【2回中山】フィールフリーリー…小平奈由木の注目新馬レポート

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注目の新馬【2回中山】フィールフリーリー

フィールフリーリー
(牝3、美浦・国枝厩舎)
父:アグネスタキオン
母:ミスベルベール
母父:Bering

内国産として51年ぶりとなるリーディングサイアーを獲得し、一時代を築いたアグネスタキオンの産駒。ラストクロップとなる3歳世代からも、ぜひダイワスカーレットやディープスカイらに続くスターの出現を期待したい。

母ミスベルベール(その父ベーリング)はフランスのG2・アスタルテ賞の覇者だ。同馬の全がダノンベルベール(2勝、阪神JF2着、クイーンC2着)。3勝したベルジュールは全兄、現4勝のサトノアポロは半兄にあたる。馬主を対象に出資を募る社台オーナーズにラインナップ。募集総額は2500万円だった。

社台ファームでの育成時より俊敏な動きが評判だった。8月8日、札幌競馬場に入厩し、15日のゲート試験をあっさりパス。29日には美浦に移動したが、暑さの影響もあって疲れが感じられた。いったん山元トレセンへ。丹念に15-15を消化したうえ、12月1日に帰厩した。順調に調整され、1月19日の中山(芝2000m)にエントリーしたものの、直前になって右前の球節部分に微熱を持つようになった。再び放牧を挟んで回復を待ったが、症状はごく軽いものだった。2月14日、トレセンにカムバックすると、以前にも増して動きが良化。先週の坂路では古馬500万下のロベルクランツをコンマ5秒追走し、馬なりで併入している。待ちに待ったレースに万全の態勢で臨む。

3月10日(日)、中山の芝1800mへ。田中勝春騎手で初戦突破を狙う。


小平 奈由木(こだいら なゆき)
早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。
月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判になっている。