スタートから譲らずマコトブリジャールが逃げ切る!

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日曜阪神5R
3歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.04.7

マコトブリジャール(牝3、父ストミングホーム・栗東・鮫島厩舎)

スタートから譲らずマコトブリジャールが逃げ切る!

今にも雨が降りだしそうな空。そんな中で、スタンド前からのスタートから先手を取って行ったのが、戸崎Jのマコトブリジャール。ポジション争いで、2コーナーあたりは4頭が雁行する勢いだったが、内ラチ沿いで先手を主張したマコトブリジャールが行き切る。
結局は、そのまま押し切った形となったマコトブリジャール。ゴール前で迫ってきたのがシャイニーデイズだったが、交すまでには至らず2着まで。戸崎、岡田Jと今年の移籍組のワンツーであった…。

やはり内有利、先行有利であろう。先手を取ったマコトブリジャールの戸崎J。スタートから出して行った。最初は様子を見る1ハロンだけに13.0、次が11.9とマズマズで入れた。その後が13.1と、ここらで後続が接近してきたあたり。そこから少しペースを上げていって、12秒台を4ハロン連続で続ける。それでも1000メートル通過が1.02.9だから、まずまず流れているとも言える数字ではあるし、十分に息が入っていたものだろう。

4コーナーを廻る時には、2番手追走していたホッコーマグマにステッキが入っていたが、マコトブリジャールの方は涼しい顔であった。残り300のオレンジ棒を過ぎても、まだ本当には追い出していない。
1ハロン手前の時に、チラっとオーロラビジョンを観た戸崎J。それでも手綱の操作だけでまだ追っていない。場内のアナウンスでは『外からは追いこんできたシャイーニーデイズ!』の声が聞こえた瞬間でもまだ仕掛けてなかった。
そして残り100のオレンジ棒が見えだしたあたりから左ステッキを1発、2発と入れて追っていった。シャイニーデイズがさらにグーンと伸びて迫って行ったが、マコトブリジャールの方はもうステッキを納めてのフィニッシュと、勝利を確信した戸崎Jの所作であった。

1番人気のデビルズハーツは、スタートはまずまずだったが、最外枠も意識してすぐに内へ入れての追走。前半はブービー追走だった。半分過ぎたあたりで前から15馬身ぐらいはあろうかの位置。ここでやや手が動いていた。ついて行けなかった様子。
シャイニーデイズが外へ出した直線入り口では、その後ろまで上がってきているが、かなりの脚を使っていた。最後は切れる脚とまでは言えない脚色となってしまったが、メンバー中最速の上がり脚ではあった。ここらに、先行有利な馬場コンディションも伺えるのではなかろうか。

406キロの小柄牝馬のマコトブリジャール。鞍上戸崎Jの、まんまの逃げ切り劇であった。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。