アニマルキングダム、DWCに向けて始動

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2011年のケンタッキーダービー馬アニマルキングダムは、グラハム・モーション調教師の下、南フロリダのパームメドウズトレーニングセンターで、2012年最後の調教を終えた。ルロワドザニモーの5歳の牡馬は、調教仲間のビッグバッドルロイブラウンと一緒に、レギュラーの攻馬手デヴィッド・ナーヴァを鞍上に芝4ハロンを54秒15でブリーズした。

ブリーダーズカップ以来、モーション調教師はパームメドウズの芝コースで3回、アニマルキングダムの調教を行っている。12月11日に4ハロンを52秒61、20日は5ハロンを1分02秒03、そして28日の3回目である。モーション調教師は「今日は馬を前に置いて攻めるようデヴィッドに指示した。彼は十分我々の期待に応えてくれた。今日を含めて5回以上の調教を行い、レースに備えたい」と話す。

アニマルキングダムは、11月3日のG1BCマイルでワイズダンの1馬身半差2着、オーナーサイドのティーム・ヴェーラー・インターナショナルは、2月9日ガルフストリームパーク競馬場で行なわれるG1ガルフストリームパークターフハンディキャップをターゲットに置いている。そしてこれが3月31日の総賞金1000万ドルのG1ドバイワールドカップへのプレップになる。

「彼と一緒に大レースに臨むことはこの上ない幸せです。これまではほとんど外廻り(ダート)の馬場でやって来ましたが、今回は本当に元気でやっています」とモーション調教師は語る。アニマルキングダムは8ヶ月の休養を経てBCに出走、バックストレッチから直線の動きは2着に敗れたとはいえ印象的だった。

2月18日ガルフストリームパーク競馬場のアローワンス勝ち以来となる2012年の2度目のレースにも拘らず、改めて能力の高さを証明して見せた。三冠全てを走り、プリークネスS2着、ベルモントS6着。昨年のDWCを目指して2月のアローワンスを勝った後、後肢を故障して願いが叶わなかった。

2010年9月のアーリントンパーク競馬場のメイドンで2着デビューして以来、ここまで9戦4勝、2着4回。ダート初挑戦のケンタッキーダービーで史上初の優勝を飾り、2013年5歳で現役を続けるダービー馬は、1997年のシルヴァーチャーム以来となる。ダートで3戦1勝、2着1回、オールウェザーで3戦2勝、2着1回、芝で3戦1勝、2着2回。

DWCの後アニマルキングダムは、ドバイから英国に渡り、恐らく6月のロイヤルアスコットを走る可能性が高い。それからアニマルキングダムは豪州に送られ、9月からオーストラリアを拠点とするジョン・メッサーラ氏のアローフィールドスタッドで繋養され、逆に2014年からは北半球にシャトルされることになる。

「アニマルキングダムは稀なアスリートとして我々は期待している。真の国際的血統によって、彼のクラスを表現することが出来る。彼は既にエリートクラスのマイラーで、2013年の世界的なスーパースターになる可能性を秘めている」とメッサーラ氏はコメントした。取引は既に輸入議定書の段階まで進み、ノースフィールズ・ブラッドストックのロビン・ブラス氏が仲介した。

ティームヴェーラーのCEOバリー・アーウィン氏は「元々アニマルキングダムは、2013年のシーズンを最後にレースから退く予定でいた。しかし、南半球でジョン・メッサーラ氏のアローフィールズ・スタッドのサポートが得られる見通しが付き、契約に至った。彼は世界で最も成功したデインヒルやその仔リダウツチョイスの2頭で成功した。私がこの機会を逃す手は無い」とコメントしている。

ブラジル産ルロワドザニモーを父に、母ダリシア(2009年に社台ファームが購入)はアカテナンゴ産駒のドイツ産という国際的血統。ブラッシンググルーム系で、リファールの4x4、ノーザンダンサーの5x5、グーフドの5x5のクロスを有す。アニマルキングダムは既に232万7500ドルを稼ぎ出している。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。