平林雅芳の目

トピックス

日曜京都11R
日経新春杯(GⅡ)
芝外2400m
勝ちタイム2:26.6

勝ち馬テイエムプリキュア(牝6、栗東・五十嵐厩舎)

■・・・3年1ヶ月ぶりの勝利。49キロテイエムプリキュア逃げ切りだ!!

有馬記念ダイワスカーレットの2着と長いところに強さを見せた前年のチャンピオン、アドマイヤモナーク
日経新春杯はそのアドマイヤモナークが中心となっていた。
しかし、ハンデ戦でもあり一筋縄ではいかない結末が待っているような予感を持たせていた。
スーパールーキー三浦Jに刺激されたかのように、若手ジョッキーの‘雨後のたけのこ’の如き急成長を感じさせる今日この頃でもあった。
京都では昼過ぎから、我慢しきれなくなった雨が降り始めた。
雨は続いたまま、淀競馬場の上空で雨雲を暗く低くたちこめた中で日経新春杯のスタートが切られた。

スタートは内のメジロコルセアメイショウクオリアがよかった。
鞍上荻野琢真Jが何がなんでもの気持ちでテイエムプリキュアを押して押して1周目のゴール前で先頭に立たせた。
最初の1Fは12.7だが2Fから11.3に11.7とけっこう早いペースの入りである。
そんな勢いを察したのか2、3番手の馬がそんなに追いかけない展開となり、テイエムプリキュアは1コーナー、2コーナーと軽快に気持ちよく逃げていく。 後続を7、8馬身ぐらい離しての逃走劇となった。

しかし1000m通過が1:01.1であることから、そんなに早いペースとはなっていない。
完全に自分のペースをつくれたテイエムプリキュア荻野J。
1200m通過が1:13.7とこれまた理想的な流れで、後ろとは離れているから十分に息が入っている。
3角の坂の下り付近では、後ろにいたシゲルフセルトが少し順位をあげるのとアドマイヤモナークマイネルレーツェルが動くタイミングが重なり、横一列でちょっとした微妙な動きとなってしまう。
川田Jがモンキースタイルの腰を鞍の上に落とすのがオーロラビジョンに映っている。
その前のグループにはまだ動きがなく、流れは大きくは変わっていない。

『15馬身ぐらいの差をつけて直線に入っていきます』と場内アナウンサーの声が聞こえる。
4角のカーブをどの馬にも並ばれずに先頭で入ってきたテイエムプリキュア
左の口角から長い舌がベロンと出てもう余裕はなさそうだが、おそらく後続の足音も聞こえないほど差があった筈。
そのまま直線に入り内ラチ沿いを進む。
鞍上の荻野琢真Jのステッキが連打されている。
まだ勢いよく後ろから伸びてきている馬は見当たらない。
馬群から先に抜け出てきたのはタガノエルシコだったが脚色は良くない。
むしろその外目から伸びてきたナムラマースの勢いの方が優っている。
でも前を行くテイエムプリキュアにはまったく届く勢いではない。
内からはメイショウクオリアホワイトピルグリムがゴール前で勢いづいていた。
外からもジワジワの脚色ながらアドマイヤモナークが脚を伸ばしていたが、時すでに遅しであった。

49キロの軽量を味方にしたテイエムプリキュアだが、最近でもハンデ戦での長丁場をソコソコ頑張っていた。
昨年の3着馬でもあるが今年はまたそれよりも1キロ軽くなっていた。
最軽量の逃げ馬の完勝劇となった今年の日経新春杯
ハンデ戦を嫌って次週中山のAJCCに廻る馬もあったりと、ちょっとメンバーが二分される感はある。
でもハンデ戦らしい競馬となり穴党には最高に面白い競馬だったかもしれない。
暮れの愛知杯では宮崎北斗Jが嬉しい初重賞。
そして今回は荻野琢真JがGⅡで初の重賞制覇。
テイエムプリキュア自体も2歳時に金髪熊沢J阪神ジュベナイルFを完勝以来の勝ち鞍。
なんと3年1ヶ月ぶりの勝ち星。
戦前に噂されていた、このレースを最後に繁殖入りという話も一旦検討となった様子。
『競馬は勝たなくては意味がない』とまたまた実感させられたものでした・・・。


日曜京都9R
紅梅S(オープン)
芝外1400m
勝ちタイム1:23.3
勝ち馬コウエイハート(牝3、栗東・山内厩舎)

逃げたのが岩田Jノアウイニング
2番手に川田Jコウエイハート
その岩田Jがつくったペースは前半3Fが36.1。
4Fが48.0、5Fが59.8と芝ではかなりゆったりとしたペースとなった。
そのまま直線に入り、2番手のコウエイハートが楽して行っていたノアウイニングを交わしたのが残り1Fあたり。
何とか逃げ粘ろうとしているノアウイニングをゴール前でハナ差かわしたのがチャームポット
その後に関東から転厩緒戦となったアイアムカミノマゴが4着。
1番人気のアディアフォーンは伸びあぐねて5着。
武豊J騎乗の2番人気アイレンベルクはゲートが開いた瞬間にただ1頭置かれるぐらい出が悪かった。
なんとかメンバー最速の脚を使ってインコースから伸びたが前々で決着がついた競馬では苦しかった。
牝馬限定オープンのレースだが、流れや時計を考えても桜花賞候補がいるとは思えない一戦であった。


日曜京都5R
メイクデビュー京都
芝2000m
勝ちタイム2:04.1
勝ち馬デルフォイ(牡3、栗東・長浜厩舎)

雨がいつ降ってもおかしくない空模様。
寒さが押し寄せるパドックにはエアグルーヴの子を観たいとの思いなのか取り巻くファンは親子連れも多かった。
圧倒的な人気に支持されたフォゲッタブル
なかなか風格のある馬体。
電光掲示板の下にある調教師達の席の前には、オーナーの金子氏池江郎師が談笑する姿も目に入った。

馬場入りしてキャンターの雰囲気も悪い。
そして4角奥のポケットに入り、発走を待つムードも落ち着いていて悪くなかった。
ゲートが開いて先手をとったのはアドマイヤメジャー
そして2番手にデルフォイがすっと前へ出ていく。
フォゲッタブルはじわっとした感じで5、6番手に位置した。
淡々とした流れで13秒台の緩いラップで進む前の2頭。完全に上がりの競馬となった。
フォゲッタブルは3角からの下りで少し順位をあげて4角入口でデルフォイの外目に並びかけようとしていたが、どうもガツンとハミを噛んで来ている感じはない。
前の2頭は予定どおりに追い比べ。
その後ろを内目で脚をためていたリリープレジャーが伸びて行くがフォゲッタブルはもたつく。
ちょっと馬が接触したところもあったようだが、そこで負けん気のある伸び脚は見られない。
武豊Jの右ムチに呼応することもなく5着でデビュー戦を終えた。

勝ったデルフォイシックスセンススペルバインド同様、長浜厩舎お馴染みの血統。
直線3Fを11.8-11.0-11.5と軽快に伸びて、逃げたアドマイヤメジャーに0.2秒差をつけてゴール。
しっかりした内容で勝ちあがった。
負けたフォゲッタブル武豊Jが『今日は結果を出せなかったけれども背中とか凄くいい馬。走ってくる感じはあるから緒戦だけでは・・』と言っていた。
正直幼稚園みたいな競馬だった。
まだまだ競馬はこれから長いのだから今回は結論を出さずに長~い目で見てあげたい・・・。