【桜花賞】クロフネサプライズに田所師「道悪でも…」

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7日(日)に行われる桜花賞(G1)に出走予定のクロフネサプライズ(牝3、栗東・田所厩舎)を管理する田所秀孝調教師の共同会見(3日)は以下の通り。

-:それでは、クロフネサプライズの田所秀孝調教師にお話をうかがいます。おはようございます。いよいよ桜花賞当週になりました。まず今のお気持ちをお聞かせください。

田所秀孝調教師:おはようございます。今日、最終追い切りを消化しまして、スケジュールどおりに行きました。あとはもう本番を待つというだけで、まあ、ひとつステップをクリアしたという気持ちです。

-:スケジュールどおりとおっしゃいましたが、今日の坂路での調教内容を教えていただけますか?

田:今日は併走馬を先に行かせたんですけれども、追い切り自体は単騎での追い切りをしたいということで。ただ、ゴール前は先に行かせた馬に並んで、そして、ゴール100mで少し伸ばすという、スケジュールどおり、予定どおりの調教でした。

-:先週の一週前追い切りが非常に良い内容で先生も満足されていたようですが、今日の内容、終えられての先生のジャッジはいかがですか?

田:昨日は雨でしたので、結構タイムがかかる馬場でした。ただ、最初からやると、ちょっと馬込みがありまして、避けるような追い切りはしたくなかったので、あえてちょっと15分ほど遅らせてやったんですけれども。まあ、それの効果はあったし、さらに今日の動きも、タイム的にも、この馬場では想像以上の動きだったとみてました。

-:さて、前走のトライアルのチューリップ賞を振り返っていただきたいのですが、先生の目にどういうふうに映りましたか?

田:ある意味、昨年末の2着は、まあ名前のとおり“サプライズ”というように言われていたんですけれど、その“サプライズが本当の力として、“ビッグサプライズ”になれた結果だったんじゃないかなと思っています。

-:3馬身、最後は突き放す強い内容でしたね。

田:そうですね、結果的には。先行は別にするつもりはなかったんですけれども、(武)豊君も、どれも行く馬がいないので、結局ハナに立つ形でしたね。さらに上がり34秒7ですか、それぐらいの上がりで、まあキッチリと上がっきてましたので、本当に強い競馬をしてくれたと思います。

-:今、先生の口からですね、まあ“サプライズ”という言葉も出ましたけれども、それは驚きだったのか、先生にとっては「これぐらいはやれるだろう」という感触だったのか、どちらでしょう。

田:いや、正直、新聞紙上でも書かれていたように、去年の暮れ(阪神JFの結果)は、半信半疑なところもあって、自分でも驚きの“サプライズ”だったんですけれども、チューリップ賞の勝利を見るとね、それが確信に変わったっていう感じです。

-:本番と同じコースで、しかも2回も強い競馬を見せてくれました。この馬の本当の強さというのは、どのあたりにあるんでしょうか?

田:そうですね、力もつけたことはもちろんなんですけれども、すごく利口な馬で、オンとオフもわきまえてますし、ある意味、牝馬でらしからぬ勝負根性を持っているのを感じました。

-:チューリップ賞の時はマイナス6キロ、馬体はその後、どうでしょうか?

田:4週間ほどでしたので、ずっとトレセンにおりましたけれども、体重面にしても同じような体重、数字でできるかなと。ただ、ここ一週前の追い切り、それから今日の本追い切り、そのへんで若干シェイプアップして、それが数字に現れるかもしれません。

-:となりますと、チューリップ賞よりも、さらスリムになっている可能性もあると。

田:そうですね。ただ馬体的には見ても触っても当時と変わりない馬体でしたけれども、はい。

-:さて、本番の桜花賞、武豊騎手で臨むことになりますが、心強いパートナーですね。

田:もちろん、皆さん方ご存知のように、彼は桜花賞も何勝もしていますから。安心して任せられる騎手ですから、そのへんのところはもう、彼に一任という形になります。

-:何か、武騎手と話し合って、作戦のようなものは立てられていらっしゃるんですか?

田:当然、前々での競馬になると思います。まあそのへんのペース配分、これはもう豊くんもちゃんと把握していると思うんですけれども、その点を主体とした作戦と、あとは牝馬の重賞ですから、スタートからどのようになるかちょっと分かりませんので、「スタートに気をつけてくれ。注意してください」ということだけだと思います。

-:週末が少しお天気が下り坂という予報もありますが、この馬、馬場に関しては重馬場はどうでしょうか?

田:それも若干、不安材料ではあるんですけれども、普段の追い切りも、ご存知のように酒井学君が陰の功労者として乗ってくれてますので、彼の感じを聞くと「悪い坂路でもしっかりと上がってきている」と。ですから、道悪でも何とかこなしてくれるんじゃないかとは思っています。

-:田所調教師も、ジョッキー時代に桜花賞を何度も挑戦されたと思うんですが、桜花賞に懸ける思い、どうでしょう?

田:いや~、よく聞かれるんですけれども、ジョッキー時代の桜花賞の頭数であるとか、乗り役のメンバーであるとか、そして馬の力関係であるとか、今とはもう比べ物にならないんですけれども、どちらにしてもやっぱりG1ですから、本当に手の届くところまで来ているような感触は受けているので。こういうチャンスというのは滅多に巡りあえないと思うので、何とかモノにしたいなと、そういう気持ちで臨みたいと思います。

-:おそらく1番人気、まあ1番人気でなかったとしても上位人気であることは間違いないと思います。そのあたり、ファンの皆さんに意気込みをひと言お願いします。

田:当日は万全な態勢で出走させます。それで、人気は皆さん方が応援してくださる数字として現れると思いますけれども、その期待に応えられるように最終的な仕上げをしました。当日は皆さんでその雄姿を、桜花賞、阪神競馬場で見ていただければ有難いと思います。応援お願いします。

-:先生、今年はファンの間でもそれから新聞紙上もそうですけれども、“混戦”というようにも言われていますけれども、先生の目から見たら今年はどうですか?

田:冷静に判断すると、各トライアル、いろんな馬が勝ち上がってきています。ただ、その各馬がやはり好位から、あるいは後方から差してくる馬が多いような気がするんですよね、で、うちのクロフネサプライズの場合は、ご存知のようにハナにも行けるし、前のほうでも競馬ができるという強みは感じていますので、そのへんがレース当日どういう展開になるのか、そういったことですね。

-:えー、私からの想定の質問は以上ですが、何かこの機会に皆さまご質問ございましたら……。ちなみに、先生がもしこの質問者の立場だったら、どう質問をされますか?

田:う~ん(笑)、まあ「1番人気で、あるいは上位に人気される調教師としてどういう気持ちですか?」と聞きたいですね。

-:お答えは?

田:普段の調教を淡々とこなして、そして、あまり気負いなくね。ある意味、追い切りするまでは心地よい緊張感を持っていたんですけれども、今度はその緊張感を、当日に向けていけられたらいいかなと。だから、すごくワクワクして楽しい時間です。

-:もう今は緊張感よりワクワクしてる感じですか?

田:う~ん、そっちの方が強いです、はい。

-:当日さらにビッグなサプライズが待っているといいですね。

田:いいですね~。ただ競馬ですから、相手もいますし。僕はゴール前でけっこう叫ぶほうなので、もう本当に声がかれるくらい応援すると思います、はい。

-:では当日期待しております、有難うございました。

田:有難うございました。