《堂々とした華麗なる美》アルムダプタが勝利

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土曜阪神6R
2歳新馬
ダ1800m
勝ちタイム1.55.0

アルムダプタ(牡2、スペシャルウィーク・栗東・五十嵐厩舎)

《堂々とした華麗なる美》アルムダプタが勝利

ここも武豊Jワイルドアンセムの逃げ。ユッタリとした逃げで1000メートル通過が1.03.6。直線も楽な手応えで入って来て勝利と思えたのだがただ1頭、アルムダブタだけが迫って来た。
最初のコーナーまでに内の3番手に入り込み道中もジッとしていたアルムダブタ。4コーナーも最内と経済コースを通って来て、逃げるワイルドアンセムに迫って行く。残り100で捕えて最後は押すだけの所作で勝ち上がったものだった。ハングル語の意味のとおり堂々とした華麗なる勝利であった・・・。

スタンド前からの8頭立ての新馬戦。最内のヴァルティカルの出が良くない。ワイルドアンセムはまずまずの出でスッと先手をとって行った。キリノトップランと、外からハローヘイローが出て行く。アルムダプタとファーマプライドがその後。
1コーナーへワイルドアンセムが楽に先頭で、キリノトップラン2番手。内へ入ったアルムダプタと続く。最後方はヴァルティカル1頭が、5馬身遅れている。
向こう正面では平均的な逃げとなった。3コーナーでキリノトップランの内へアルムダプタが駒を進める。2番手追走の形である。最後方のヴァルティカルもグーンと前との差を詰めて行く。
4コーナーが近づくと、前の2列めにはメイショウマンヨウも外から上がって3頭がひしめく。そして直線へと入って来た。

もう一度つき放した感じのワイルドアンセム。アルムダプタが内から出て来て2番手に上がったが、少し差が開いたかと思えた。ブービーへと上がったヴァルティカルだが、最後のカーヴのコーナーリングが下手なのか、外へ膨れ気味。でも勢いは増す。
残り1ハロンを過ぎて、ワイルドアンセムが脚色優勢な感じだったのが、残り100を割ったあたりから、ついに前を捕えにかかったアルムダプタ。最後は1馬身以上の差となってデビュー勝ちとなった。
幸Jのステッキも右4発、左2発と直線で入れられていたが、4コーナー手前とか目立たないところでも叱咤激励していたのが判った。
そしてワイルドアンセムもコーナーリングとかあまり上手くない感じ。ロスタイムがあった様子だ。3着馬には4馬身もの差をつけている様に、ただ1頭だけに差されたもの。
その3着にはヴァルティカル。直線入り口あたりでは外へ行くものと思えたのだが、最後はメイショウマンヨウの内から抜いて来てと、若さ一杯のレースだった。2着馬からは4馬身ながら前半はまったくレースになってないのだから次は変わりそうだ。

勝った馬だけが内からドンドンと進出して行くなかなかのレースぶり。内々で脚を貯めて最後の伸びを引き出したものであった・・・。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。