平林雅芳の目

トピックス

日曜京都11R
ファンタジーS(GⅢ)
芝外1400m
勝ちタイム1:23.7

勝ち馬イナズマアマリリス(牝2、栗東・松元茂厩舎)

■・・・経験は伊達ではない・道営出身のキャリアウーマン。

今日の府中競馬場のメインはアルゼンチン共和国杯
夕方にはジョッキーマスターズ2008があるのは、競馬通ならば誰でも知っていること。
京都の午前の2Rで勝ち名乗りをあげたのが、メイショウアツヒメ
河内厩舎の所属馬である。
ウイナーズサークルへと向う河内師を見て思わず『え?東京は?』と聞いてしまうのは当然な流れであろう。
『いや~。これからだよ。間に合うかな?』との返事である。
居合わせたJRA職員に、『ちょっと遅れるかも知れないな』と冗談で言うぐらいに逆に余裕を感じたほど。
そこいらは十分に計算されてあるはずである。
本日最大のイベントである第2回ジョッキーマスターズ競走の発走は16時40分頃で、ゆうに間に合う時間である。

ところがもうひとり気になっていた人がいた。
7Rで注目していたヴェイルドクリスが3着に終わって、自分の見立てに正直ガッカリとして検量室に向った時、その大本命を管理している松元調教師が馬を待っていたのである。(あれっ?。たしか東京のアルゼンチン共和国杯は今日だったはず?アルナスラインは1番人気に押されているはずだよな)と心の中で自問自答をするのは当然であろう。
しかしそんな事も、その後の慌しさからいつの間にかすっかり頭からどこかへ飛んで行ってしまっていた。

ファンタジーSのパドックを今日はジックリと見れた。
やはり昨日からかなり冷え込んでいるだけに、パドック周辺はいつもになくガラすき。
たっぷりジックリと、馬の周回を観わたした。
牝馬レースであるが、ユッタリとパドックを廻っていい雰囲気の馬がワンカラットワイドサファイア
そしてツルマルハローの3頭。
ワイドサファイアは、心なしか毛艶が今ひとつに見える。
逆に数字以上に細く見えるのがアディアフォーンかといった感じ。
『うわ!これは凄い』なんて馬は見当たらない。

ゲートが開いた。
ツルマルハローのゲートは速かったが、そう行く気ではなく、内からダッシュを利かして先手主張はコウエイハートであり、2番手にアディアフォーンが付けた。
3番手のインコースに地方出身馬のイナズマアマリリス
ツルマルハローはその外目である。その後に1番人気のワイドサファイアが続いた。
しかしペースは全然速くなってないように思える。
そう流れも変わらないままに4角手前まで来た。
僅かにツルマルハローが前に位置を上げていたぐらいであろうか。
いきおい直線での追い比べの競走となった。
直線1Fでは、まだどの馬が真っ先にゴールするのかが読めない感じ。
しかし馬場の外目を通ってきている追い込み馬では、間に合わない勢いだ。
内のグループの勢いが目に付いた。
赤い帽子の馬がスルスルと先頭に立ち、その内から白い帽子、ワンカラットが急追するのが判る。
アディアフォーンも粘っているが、勢いが内2頭ほどでない。
大本命の福永J騎乗のワイドサファイアも、馬場の真ん中を末脚を駆って伸びてきてはいるが、先頭まで躍り出る脚色ではない。
結局、早めに先頭に出た伏兵イナズマアマリリスがクビ差先着のゴールだった。

検量室前の枠場のところへ寄っていくと、満面笑みの松元師が愛馬を出迎えに待っているとこであった。
『シゲキさん。おめでとうございます。東京ではなかったんですね』に『ありがとう御座います。内緒です』と返された。
『あ、こちらに自信を持っていたようだ!!』
と凄い先読みに驚いた瞬間であり、結果は波乱でもけっこうな手応えを持っていた穴馬がいたという事。
競馬の奥深さを、またまた見せつけられた思いであった。

前半3Fが36.1という、オープンでは珍しいほどの超スローな流れである。
千通過が1.01.1であり、最後の2Fが11.3、11.3。
決め手要求の競馬であり、道中は内ラチ沿いを通った馬が1、2着と、いつもながらのレースのポイント。
この結果が阪神のジュベナイルフィリーズに直ちに繋がるとは思えないが、牝馬路線もまだまだ確たる主役が決まっていないのを感じたものであった。