トピックスTopics
2000ギニーはドーンアプローチが5馬身差の圧勝[和田英司コラム]
2013/5/7(火)
4日、英ニューマーケット競馬場で行なわれた2013年のクラシックロードの開幕を告げる第205回2000ギニーは、ゴドルフィンのアイルランド調教馬ドーンアプローチが5馬身差の圧勝で自らの連勝記録を7に伸ばした。
ローリーマイルコースを使用して行われる直線のマイル戦は13頭立て。ペースメーカーのレティモアが果敢に飛ばした。1頭グローリーアウェイトだけがセンターからファーサイドに向かう。レティモア、グローリーアウェイトの順で、3番手は4戦4勝の2番人気トロナード、その横に人気のドーンアプローチが4番手のポジション取りとなった。
ビッグ2は残り2ハロンで早くも先頭に立ち、ドーンアプローチが残り1.5ハロンでアドバンテージを取ると、そこへグローリーアウェイトが馬体を寄せて来た。それでもドーンアプローチは楽に捌いて突き放し、5馬身差の圧勝、グッドトゥファームの馬場、1分35秒84の好タイムで優勝した。1勝馬のグローリーアウェイが2着に入ってびっくり、なんと単勝倍率151倍の人気薄だった。
ゴドルフィンの優勝はこれが4回目。マームード・アル・ザルーニ調教師の、15頭の馬にステロイド陽性反応が出た所謂ドラッグスキャンダル(8年間の停止処分)以来、シェイク・モハメド殿下はこの日初めて競馬場に姿を見せたが、愛馬の活躍に胸を撫で下ろした。各ブックメーカーはドーンアプローチのダービーでの前売りオッズを3倍に定めている。
レーシングマネージャーのサイモン・クリスフォード氏は、ゴドルフィンのウェッブサイトで「ドーンアプローチは6月1日のエプソム競馬場で行なわれるダービーを使うことが皆の合意で決まった。彼の負けじ魂と振る舞いは他に秀でている。レースではとてもリラックスしているのでマイル&ハーフの距離ではより良いチャンスがあることを意味している」と綴っている。
母はスプリンターのフォーントリック産駒の未勝利馬ヒムオブザドーン、7戦の内容を見ると父ニューアプローチの血をストレートに受け継いだような活躍である。果たして5年前のダービーのように親子制覇出来るのか、注目のダービーになりそうである。
8時間後、米チャーチルダウンズ競馬場では2013年のトリプルクラウンシリーズの開幕を告げる第139回ケンタッキーダービーが19頭立てで行なわれた。あいにくの雨でダートコースは水が浮いたスロッピー馬場、しかしこちらも1番人気のオーブが2馬身半差の完勝でG1連勝、4戦目にメイドンを勝ち上がって以来の5連勝を飾った。
レースは5頭出しのトッド・プレッチャー厩舎の1頭パレスマレスが先行 22.57-45.33のハイペースで飛ばした。サンタアニタダービー勝馬のゴールデンセンツ、14番枠からウッドメモリアル勝馬ヴェラザノ、大外20番枠からヴァイジャック、更に内から1月に復帰したガリー・スティーヴンス騎乗のオックスボウも2番手グループで追いかけた為、結果はハイペースの前潰れとなった。
更に3コーナー過ぎから中団12番手にいたノルマンディーインヴェイジョンが捲って直線先頭に立つ。そのノルマンディーインヴェイジョンが残り1ハロンでオーブに捕まってしまう程の速い流れだった。16番枠から発走したオーブはスタートすると内に入れて、後方16番手で待機策。3コーナー過ぎから外に出し、3~4コーナー中間から捲って、4コーナーではヴェラザノの外に振られたものの一気に前を捕えた。
こちらも2着は人気薄の1勝馬ゴールデンソウル、4番枠から出て後方15番手にポジションを取り、3コーナー過ぎからラチ沿いに上がって直線4番手、直線では外に出したところにオーブが来て追いかける形となった。3着レヴォリューショナリーは後方18番手からやはりラチ沿いを進み、直線一旦は2番手に上がったものの、ゴールデンソウルに1馬身交わされてしまった。
勝ちタイムは2分02秒89、勝利ジョッキーのジョエル・ロザーリオ騎手は、ドバイワールドカップに続くビッグレースの優勝で「ケンタッキーダービーを勝てるなんて夢を見ているようだ」と喜びを口にした。殿堂入り調教師の優勝は初めてで、クロード・マッゴーイ調教師は、1989年にイージーゴアーで2着、オウインスパイアリングで3着の成績はあるが、今回が7頭目の挑戦で初めて掴んだ優勝だった。
米トリプルクラウンシリーズは、中1週でピムリコ競馬場のプリークネスS、中2週でベルモントパーク競馬場のベルモントSと続く。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
ローリーマイルコースを使用して行われる直線のマイル戦は13頭立て。ペースメーカーのレティモアが果敢に飛ばした。1頭グローリーアウェイトだけがセンターからファーサイドに向かう。レティモア、グローリーアウェイトの順で、3番手は4戦4勝の2番人気トロナード、その横に人気のドーンアプローチが4番手のポジション取りとなった。
ビッグ2は残り2ハロンで早くも先頭に立ち、ドーンアプローチが残り1.5ハロンでアドバンテージを取ると、そこへグローリーアウェイトが馬体を寄せて来た。それでもドーンアプローチは楽に捌いて突き放し、5馬身差の圧勝、グッドトゥファームの馬場、1分35秒84の好タイムで優勝した。1勝馬のグローリーアウェイが2着に入ってびっくり、なんと単勝倍率151倍の人気薄だった。
ゴドルフィンの優勝はこれが4回目。マームード・アル・ザルーニ調教師の、15頭の馬にステロイド陽性反応が出た所謂ドラッグスキャンダル(8年間の停止処分)以来、シェイク・モハメド殿下はこの日初めて競馬場に姿を見せたが、愛馬の活躍に胸を撫で下ろした。各ブックメーカーはドーンアプローチのダービーでの前売りオッズを3倍に定めている。
レーシングマネージャーのサイモン・クリスフォード氏は、ゴドルフィンのウェッブサイトで「ドーンアプローチは6月1日のエプソム競馬場で行なわれるダービーを使うことが皆の合意で決まった。彼の負けじ魂と振る舞いは他に秀でている。レースではとてもリラックスしているのでマイル&ハーフの距離ではより良いチャンスがあることを意味している」と綴っている。
母はスプリンターのフォーントリック産駒の未勝利馬ヒムオブザドーン、7戦の内容を見ると父ニューアプローチの血をストレートに受け継いだような活躍である。果たして5年前のダービーのように親子制覇出来るのか、注目のダービーになりそうである。
8時間後、米チャーチルダウンズ競馬場では2013年のトリプルクラウンシリーズの開幕を告げる第139回ケンタッキーダービーが19頭立てで行なわれた。あいにくの雨でダートコースは水が浮いたスロッピー馬場、しかしこちらも1番人気のオーブが2馬身半差の完勝でG1連勝、4戦目にメイドンを勝ち上がって以来の5連勝を飾った。
レースは5頭出しのトッド・プレッチャー厩舎の1頭パレスマレスが先行 22.57-45.33のハイペースで飛ばした。サンタアニタダービー勝馬のゴールデンセンツ、14番枠からウッドメモリアル勝馬ヴェラザノ、大外20番枠からヴァイジャック、更に内から1月に復帰したガリー・スティーヴンス騎乗のオックスボウも2番手グループで追いかけた為、結果はハイペースの前潰れとなった。
更に3コーナー過ぎから中団12番手にいたノルマンディーインヴェイジョンが捲って直線先頭に立つ。そのノルマンディーインヴェイジョンが残り1ハロンでオーブに捕まってしまう程の速い流れだった。16番枠から発走したオーブはスタートすると内に入れて、後方16番手で待機策。3コーナー過ぎから外に出し、3~4コーナー中間から捲って、4コーナーではヴェラザノの外に振られたものの一気に前を捕えた。
こちらも2着は人気薄の1勝馬ゴールデンソウル、4番枠から出て後方15番手にポジションを取り、3コーナー過ぎからラチ沿いに上がって直線4番手、直線では外に出したところにオーブが来て追いかける形となった。3着レヴォリューショナリーは後方18番手からやはりラチ沿いを進み、直線一旦は2番手に上がったものの、ゴールデンソウルに1馬身交わされてしまった。
勝ちタイムは2分02秒89、勝利ジョッキーのジョエル・ロザーリオ騎手は、ドバイワールドカップに続くビッグレースの優勝で「ケンタッキーダービーを勝てるなんて夢を見ているようだ」と喜びを口にした。殿堂入り調教師の優勝は初めてで、クロード・マッゴーイ調教師は、1989年にイージーゴアーで2着、オウインスパイアリングで3着の成績はあるが、今回が7頭目の挑戦で初めて掴んだ優勝だった。
米トリプルクラウンシリーズは、中1週でピムリコ競馬場のプリークネスS、中2週でベルモントパーク競馬場のベルモントSと続く。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
- すべて
- 攻略レポート
- レース
- トピックス
- インタビュー
- 2024/10/7(月) 【凱旋門賞】牝馬ワンツー!ブルーストッキングが2番手から押し切り女王の座に
- 2024/10/6(日) 【毎日王冠】クラシックの雪辱果たした!シックスペンスが差し切り優勝
- 2024/10/6(日) 【京都大賞典】6歳にして掴んだ栄光!シュヴァリエローズが重賞初制覇
- 2024/10/6(日) 【秋華賞】出走馬格付けバトル!G1馬2頭を差し置いてトップに立った将来の名牝候補
- 2024/10/6(日) 【毎日王冠】土曜は重賞ワンツー!最新傾向から急浮上した「馬券率100%」の2頭
- 2024/10/5(土) 【京都大賞典】1日3勝の固め打ち!土曜京都の「最新トレンド」から浮上した逆転候補
- 2024/10/5(土) 【サウジアラビアRC】魅せた豪脚!アルテヴェローチェが前をまとめて差し切り勝ち!
- 2024/10/4(金) 引退競走馬のリトレーニング【高田潤コラム】