【3回阪神】クールオープニング…小平奈由木の注目新馬レポート

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注目の新馬【3回阪神】クールオープニング

クールオープニング
(牡2、栗東・橋口厩舎)
父:マンハッタンカフェ
母:ファレノプシス
母父:ブライアンズタイム

サンデーサイレンスの優秀な後継であり、レッドディザイア(秋華賞)、ジョーカプチーノ(NHKマイルC)、ヒルノダムール(天皇賞・春)、グレープブランデー(ジャパンダートダービー、フェブラリーS)など、様々なカテゴリーに一流馬を送っているマンハッタンカフェの産駒。2009年にはリーディングサイアーにも輝いた。

母ファレノプシス(その父ブライアンズタイム)は桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯を制した名牝。その半弟が毎日杯、京都新聞杯、そして日本ダービーと、3連勝で3歳世代の頂点を極めたキズナである。同馬の半姉にアディアフォーン(3勝、ファンタジーS3着)、ラナンキュラス(2勝、フィリーズレビュー2着)がいる。牝馬ばかりが続いた繁殖に誕生した待望の牡。生まれ落ちた瞬間から大きな期待がかけられていた。

大山ヒルズでの育成は順調に進行。完成度の高さが評価され、4月17日、栗東に入厩した。15-15と並行してゲート練習を進め、5月10日の試験をパスする。細身のすらっとしたスタイルだけに、力が要る坂路やウッドコースでの動きは目立たないが、フットワークはしなやか。先週のポリトラックでは余力たっぷりに素軽い動きを披露した。仕上がりは良好。いかにも軽い芝で切れ味を発揮しそうな個性である。クールなオープニングを飾りそうな予感がする。

6月9日(日)、阪神の芝1400mにスタンバイ。叔父のキズナと同様の勝負服で競馬場に初登場する。鞍上は母の手綱も取った武豊騎手


小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判になっている。