JDD有力馬解説
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ハセノパイロ
(牡3、船橋・佐藤賢厩舎)
今年の船橋3歳勢のエース。様々な条件を使いながら出世を重ね、前走はしぶとく伸びて見事、第64回東京ダービー馬の称号を手にした。内ラチ沿いを突いても、外を回しても好走した経験があるように、どのような競馬もこなせるのがこの馬の強み。全日本2歳優駿3着の実績が示す通り、厳しいペースでより持ち味が活きる馬。今回は相手が大幅に強化されるものの、中央馬相手の今回もチャンスは十分と言える。
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ルヴァンスレーヴ
(牡3、美浦・萩原厩舎)
今年の主役はこの馬か。前走ユニコーンSは直線ほぼ馬なりで抜け出すなど、力の違いを見せ付けた。昨年夏の新潟新馬戦から2戦目のプラタナス賞、3戦目の全日本2歳優駿と全てワンサイドゲームで制してきたように、将来の日本ダート界を背負っていくことが期待されている存在。右回りは伏竜Sで2着だったものの、プラス10キロと余裕残しだった影響もあるだろう。順調に使えている今回、初の大井コースも問題ないだろう。
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ハーベストムーン
(牡3、栗東・浅見幹厩舎)
新馬戦は将来を嘱望されているオメガパフュームに敗れ2着。3戦目のくすのき賞は小回りの小倉コースが合っていなかったこともあったか3着だったものの、その後連勝。素質のあるところを見せている。前走ユニコーンSは13着に終わったが、初めてのマイル戦で距離が短かった影響もあるだろう。距離延長は大きなプラス。控えても競馬できるタイプだけに、巻き返す可能性は低くない。
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グレートタイム
(牡3、栗東・藤原英厩舎)
安定感ならこの馬も負けていない。2走前の京都1800m・鳳雛Sで2着、東京1600m・ユニコーンSで2着と、違う適性が求められる舞台で続けて好走し、能力の高さをアピールしてきた。乾いたダートでも、湿ったダートでも好走歴がある馬で、当日の天気も不問なのは心強い。母にダートの名牝ミラクルレジェンドを持ち、叔父にこの舞台で行われた東京大賞典を制しているローマンレジェンドを持つ良血馬が初タイトルを狙う。
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オメガパフューム
(牡3、栗東・安田翔厩舎)
先々の日本ダート界を背負うと期待されている逸材。デビュー戦の京都ダート1800mを上がり3F35.8秒の豪脚で制すると、2戦目も2着に6馬身の差をつけて圧勝。3戦目の青竜Sこそ距離が短かったことも影響したか3着に敗れたが、前走、距離延長で迎えた1000万・加古川特別で古馬を撃破。力のあるところを見せた。スウェプトオーヴァーボード産駒だが、レースぶりから更なる距離延長は歓迎。ここでも好勝負は十分可能だろう。
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テーオーエナジー
(牡3、栗東・宮厩舎)
兵庫チャンピオンシップを2着ビッグスモーキーに5馬身差つけて勝った実績馬。スッと好位を取れるレースセンスはこの舞台でも大きな武器になってくるだろう。湿って時計が速くスピードが問われるレースでも好走しているように、守備範囲が広い点も強調材料だ。前走の日本ダービーは芝2400mということもあって1着から2.6秒離された18着に敗れてしまったが、ダートに戻った今回、巻き返せるだけの条件は揃っている。
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ドンフォルティス
(牡3、栗東・牧浦厩舎)
ダート1400mの新馬戦こそ3着だったものの、その後北海道2歳優駿まで3連勝。距離を伸ばしながらのもので、早いうちから対応力と柔軟性を見せていた。全日本2歳優駿こそ道中スムーズさを欠いたこともあり2着だったものの、休養を挟んで臨んだ前走・伏竜Sはこれまでのレースぶりからは一変した先行策を見せてそのまま押し切り、ルヴァンスレーヴに雪辱を果たした。今回も休み明けだが実績はトップクラス。好戦が期待される。
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バイラ
(牡3、栗東・川村厩舎)
ここまでキャリア12戦。使いながら成長してきた1頭。当初はダート短距離を主戦場とし、未勝利突破も1200mだったが、2勝目の500万下、3勝目を挙げた端午Sはダート1400mと、次第に距離をカバーしつつある。前走のユニコーンSは14着に大敗したが、母はダート中距離を得意としていた馬で、叔父アルムダプタは1800mの北海道2歳優駿を制した経験がある。血統背景から初めての2000mもこなせる可能性はゼロではないだろう。
大井ダート2000mコースガイド


「1800mとも似ていますが、好きな位置に付けられるといいますか、思い思いのポジションを取れる感じはします。枠の有利不利よりも、昔はインベタばかりだったけど、最近は外を回さないと脚を使えない時もありますし、その開催の傾向を掴まないと、という感じですね。砂の厚さは一定のはずなのですが、明らかに利かない場所もあるので。内がダメな時に内枠だとダッシュが付かなかったり、ということもあるし、一概には言えない感じですね」

「1800mとは逆に、ポジションを取りに行って、下手してゴール板まで位置を取れなかった場合は、けっこう流れが速く流れます」

「1800m以上に最初の直線が長くなるので、隊列はすぐに決まりますね。若干スローペースになりやすい印象はあります。1800mだと、たまにペースが流れて、コーナーに入って向正面に行くこともありますが、2000mだと隊列が決まってグッとペースが落ちますね。1コーナーに入るまでに隊列が決まり、全体的に乗りやすいです。浦和の1600mや川崎みたいにコーナーによる有利不利かないので、力通りの競馬になりますね」
※この内容は2017年のJBCクラシック前に取材したものを再編集しております。
JDD・過去10年成績
年月日(馬場) | 着 | 番 | 馬名 | 性齢 | 人気 | 騎手 | 斤量 | 調教師(所属) | 着差 | 上3F | 通過順位 | 馬体重 | 前走レース | 前走着順 |
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2017年 7月12日 (良) |
1 | 4 | ヒガシウィルウィン | 牡3 | 5 | 本田正重 | 56 | 佐藤賢二(船) | 2:05.8 | 38.2 | 6-5-6-5 | 459(+5) | 東京ダービー | 1 |
2 | 8 | サンライズソア | 牡3 | 4 | 川田将雅 | 56 | 河内洋(J) | クビ | 38.4 | 4-3-5-4 | 502(+4) | ユニコーンS(G3) | 3 | |
3 | 3 | タガノディグオ | 牡3 | 2 | 川島信二 | 56 | 宮徹(J) | 1 | 38.1 | 9-8-9-8 | 526(+5) | 兵庫CS(Jpn2) | 1 | |
2016年 7月13日 (良) |
1 | 7 | キョウエイギア | 牡3 | 4 | 戸崎圭太 | 56 | 矢作芳人(J) | 2:05.7 | 38.5 | 4-4-5-4 | 485(+5) | 鳳雛S(OP) | 1 |
2 | 13 | ケイティブレイブ | 牡3 | 3 | 武豊 | 56 | 目野哲也(J) | 4 | 39.8 | 1-1-1-1 | 495(+11) | 兵庫CS(Jpn2) | 1 | |
3 | 6 | ゴールドドリーム | 牡3 | 1 | 川田将雅 | 56 | 平田修(J) | 1.3/4 | 39.6 | 6-6-6-6 | 518(+6) | ユニコーンS(G3) | 1 | |
2015年 7月8日 (不) |
1 | 9 | ノンコノユメ | 牡3 | 2 | ルメール | 56 | 加藤征弘(J) | 2:05.6 | 37.3 | 8-8-6-6 | 448(±0) | ユニコーンS(G3) | 1 |
2 | 6 | クロスクリーガー | 牡3 | 1 | 岩田康誠 | 56 | 庄野靖志(J) | 2.1/2 | 38.7 | 1-1-1-1 | 463(+4) | 兵庫CS(Jpn2) | 1 | |
3 | 12 | ラッキープリンス | 牡3 | 6 | 今野忠成 | 56 | 小久保智(浦) | 5 | 39.5 | 3-4-3-2 | 459(-3) | 東京ダービー | 1 | |
2014年 7月9日 (稍) |
1 | 10 | カゼノコ | 牡3 | 2 | 秋山真一郎 | 56 | 野中賢二(J) | 2:03.9 | 36.5 | 13-12-8-7 | 454(+4) | 鳳雛S(OP) | 1 |
2 | 9 | ハッピースプリント | 牡3 | 1 | 吉原寛人 | 56 | 森下淳平(大) | ハナ | 37.2 | 3-3-2-2 | 524(+4) | 東京ダービー | 1 | |
3 | 8 | フィールザスマート | 牡3 | 6 | 田中勝春 | 56 | 新開幸一(J) | 1/2 | 36.7 | 7-8-7-5 | 504(+8) | 青梅特別(1000万下) | 1 | |
2013年 7月10日 (良) |
1 | 5 | クリソライト | 牡3 | 1 | 内田博幸 | 56 | 音無秀孝(J) | 2:04.8 | 37.4 | 5-4-3-1 | 493(-5) | 昇竜S(OP) | 1 |
2 | 10 | エーシンゴールド | 牡3 | 2 | 川田将雅 | 56 | 野中賢二(J) | 7 | 38.6 | 9-8-4-5 | 515(-3) | 鷹取特別(1000万下) | 1 | |
3 | 16 | ケイアイレオーネ | 牡3 | 5 | 幸英明 | 56 | 西浦勝一(J) | ハナ | 38.6 | 13-13-7-4 | 548(+6) | ユニコーンS(G3) | 3 | |
2012年 7月11日 (良) |
1 | 11 | ハタノヴァンクール | 牡3 | 1 | 四位洋文 | 56 | 昆貢(J) | 2:05.3 | 36.0 | 6-6-7-6 | 493(+9) | 端午S(OP) | 1 |
2 | 7 | トリップ | 牡3 | 4 | 小牧太 | 56 | 松田博資(J) | 1 | 36.6 | 2-2-1-1 | 495(+1) | 日本ダービー(G1) | 7 | |
3 | 8 | アートサハラ | 牡3 | 7 | 今野忠成 | 56 | 荒山勝徳(大) | 3 | 37.2 | 7-7-2-2 | 534(+4) | 東京ダービー | 5 | |
2011年 7月13日 (良) |
1 | 11 | グレープブランデー | 牡3 | 1 | 横山典弘 | 56 | 安田隆行(J) | 2:04.9 | 37.2 | 4-4-3-2 | 516(+10) | ユニコーンS(G3) | 2 |
2 | 9 | ボレアス | 牡3 | 4 | 武豊 | 56 | 吉田直弘(J) | アタマ | 37.0 | 8-8-7-4 | 467(+5) | ユニコーンS(G3) | 3 | |
3 | 7 | タガノロックオン | 牡3 | 3 | 川田将雅 | 56 | 松田博資(J) | 3/4+1/2 | 37.1 | 6-6-8-7 | 504(+4) | あおぎりS(1000万下) | 1 | |
2010年 7月14日 (重) |
1 | 11 | マグニフィカ | 牡3 | 6 | 戸崎圭太 | 56 | 川島正行(船) | 2:05.2 | 37.8 | 1-1-1-1 | 514(+2) | 東京ダービー | 3 |
2 | 8 | コスモファントム | 牡3 | 3 | 内田博幸 | 56 | 宮徹(J) | 3/4 | 37.7 | 4-4-2-2 | 506(+22) | 日本ダービー(G1) | 10 | |
3 | 4 | バトードール | 牡3 | 5 | 安藤勝己 | 56 | 池江泰寿(J) | アタマ | 37.5 | 3-3-4-4 | 524(+4) | ユニコーンS(G3) | 2 | |
2009年 7月8日 (稍重) |
1 | 3 | テスタマッタ | 牡3 | 4 | 岩田康誠 | 56 | 村山明(J) | 2:04.5 | 36.8 | 5-7-6-6 | 487(+3) | 出石特別(1000万下) | 1 |
2 | 8 | シルクメビウス | 牡3 | 2 | 田中博康 | 56 | 領家政藏(J) | 2 | 37.3 | 7-6-5-5 | 476(+4) | ユニコーンS(G3) | 1 | |
3 | 12 | ゴールデンチケット | 牡3 | 3 | 武豊 | 56 | 森秀行(J) | 4 | 38.3 | 1-1-1-1 | 485(+5) | 日本ダービー(G1) | 7 | |
2008年 7月9日 (不) |
1 | 11 | サクセスブロッケン | 牡3 | 1 | 横山典弘 | 56 | 藤原英昭(J) | 2:04.5 | 36.6 | 2-2-2-1 | 514(+12) | 日本ダービー(G1) | 18 |
2 | 8 | スマートファルコン | 牡3 | 3 | 岩田康誠 | 56 | 小崎憲(J) | 3.1/2 | 37.0 | 4-3-3-3 | 489(+13) | 皐月賞(G1) | 18 | |
3 | 7 | コラボスフィーダ | 牡3 | 7 | 左海誠二 | 56 | 岡林光浩(船) | 8 | 38.5 | 8-6-6-3 | 501(-2) | 東京ダービー | 3 |