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-朝日チャレンジC-平林雅芳の目
2012/12/11(火)
土曜阪神11R
朝日チャレンジC(G3)
芝外1800m
勝ちタイム 1.46.6
ショウリュウムーン(牝5、キングカメハメハ・栗東・佐々木晶厩舎)
紅一点のショウリュウムーン、もたれながらも勝利!!
ハンデ戦らしく、直線入り口では横一列に近くなってどの馬にもチャンスがありそうだった。前列ではフレールジャック、デルフォイ、リルダヴァルの手応えが良く、流れからも勝ち馬はこの中からかと思えたもの。しかしゴールが近づくにつれて前列組の脚色が劣りだし、その少し後ろからアドマイヤタイシが抜け出す。そのすぐ後ろの馬群を抜けてきたショウリュウムーンが、内へもたれるのを矯正しながらも、伸び脚鋭く最後はクビ差前に出た。
今まで牝馬重賞を2つ勝ってきたが、今回は牡馬相手でのもの。見事な勝利であった・・。
スタートはほぼ互角。大外イケドラゴンのダッシュが速い。アドマイヤタイシも内で素早い。ダッシュのついたフレールジャックがスーッと上がってくる。最内からサンレイレーザーが2番手に上げる。ショウリュウムーンもこんな位置にいるのかと驚く程のポジションで、デルフォイの直ぐ後ろの内だ。リルダヴァルは後方から5頭め。最後方キングストリート、すぐ前をヒストリカルで2ハロンを通過。2ハロンめは10秒台の入りだったが、その後はやや平均ペースとなり、前半3Fを34.4の流れである、さらに800メートルを通過する時には、
2番手フレールジャックが先頭との間合いを1馬身に詰める。ここらでトライアンフマーチが大外を一気に順位を上げてきた。1000メートル通過時には、馬群はさらに凝縮され、最後方キングストリートまで8馬身ぐらいとなる。
4コーナーに入る時にはトライアンフマーチが先頭のイケドラゴンと同じぐらいの大外まで上がってきた。リルダヴァルもすぐ後ろまで進出。ドンジリにいたキングストリートも少し外へと向ける。
もう馬群は3列となって横に広がる形で直線へと入ってくる。外廻りの生垣を過ぎて内廻りの4コーナーまでのポッカリ開いた空間を通過。イケドラゴンが先頭ではあるが、フレールジャックがもう前に出る勢い。その隣りのデルフォイが持ったまま。トライアンフマーチも悪くない。その外リルダヴァルは少し押し気味の手応え。
再び内にラチが見えてきた。イケドラゴンとフレールジャックの間が開き気味となった処へ、アドマイヤタイシの勢いがいい。ヒストリカルは外へと持ち出してきた。キングストリートがその外だが、まだ最後方。その前にタガノエルシコとシルクアーネスト。
残り300のオレンジ棒を合図に、各ジョッキーが追い出す。アドマイヤタイシがフレールジャックの内から抜けて前へと出そうだ。フレールジャックの外を狙うのがショウリュウムーン。イケドラゴンの内からサンレイレーザーの脚色もいい。
1ハロンを過ぎて残り100のオレンジ棒では、先頭アドマイヤタイシに内のサンレイレーザーも並び加減だ。ショウリュウムーンが外側の手綱がピーンと張りながらも、フレールジャックを抜いて、もたれながらアドマイヤタイシを追う。秋山Jが、左手で外へ大きく戻しながら右ステッキを入れている。そしてついにアドマイヤタイシを捕えて、一番前へと出た。その時に外からタガノエルシコ、キングストリートがどっと強襲してきていた。
1000メートル通過が58.5は平均ペースだが、その後もけっこう流れて1600メートル通過が1.33.9と勝ち時計に等しい。最後の1ハロンが12.7とけっこう時計を要している。それがこの大接戦を表している。どの馬にもチャンスがありそうだった最終4コーナーの勢いであった。
結果的には、前々の内目でレースを進めていた馬の1、2着。ヒストリカルは同じぐらいの位置にいたタガノエルシコが3着。最後方からのキングストリートが4着と突っ込んできているだけに、そんなに伸びていないのはどうした事か。リルダヴァルは4角でいい処まで上がってきたが、最後は伸びあぐねていた。ここらも判らない処だ。
ショウリュウムーンは、勝つときは凄い脚を見せて勝つ印象が強い。今回は好位でのレース。内にもたれながらも秋山Jが最後まで追えていたのが、クビ差に出た。
これまで牝馬重賞を2勝。今回牡馬相手にG3のハンデ戦ながら勝利は大きい。今年、秋山Jも勢いのあるジョッキーである。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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