-東海S-平林雅芳の目

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日曜中京11R
東海S(G2)
ダ1800m
勝ちタイム 1.51.0

グレープブランデー(牡5、マンハッタンカフェ・栗東・安田厩舎)

グレープブランデー、直線で抜け出す脚が速い!!

風が吹き抜ける中京競馬場。だが馬場を向くと陽だまりはけっこうな暖かさだ。わりと人は多い。そんなスタンド2階から大勢のファンに混じってレースを観戦する。アイファーソングの逃げをぴったりとマークしていったナムラタイタンが4コーナーで先頭。残り200も何とか先頭で押し切れるかと思った瞬間に、外から真っ黒な馬体を光らせてグレープブランデーが一気に交し切って3馬身差の圧勝。1番人気のホッコータルマエがゴール前に詰め寄ったが、ナムラタイタンを交すまでは至らずだった・・・。

大勢のファンが見つめるスタンド前からのスタート。芝は坂が急になるあたりだが、ダートでも多少勾配が上がるのが見える。外から果敢にアイファーソングが出ていった。ナムラタイタンも上手くゲートを出れて、これも前へと行く。最初のカーヴまでにいいポジションを取りたいがために脚を使う。ここも2ハロン目が11.0と、かなりスピードアップしている。

迷わず逃げたアイファーソングが一番内へ入って、最初のカーヴを廻る。そしてすぐにふたつめのカーヴ。俄然、内が有利である。しかしそこからが長い向こう正面、けっこう追い上げていく馬が多く、息の入らない流れとなる。ここも12秒前半のラップが続く。関東から参戦のサイレントメロディだけが1頭ポツンと離れて最後方だ。アイファーソングが先頭。2番手ナムラタイタンにバトルドンジョンは変わらず。メダリアビートタカオノボル、そしてホッコータルマエがいる。ハートビートソングソリタリーキング、グレープブランデーらが中団である。

先行馬集団が3コーナーを廻る。少しずつ前の2頭、アイファーソングとナムラタイタンが後続との差を広げだす。ナムラタイタンの勢いがいい。4コーナーを迎えるが、今度はナムラタイタンが先頭で直線へと入ってくる。ホッコータルマエの姿も見えるが、ガツーンとした伸び具合ではない。

1馬身、2馬身と差を広げるナムラタイタン。これで決まりかと思えた残り1ハロン。真っ黒な馬体のグレーブブランデーが、スンゴイ脚で伸びてくる。そして楽々とナムラタイタンを捕えてゴールに迫っていった。
問題は2着争い。やや後続との距離が縮まったナムラタイタンだが、何とか粘れそうだ。後続馬にはソリタリーキング、グランドシチーがいるが、ホッコータルマエがいちばん前に出て3着となってゴールを迎えた。

1000メートル通過は1.00.4だが、次の1200通過が1.12.8。1400も1.25.8と遅くない。平均に速い流れとなったが、ナムラタイタンはその展開で良く頑張っている。
しかし何と言っても、グレープブランデーの復活の脚であろうか。後で新聞でのコメントを読むと《今回はシッカリと調整できた・・》と安田師の発言であった。専門紙を買っても柱に興味があっても、コメントを少々軽視していた。これからは隈なく読まなくてはと思えたものでもありました・・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。