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トレイルブレイザー敗れるも価値ある一戦…平松さとしの現地レポート
2012/11/4(日)
現地時間11月3日、北米競馬の祭典・ブリーダーズCがカリフォルニアのサンタアニタ競馬場で行なわれた。
金曜、土曜の2日間にわたり、計13のGⅠレースが行なわれるこのビッグイベントに、今年は日本からトレイルブレイザー(牡5、栗東・池江厩舎)が挑戦した。
トレイルブレイザーが出走したのは総賞金300万ドルのBCターフ。芝2400メートルの舞台に、世界中から集まった12頭が覇を競った。
地元期待のポイントオブエントリー、昨年の凱旋門賞2着や今年のヴェルメイユ賞勝ちがあるシャレータ、昨年のBCターフの覇者セントニコラスアビーら強豪と共に走ったトレイルブレイザー。9月14日にアメリカに渡って以来、「順調」と言われてきたが、結果は、残念ながら勝つことは出来なかった。
休み明けの上、距離不足だった前哨戦を2着。最終追い切りでも手綱をとった武豊騎手が「素晴らしい動きだった」と相好を崩した。しかし、レース前日に思わぬアクシデントに見舞われた。大一番を目前とした11月2日の朝、右脚で左脚を蹴ってしまい、外傷を負ったのだ。
「怪我は軽症で済んだし、馬場入りが出来なくなったこともレース前日なのでさほど問題ではありません。ただ、独特の下りコースとダートを横切る部分をスクーリングさせておきたかったので、それが出来なくなったことは悔やまれます」
管理する池江師はそう語った。
実際、レースにはバンテージも巻かずに臨んだのだから、怪我は軽症だったようだ。また、スクーリングが出来なかったと心配した独特のコースもトレイルブレイザーは無難に走っていた。
レースも大詰めを迎えた直線の入り口では外から先頭に並びかけ、勝てるかと思えるシーンを作ってみせた。結果は4着に敗れたものの、2分22秒台の速い決着ながら勝ち馬から2馬身ちょっとの差で走り切ったのだから、立派なものだ。
「この馬のパフォーマンスはみせられたと思う」と武豊騎手が言えば、池江師も「負けたけど、ジョッキーは積極的に勝ちに行ってくれたので清々しいと言える結果」と語った。
元来、競馬はほとんどの場合、負けるもの。負けた中にも、何か掴める手応えがあるかどうかが重要だ。そういう意味では、今回の結果は十分に手応えがあったのではないだろうか……。帰国後のトレイルブレイザーと、同馬を取り巻く陣営に、さらなる注目をしたい。
平松さとし
ターフライター。1965年2月生まれ。
昭和63年に競馬専門紙「ケイシュウNEWS」に就職。その後、2紙経た後、フリーランスに。現在は雑誌や新聞の他にテレビの台本書きや出演、各種イベントの演出などを行う。毎年のようにブリーダーズCや凱旋門賞、ドバイワールドCを観に行くなど、世界中を飛び回る。そのお陰もあって、欧州におけるJRA所属馬のG1全17勝(平成24年現在)のうち16勝をライヴで目撃している。
金曜、土曜の2日間にわたり、計13のGⅠレースが行なわれるこのビッグイベントに、今年は日本からトレイルブレイザー(牡5、栗東・池江厩舎)が挑戦した。
トレイルブレイザーが出走したのは総賞金300万ドルのBCターフ。芝2400メートルの舞台に、世界中から集まった12頭が覇を競った。
地元期待のポイントオブエントリー、昨年の凱旋門賞2着や今年のヴェルメイユ賞勝ちがあるシャレータ、昨年のBCターフの覇者セントニコラスアビーら強豪と共に走ったトレイルブレイザー。9月14日にアメリカに渡って以来、「順調」と言われてきたが、結果は、残念ながら勝つことは出来なかった。
休み明けの上、距離不足だった前哨戦を2着。最終追い切りでも手綱をとった武豊騎手が「素晴らしい動きだった」と相好を崩した。しかし、レース前日に思わぬアクシデントに見舞われた。大一番を目前とした11月2日の朝、右脚で左脚を蹴ってしまい、外傷を負ったのだ。
「怪我は軽症で済んだし、馬場入りが出来なくなったこともレース前日なのでさほど問題ではありません。ただ、独特の下りコースとダートを横切る部分をスクーリングさせておきたかったので、それが出来なくなったことは悔やまれます」
管理する池江師はそう語った。
実際、レースにはバンテージも巻かずに臨んだのだから、怪我は軽症だったようだ。また、スクーリングが出来なかったと心配した独特のコースもトレイルブレイザーは無難に走っていた。
レースも大詰めを迎えた直線の入り口では外から先頭に並びかけ、勝てるかと思えるシーンを作ってみせた。結果は4着に敗れたものの、2分22秒台の速い決着ながら勝ち馬から2馬身ちょっとの差で走り切ったのだから、立派なものだ。
「この馬のパフォーマンスはみせられたと思う」と武豊騎手が言えば、池江師も「負けたけど、ジョッキーは積極的に勝ちに行ってくれたので清々しいと言える結果」と語った。
元来、競馬はほとんどの場合、負けるもの。負けた中にも、何か掴める手応えがあるかどうかが重要だ。そういう意味では、今回の結果は十分に手応えがあったのではないだろうか……。帰国後のトレイルブレイザーと、同馬を取り巻く陣営に、さらなる注目をしたい。
平松さとし
ターフライター。1965年2月生まれ。
昭和63年に競馬専門紙「ケイシュウNEWS」に就職。その後、2紙経た後、フリーランスに。現在は雑誌や新聞の他にテレビの台本書きや出演、各種イベントの演出などを行う。毎年のようにブリーダーズCや凱旋門賞、ドバイワールドCを観に行くなど、世界中を飛び回る。そのお陰もあって、欧州におけるJRA所属馬のG1全17勝(平成24年現在)のうち16勝をライヴで目撃している。
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