【3回阪神】ピークトラム…小平奈由木の注目新馬レポート

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注目の新馬【3回阪神】ピークトラム


ピークトラム
(牡2、栗東・橋口厩舎)
父:チチカステナンゴ
母:タッチザピーク
母父:スペシャルウィーク

父はチチカステナンゴ。フランス時代の種牡馬成績が評価され、社台グループが約7億円で導入した期待の血筋である。初年度産駒には物足りなさが残るが、サンデーサイレンス系を中心として豪華繁殖に配合されているだけに、いずれ大物が登場するはず。

母タッチザピーク(その父スペシャルウィーク)は3勝をマーク。その半弟に中山金杯などJRAで現5勝(地方4勝)のタッチミーノットがいる。2勝のタッチザターゲットは同馬の半兄。馬主を対象に出資を募る社台オーナーズに総額2000万円でラインナップされた。

社台ファームでの育成時も、早くから素軽い動きを見せていた。山元トレセンを経由し、4月17日、栗東に入厩。坂路での15-15と並行してゲート練習を進め、5月10日の試験をパスする。コンスタントに時計を出し、併せ馬では常に楽な手応えで先着。この父らしからぬスピードがあり、完成度は高い。

橋口弘次郎調教師は、こう素質を評価する。
「幅があり、しっかりした馬体をしているよ。この時期の若駒らしからぬ体力。奥もありそうだね」

6月1日(土)、阪神の芝1600mにスタンバイ。小牧太騎手が騎乗する。


小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

清水成駿氏の公式サイト「SUPER SELECTION」に毎週連載中の「トレセン尋ね人」や、月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判になっている。