃん(今はどんな感じなのか今度先生に聞いておきます)」。
そんなお隣同士の二人が今後どこを使っていくのか?……気になりますね。ひょっとしたら○○で、××な所でお隣さん夢の競演とかっ!妄想するだけでも楽しいですよね。須貝先生、もしかして、将来そんなことがあると見込んで隣同士にしてたんじゃないんですか?なーんてことも妄想中。
ちなみにジャスタウェイの次走はまだ未定です。現在吉澤ステーブルにて安田記念激走の疲労を癒すため、鋭意ぼんやりしてくれていることと思います。レース後はやはり相当な疲れがあったようで、「いつものジャスに比べると元気がなかった」と関係者やそうでない方も口をそろえて言っていました。ゴールドシップともども、まずはゆっくり休んでください。
とまあそんな宝塚記念当日、朝一番の阪神第一レース。シップと同じ横山典騎手騎乗で、ベルラップ(牡2、栗東・須貝尚厩舎)が嬉しい初勝利をあげてくれました。まあまあのスタートを切ると中団内にじっと待機。直線向いて横山騎手が仕掛けると、あっちへふらふら、こっちへふらふらしていたのはご愛嬌(笑)。お父さん譲りの鋭い末脚での完勝でした。一度競馬を使って良くなってくれていたようですね。
この後は放牧に出すそうです。馬体は丸っこくてデビューの当時のジャスを見ているようです。ゆるゆるふわふわのまだまだお子様ですが、秘めた素質は須貝先生、ノーザンファームC1厩舎の皆さんのお墨付き、順調に成長していってくれることを祈ります。いやあ、楽しみです。ちなみにベルラップ、キレイな流星をしたイケメン君です。
そんなこんなで上半期のグランプリが終了、中央開催が終了して夏競馬へと移行します。これで競馬も一段落……という競馬ファンの皆さんもいるかもしれません。しかし、それは激しく間違いです。競馬業界は常にイベント満載。秋へ、そして来年へ向けての熱い闘い!地方のグルメやサマーシリーズなどなど目が離せません。特に馬主さんたちは今頃カタログに必死に目を通していることでしょう。そうです!馬主の中での一大イベント、年に一度のセレクトセールが二週間後に迫ってきています。今年はハーツクライ産駒、高いだろうなあ……。
個人的にはその前に、函館土曜の最終レース、かもめ島特別でオツウ(牝4、栗東・須貝尚厩舎)が走る予定です。降級して前回と同じ条件、デムーロ騎手の叱咤激励をきっかけにやる気になってくれたオツウちゃん。今回も頑張ってー!
はみだしジャスタウェイ情報
皆さんヒーロー列伝のポスター、見ていただけましたでしょうか?『世界一の称号、親子の覇道』でもって『トップオブザワールド』です。このポスターのデザイン、なにげにお父さんのハーツクライのポスターとセットになっています。興味のある方はJRAのホームページで確認してみてください。グッズも続々発売されます。キーホルダーに缶バッヂ、腕時計なんかも出るみたい。個人的にはジッポー出してもらってサンプルを是非頂きたいです。とおねだりをしてみる。
他にもいろいろあるのですが、次回の更新までとっておきます(笑)。
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。