2013年ドバイカーニバル開幕[和田栄司コラム]

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10日、ドバイのメイダン競馬場で2013年のドバイカーニバルが開幕した。3月30日のドバイワールドカップデーまでは、延べ15日の日程で行なわれていく。初日のプログラムはコンディション競走のアルラシディアトライアル(芝1800m)とG2アルマクトゥームチャレンジR1(AW1600m)を中心に7レースが組まれた。

アルラシディアトライアルは1月31日に行われるG2アルラシディアの文字通りのトライアル戦、距離も同じ芝の1800mで行われ9頭が出走した。なかなか先行する馬が無く、痺れを切らしたレッドデュークが500mからかかって行ってしまい、早めに2番手に上がったシルヴェストレ・デ・スーザ騎乗のゴドルフィン馬シャレスタンが、直線400m残して抜け出し、後続に4馬身差、1分47秒79のコースレコードで優勝した。

アルマクトゥームチャレンジR1の方は、マイル戦だけにDWCよりはゴドルフィンマイルの候補として考えた方が良い。こちらはデーン・オニール騎乗の9歳セン馬バーベキューエディーが、前々4番手からレースを進め、直線3番手に上がると、300m残して先頭に立ち、こちらもレコードの1分37秒24、逃げ粘るゴドルフィンのアウトオブバウンズに1馬身半差を付けて優勝した。バーベキューエディーは目下4連勝で初めてのグループ競走勝ちである。

2013年のDWCデーは、DWC(AW2000m)、ドバイデューティーフリー(芝1800m)、ドバイシーマクラシック(芝2410m)、ドバイゴールデンシャヒーン(AW1200m)、アルクォーツスプリント(芝1000m)の5つのG1、UAEダービー(AW1900m)とゴドルフィンマイル(AW1600m)の2つのG2、そしてG3ドバイゴールドカップ(芝3200m)が組まれる。今年は3月30日の土曜日がDWCデーになる。

その3週前の9日に行われるのがスーパーサタデー。従来は木曜日に行われていたが、昨年から土曜日に変わった。勿論DWCデーの為の最終プレップでもあり、アルマクトゥームチャレンジR3(AW2000m)とジェベルハッタ(芝1800m)が昨年からG1に昇格、G2ドバイシティオブゴールド(芝2410m)、G3バージナハール(AW1600m)、UAE三冠の第2戦の準重賞アルバスタキア(AW1900m)が組まれる。

日本からトレイルブレイザーがアルマクトゥームチャレンジR3を使い、タペタの馬場で適正を見て、DWCデーでどのレースを使うかを計る予定だと言うが、トライアルを使うことが本来の挑戦へのステップ、トライアルで見通しが立てばDWCへ、タペタをこなせなければドバイシーマクラシックになる。

カーニバルを戦って来たメンバーは、当面の目標をスーパーサタデーに置く。ここではトレイルブレイザーのように、本番前に1戦使う馬との激突になる。始まったばかりの2013年のドバイカーニバルであるが、当分は目の離せないメイダン競馬場になりそうだ。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。