外国産馬、アプローチングが抜け出す!!

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土曜阪神5R
3歳新馬
ダ1800m
勝ちタイム1.56.9

アプローチング(牡3、ニューアプローチ・栗東・白井厩舎)

外国産馬、アプローチングが抜け出す!!

残り少ない新馬戦。この距離でさえも8頭もの除外馬が出た一戦となった。やや時計のかかる決着となったが、抜け出したのはただ1頭の外国産馬のアプローチング。ケイコでは、ゲートから104.5秒と確勝もののタイムを出していた馬だが、人気は7番人気。意外な程に低人気だったが、終わってみれば3馬身から離す楽勝のデビュー戦となった…。

明るい陽射しを浴びてのデビュー戦。スタンド前のゲートインだが、ほとんどの馬が互角には出た。横一線の中からダッシュを利かせて出ていったのが、内目ではマルブツツヨシ、大外からがサンマルヴィグラス。1番人気のエイシンリュウウンと、アプローチングもそこに加わっていたが、前の2頭が行く気満々なので、少し抑える形で最初のカーヴを廻っていった。
やはり2ハロンめが10.7と、この距離ではちと速ぎる入りである。しかし先頭に立ったマルブツツヨシは、その後からグーンとペースダウンをしていく。サンマルヴィグラス、アプローチングが間合いを詰めていくが、流れは穏やかになっていく。
向こう正面の中間点では、最後方にいたウォーターグッデイが、大外を前へと順位を上げていく。新人、岩崎Jだ。なかなかここまでやる新人は見た事がない。エイシンリュウウンのすぐ後ろまで上がってきて3コーナーを廻っていく。2番人気エーシンゴーゴーはブービーの位置。前から10馬身ぐらいの位置だった。

ウォーターグッデイが、さらに先頭グループに並びかけていったのが、残り800のハロン棒過ぎ。その動きに併せる様にアプローチングが前へと出て行った。マルブツツヨシ、アプローチング、ウォーターグッデイと3頭が、並ぶ形で4角に入った。
直線に入ったら、逃げたマルブツツヨシ、道中脚を使ったウォーターグッデイの脚は上がり、アプローチングだけが伸びだす。外へ出したエイシンリュウウンが追いかけるが、思いのほか伸びがない。
もうアプローチングが独走態勢に入る。エイシンリュウウンを内からクールミニスター、外からダノンリュウオーが交して2、3着に上がった。
最後の1ハロンが14.2とかかったが、手前もなかなか替えてなかった様でもあるので気にはしまい。

南半球産で半年遅い誕生日。新馬勝ちのひとつの目安、ゲートからのタイムを教えてくれたのが、白井調教師だった。104秒は及第点。ガリレオの子供ではヴィルジニアがいる。そのガリレオを祖父に持つ血統である。芝は当然にいいだろうし、次のステージが楽しみにしたい。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。