主導権を握るレースで押し切るエーシンゴールド!

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土曜京都4R
3歳新馬
ダ1800m
勝ちタイム1.55.2

エーシンゴールド(牡3、メダグリアドーロ・栗東・野中厩舎)

主導権を握るレースで押し切るエーシンゴールド!

圧倒的1番人気のエーシンゴールド。あまりゲートの出自体は早くなかったのだが、押して前へと促してすぐに2番手の絶好のポジションでレースを進めた。終始逃げたゴッドマウンテンに馬体をピタっと並びかけながらも、ペースを速くはさせない最高の流れを造っていく。4角を廻って先頭となった時でも手応えは十分。3番手のインでレースをしていたミヤジマッキーが迫ってはきてクビ差ではあるが、着差以上の強い競馬で勝ち上がった。

1800のダート戦だけに普段ならジワっとした入りが多いのだが、このレースは違った。一番内のゴッドマウンテンがいちばん早いスタート。出た後にステッキを1発、そしてもう1発入れる。当然に最内枠を生かすために行く作戦だ。中ではミヤジマッキーも負けじと好ダッシュ。その内からエーシンゴールドもダッシュがついて上がってきている。外からマルサンムテキカトラスと1ハロンを12.3の入りである。
その1ハロンを過ぎても、まだ先行争いは収まらない。何とか内のゴッドマウンテンが、コーナーリングでカーヴに先に入って先頭となる。2ハロンめは11.2をマークする。そして徐々にペースは落ち着く。が、本命馬のエーシンゴールドがピタっと馬体を並べていく展開。
向こう正面に入って13秒台と落としたゴッドマウンテンだが、そこを後続がすかさず間を詰めてくる。スタート直後先行争いをした3頭が、すぐ後ろを追走だ。

3コーナーを過ぎるあたりでは先行馬集団が5頭、その後を3頭と2頭に別れて追走。最後方に1頭大きく離れる。1000メートル通過が1.03.5と数字的はそう速くない流れも、逃げたゴッドマウンテンにしてはキツい展開だ。
残り600メートルが近づくあたりで、3番手グループのマルサンムテキにステッキが入る。ややペースが上がった様子だ。それでもエーシンゴールドは絶好の手応え。3番手インのミヤジマッキーもじっとした手応えで、虎視眈々と狙っている。4コーナーでは5番手だったカトラスが追い上げて、3番手でカーヴを廻っていく。

直線に入って先頭はエーシンゴールドとなる。外カトラスと最内で粘るゴッドマウンテンとの間をミヤジマッキーが割ってくる。しかし先頭のエーシンゴールドはもう1馬身半の先。ミヤジマッキーが前を捕えそうな脚色で迫っていくが、エーシンゴールドはルメールJの左ステッキが都合3発、極めつけはゴール手前での右ステッキ1発が利いて、首差先着してのゴールだった。

積極的に自分からレースを作っていったルメールJとエーシンゴールド。最後はさすがに13.0とかかった分で、ミヤジマッキーにクビ差まで迫られたのは仕方ない。ダート戦ではあったが、けっこうなレベルだったと思える一戦だ。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。