スタートから1コーナーまでが長く、最初の直線で隊列がある程度固まるため、強力な逃げ馬がいない限りは1コーナーから2コーナーでペースが緩くなりやすい。代わりにレース中盤、向正面からロングスパート勝負になりやすく、上級条件ほどそのタイミングは早くなる。G1クラスになれば向正面に入ってすぐのあたりからペースが上がり始めることも珍しくない。
他の南関東競馬場と大井が決定的に違う点は右回りということに加えて、直線の長さにある。4コーナー出口からゴールまでは実に400m近い距離があり、向正面からロングスパート勝負でやり合ってきた馬たちは更なるひと踏ん張りが求められることで、持続力、スタミナが問われてくる。コーナーの角度は他場に比べて緩いものの、ただでさえスタミナがいるコースで3コーナー手前から外を回し続けると最後にガス欠となってしまう。大井の2000mで相対的に8枠が不利なのはこれが原因。しかしスタートから1コーナーまでの距離が長いため、外枠の馬がポジションを取りやすく、やや外枠有利の傾向が見られるのも頭に入れておきたい。

2018年1月末から2月半ばにかけて、大井競馬場は路盤改修、クッション砂の入れ替え工事を行った。以前は雨が降ると内ラチ沿いに水が溜まり一気に外有利の馬場となったが、改修の結果水が溜まらなくなり、内の状態が一気に良くなった。2018年秋以降は内を通る馬に圧倒的なアドバンテージがある。雨が降ればある程度伸びどころはフラットになるものの、以前に比べて砂が軽く、走りやすいことからスピードも問われている。