アドマイヤシェルが遊びながらも勝つ!!

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土曜阪神3R
3歳新馬
ダ1400m
勝ちタイム1.26.5

アドマイヤシェル(牡3、フジキセキ・栗東・中尾厩舎)

アドマイヤシェルが遊びながらも勝つ!!


新馬戦もこの1月かぎり。短いところは除外馬が出る程に盛況。ルーシーブライドが軽快に逃げて、直線も交わされそうで何とか逃げ切ったと思った残り100メートル。追い上げてきたアドマイヤシェルが、外へもたれながらも抜き去って2馬身差をつけ、デビュー戦を飾った。1番人気のサクセスカッシーナが3着だった・・。

パトロール・ビデオを見上げている傍に藤岡佑Jが来て『いい心臓していますわ~。終わってもフーッとも言わない。たった2本しかやってないんですのにね~』と語る。そのパトロール・ビデオでは、直線で内からステッキを入れた後で外へ逃げ気味となっているアドマイヤシェルの映像が流れていた。
2頭出し厩舎が3セット。除外が出る程の出走だっただけに、思わぬ処での身内決戦があった。逃げたルーシーブライドも、4コーナーで上がってきた僚馬のサクセスカッシーナの勢いに屈するのではと思えたものだった。しかし直線半ばで《あ~あ、どうやら大丈夫、振り切った・・》と勢いが同じになった処で、勝利の芽も出てきたと思わず脳裏によぎったものだった。
ところが、内から外へ出したアドマイヤシェルの勢いがあまりにも良すぎた。3,4頭分の外をそれこそ《脚が違うよ~》とばかりの勢いで通り過ぎて行った・・。

最後の1ハロン13.6が示す。この時計の半分はルーシーブライドの起点である。しかしゴールはアドマイヤシェルのもの。だからルーシーブライドは、実際は14.0ぐらいに失速しているかも知れぬ。前半3ハロンを35.5で通過。1ハロン前で1.12.9とかなりの速いラップで推移していたのだから。
それでも押し切れるかもの勢いだったが、ただ1頭アドマイヤシェルが強すぎたという新馬戦であった様だ・・。
まだまだいる素質馬と思える瞬間であった・・。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。