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今年の締めくくりを勝つのはゴールド…
競馬ラボ新米編集部員T(以下T):先週はエアスピネル(牡2、栗東・笹田厩舎)の読みに関しては完璧でしたね。調教とは少し離れていましたが。
ライター野中(以下野):でも、みんな戦前に感じていたことだとは思う。リオンディーズ(牡2、栗東・角居厩舎)は調教の失敗を陣営も認めていた位だし能力が違ったということ。シャドウアプローチ(牡2、栗東・須貝尚厩舎)の名前もこのコーナーで一応上がったし悪くはなかったかと。
T:ですね。いよいよ有馬記念ですが。
野:そもそも、有馬に照準を合わせている馬は少ないんだよ。残っているわずかな力で闘うイメージ。
T:でも、引退レースとなるゴールドシップ(牡6、栗東・須貝尚厩舎)は有馬が目標だといわれていましたよね。
野:前回とは違って最終追いも坂路にしたし動きも悪くなかった。ただ、煩い面は相変わらず。噂されていたように乗り替わり。着差はわずかとはいえJCも二桁着順。種牡馬入りが決まっている馬で逆転できるほどに仕上げるかは疑問だよ。
T:3年連続3着の可能性はありませんか?
野:無くはない思うけど、8枠15番も不利でしょ。内枠を引かせられて出遅れるよりはましだけども。仕上がりは悪くないとは思うのでファンの人は馬券を買えばいいという感じかな。人気になるのなら穴党は切る一手だと思っています(個人の主観です·笑)。
▲ゴールドシップが有終の美を飾ることはできるのか
T:この馬は常識が通用しませんからね。ブリンカーを外して2戦目も気になりますが。
野:クセ馬は判断が難しい。調教は悪くないけど上昇している感じはなく強調する材料はないと思うけど。
T:JCは3着に終わりましたがラブリーデイ(牡5、栗東・池江寿厩舎)はいかがでしょうか。
野:今の競馬では考えられないけど、今年10戦目。時計はさすがにJCよりは落ちるけどそれなりに動いている印象を受ける。動きは硬くなっている気はするのでギリギリでは。
T:蹄にエクイロックスがベタって塗られている写真が公開されていましたよね。
野:エイクロックス=ダメという訳じゃないけど、本当にギリギリでの出走だとは思うよ。状態がいいかといわれたらいいとはいえない。
T:金子真人HDの馬ですが。
野:先週まさかといっては怒られるかも知れないけど、ターコイズSで社台RH馬のワンツー。賞金差は約9000万円だから2着以上が必須になったのは痛いよね。JCも勝ちにいっての競馬で3着なら実力は上位だろう。
T: リアファル(牡3、栗東・音無厩舎)も人気を集めそうですが。
野:菊花賞はこの馬にとって向かなかった面はある。予定よりも来られるタイミングも早かったし微妙に仕掛けが遅れたところもあった。坂路中心の仕上げで菊花賞と同等かそれ以上の仕上がり。展開次第だろうね。
T:リアファルを破った菊花賞馬キタサンブラック(牡3、栗東・清水久厩舎)はいかがでしょうか。
野:馬場が悪かったせいもあるけど追い出してから案外の最終追い切りだったのがどうでるかだね。状態だけならリアファルが上じゃないかな。
▲馬主である北島三郎氏の期待を背に キタサンブラック
T:JCを制覇したショウナンパンドラ(牝4、栗東・高野厩舎)は回避してしまいましたが、2着のラストインパクト(牡5、栗東・松田博厩舎)は出走してきました。
野:JCでは能力が足りないかも知れないけど、状態はいいと書いたけど、今回もそういうイメージ。全体時計は遅かったけど、松田博厩舎らしく最後の伸びは上々。だけど、前回はムーア騎手が上手かったのでは。
T:若い菱田騎手が昨年の雪辱を果たせるのかにも注目ですね。アルバート(牡4、美浦・堀厩舎)、ゴールドアクター(牡4、美浦・中川厩舎)のように重賞を勝ち上がって挑戦してくる組はいかがでしょうか?
野:ステイヤーズS組はローテーションがキツイよね。それでもアルバートは好調を保っているという気はする。ゴールドアクターは今回出られて良かったよ。この仕上げで負けたら仕方がない。
T:そんなにいいんですか?
野:沈み込むようなフットワークで馬も前向きだし追い出してからの反応も◎。先週の時計はOP馬とはいえ破格。社台グループ生産馬たちは強力だけど、勝っても不思議ではない馬でしょ。JCを回避しただけのことはある。
T:珍しく絶賛していますね!
野:もちろん、菊花賞3着だったといっても世代レベルに疑問も残るし能力が足りない可能性もあるけど、少なくともデキだけは近走でも一番では。
▲野中氏も絶賛するほどの動きを見せたゴールドアクター
T:青鹿毛馬でよく見えるってことはありませんか。
野:その可能性も否定しないよ。昔はツルマイナスって馬によく騙された。
T:いつの時代ですか……。黒鹿毛、青鹿毛は良くみえるんですよね。
野:君の指摘する通りだとは思うけど、調教だけならゴールドアクターは少なくとも上位評価では。
T:他に気になる馬はいましたか?
野: ワンアンドオンリー(牡4、栗東・橋口弘厩舎)が先週の坂路で久々に動いた。近走よりは良さそう。復調気配でも通用するかは別だけど。後はルージュバック(牝3、美浦・大竹厩舎)も動いていたね。3歳牝馬は勝てないけど掲示板以上はありそうなデキにはあるはず。
T:ではまとめてください。
野:ゴールドアクターのデキの良さは間違いない。続いてリアファル、ルージュバックのキャロット勢。サウンズオブアース(牡4、栗東・藤岡健厩舎)もまずまず。一応、調教から目立った馬はこの辺り。
T:名前の挙がったメンバーで決着すれば高配当間違いなしですね。
野:まぁ、穴党だし余計に何か狙いたくなっている面は否定しないけど、調教だけならゴールドアクターだよ。
T:そのしつこさが気になりますが(苦笑)、兎にも角にも皆さま思い思いの有馬記念をお迎えください。せめて当コーナーが最後に役立つことを願って!
野:大ヒットが無かったからね。
T:来春に当コーナーはあるのかは未定ですが(苦笑)、有馬次第ということで。
野:この秋、お付き合い頂きありがとうございました。調教以外の話が面白かったというメールを頂いていたようですが、何といっていいのやら……。
T&野:それでは皆様、素晴らしい有馬記念と新年をお迎えください!
プロフィール
【野中 香良】Kosuke Nonaka
編集&ライター。元ギャンブル雑誌や「競馬最強の法則」の編集者で現在も競馬関連の編集&ライター業をメインに活動中。
最強の法則では『俺はまだ馬券で本気出していないだけ』を連載し神業的なハズレ馬券を披露している。競馬ラボでは「今さら聞けない2歳馬ホントの評価」を連載。(最新著書【「社台王朝」の異変に気づけば大儲けができる!】(競馬ベスト新書)がAmazon競馬カテゴリーで1位を獲得)